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舞台、俳優DD、サブカルかぶれ等

俳優おたく対談企画 vol.1 「2.5次元の対角上の、推しとその先」 後編

 

(前編はこちら)

plus14.hateblo.jp

 

(※前半に引き続き、この対談における推しへの見解はすべて個人の勝手な想像と偏見の域を出ません)

 

 

公演とあれこれ

めりい:てなわけで後編開始です!

おたくの弊害としてはさ、全通とかしてると推しの外に出る、わたしなら俳優としての「横浜流星」はほぼ全部見ることになるわけじゃん。だから1回しか公演に来ない、ほんの少しの情報で推しに対するイメージが決まってしまう人がいる、って事実に対してなんていうか、ひどく弱いよね。

やなぴよ:全力のそれな。

めりい:推しが好きだからこそ、違うのに!そうじゃないのに!その一回だけで判断しないで~!って瞬間あるよね。

やなぴよ:そうそう、わたしはちょっとこれに関して言いたいことがあってさ。 鳥越さんってペダステのときもそうだし、ホンキートンク*1のときもそうだったんだけど、ときどき喉を潰して舞台に立ってたりするのね。

めりい:あ~喉!横浜くんも年始のGロッソ舞台挨拶と夢ドームで完全に喉おかしかったなそういえば……。てか横浜くんは肌荒れがえげつない時がある(真顔)。

やなぴよ:あるじゃんそういうとき。わたしはいっぱい公演見るから、別に鳥越裕貴に対するイメージが「喉の調子がおかしかった」には別にならないけど、でも舞台ってその一回しか見に来ない人だってたくさんいるわけじゃん。

めりい:なまものだからね。

やなぴよ:その一回しか見に来ない人からしたら、鳥越裕貴が喉の調子がおかしい人、って認識になっちゃうかもしれないわけで、そういうことにもやもやしたりするし、まあもやもやするだけで何かできるわけじゃないんだけどさ!(笑)

めりい:うんうん。もどかしいよね。喉の調子ではないけど、そのモヤモヤ感はヒーローショー通ってるときに切実に感じてた……。

やなぴよ:ヒーローショーってけっこう敷居低いイメージだから勝手に悩まなさそうとか思ってた。やっぱモヤる瞬間ある?

めりい:ありまくりだよ(爆笑)! わたしよく言ってるんだけど、戦隊って半端なく公演数多いんだよね。ヒーローショーが半年で138公演とそのあとに全国ツアー10都市29公演とか控えてて他にも舞台挨拶とかいっぱいあって。

やなぴよ:鬼畜だ……。

めりい:そうなってくるとさ、やっぱ話す内容ってなくなってくるじゃん。そんなに持ちネタがあるわけでもないし、これつまんねーなって話を頻繁にされる時とかあるし。でもそれってある意味戦隊の伝統みたいなものだから……(笑)。

それはさておき、戦隊現場にありがちな現象として挙げられるのが「複数の公演を観劇していることを前提にしたトーク・ネタ」と、「明らかにこれは適当だろってレベルのトーク」なのね。

やなぴよ:あ~地下アイドルとかにありがちなやつか。

めりい:明らかにこれ前の回見てないとわかんないだろ!?って流れとか、グダグダになるのはわかるけど適当なトークとか、「わたしは何回も見に来るからいいけどこの1回しかないお客さんもいるんだよ……!?」って思っちゃうわけですよ……。そこで横浜くんが「内輪ネタしかしゃべんないつまんない奴」ってその1回だけ見た人に思われちゃうのがめちゃめちゃ嫌で、ヒーローショー期間はモヤってたこともあった。

やなぴよ:うんうん。

 

視野狭窄とおたく

めりい:鳥越さんってさ、演技にしろ、2.5次元にしろ、代表作があってずっとやってて、原作からもキャラを通しておたくを引っ張ってこられて、って強みがあるじゃん。 特撮とは違って2.5次元って、キャラが好きでそのまま俳優の強火のおたくになってくれる人がいるからそれは良い点だと思うのね。

やなぴよ:前編で「役と役者を考えなしに結びつけちゃう現象が起きるのは2.5次元の弊害」って話をしたけど、別に役から入ったファンでもそこの分別がついていれば良いんじゃないかなって思う。っていうかむしろわたしたちがそうだからね……。

めりい:そうそう、わたしも前編の話に戻るけどさ、横浜くんはまんべんなくボールを打ち返せる人だ、でもそれじゃ二軍でしかない、って話で。わたしこの前カレンダーイベントがあったんですよ、横浜くんの。

やなぴよ:出たwwwwww

めりい:いろいろあったね!(笑)で、まあそのときに、横浜くんのおたくをちょっとあがりかけてる人と話す機会があったの。その人が言ってたのが、「流星くんはたしかに魅力的だけど、応援したくなるような要素がなくて、いま流星くんにファンがいるのって、めりいちゃん然り、宗教的な、端的に言えば頭おかしいファンがずっと残ってるからだ」みたいなことで。

やなぴよ:めりちdisられてるじゃん(爆笑)

めりい:いや、まあそのあとに「頭おかしいは褒め言葉だよ」って言ってたけどね!?(笑)だから要するに、わたしの頭が正常で横浜くんに対して視野狭窄してなければきっとわたしはとっくに上がってるんだよね。視野狭窄ってわたしの側の問題じゃん!?

やなぴよ:うんうん。だからさ、さっきも*2言ってたけど、カレンダーイベントの集客数がマスコミ記事で出てたけど、って話になってたじゃん。

めりい:(爆笑)

やなぴよ:出てたけど、700人って捌けた冊数計算だろうから、700人のうち100人はめりちじゃね?ってツッコミ入ってたじゃん!(笑)

めりい:7分の1だよ。

やなぴよ:だから、そういうことだよね。

めりい:な、なんかなあ……。

やなぴよ:そう、わたしいつも言ってるけど、鳥越さんのお芝居についてもっといろんな人に色々書いてほしいっていうか、アウトプットしてほしいって思ってて。お芝居に対して意見をずらずら書く人があんまりいないっていうか、ほかの人の鳥越さんの芝居に対する見方が知りたいなって思ってるのね。

めりい:うんうん。

やなぴよ:わたしの目に付く範囲で、芝居に対するしっかりした感想があんまり目に付かない気がする。読みたいのに! 文章にしてないだけかもしれないけど。

めりい:でもさ、文章にしてないだけかもしれない、とか言うけどさ。向こうだって、写メ撮ってくれなきゃプレゼントの服を着てるのかわかんないのと同じように、言わなきゃわかんないじゃん。シュレーディンガーの猫(Wikipedia)じゃないけど、プレ着てくれる写真を撮ってくれない限り着てくれてる可能性と着てくれてない可能性は永遠に1/2の状態なんだよ(?)。

やなぴよ:よくわかんないけどなんかわかるわ。

めりい:私はよく「表に出さないのはゼロと同じ」って言ってるんだけど。ファンレター書かないで好きな気持ちが伝わるわけないし、向こうが読んでるにしろ読んでないにしろ、書かないと気持ちが伝わる可能性はゼロだよね。 よく冗談で「やばい!推しにエスパー使える気がする!」とか言ってるけど、実際のところアクションを起こさなければ伝わらないことは一番良くわかってるじゃん……。

やなぴよ:夢見がちなおたくほど現実主義者なんだよね。

めりい:あくまでもこれは例でしかないけど、俳優の応援に関してたとえば「文章に起こしてない人がいるだけかもしれないけどほかの人も鳥越さんの芝居に関していろいろ思ってるかもしれない」みたいな幻想はムダな気がする。

やなぴよ:まあね……。わたし思うところあったのが、夏に鳥越さんが「竹林の人々」って舞台をやってたのね。劇団鹿殺しっていう劇団さんなんだけど。で、舞台始まる前に、コメント動画ってみんな撮るじゃん?

めりい:うん。

やなぴよ:こうこうこういう作品で、こういう役やります、みたいな感じの。で、鳥越さんって結構そういうコメント動画で、るひま*3のもそうだけど、……まあるひまのは噛み倒してたってのもあるけど!(笑)わりとどの作品も、明るくて、ぱー!って感じなの。それこそ擬音めっちゃ使ってきたりとか。普段の、……気を使ってるんだろうけど、場を盛り上げようとしてくれてる鳥越裕貴、って感じで写ってるのね。ファンから見て、ああ、鳥越さんっぽいなー、って感想になるわけじゃん。

だけど「竹林の人々」のコメント動画はもう、ド緊張してるのがこっちにも伝わってくるの!丸分かりなの。本人も「いつか芝居がもっとうまくなったら出てみたいなって思ってた劇団さんで」って言ってて。その気持ちも伝わってくるし、チャレンジしてる、挑戦してるんだろうなっていうのも伝わってくるし。これを機にもっといろんな人に魅力を知ってもらいたいんだろうな、っていろいろわたしはそれを見て思ったのね。

めりい:意気込みがね。


OFFICE SHIKA PRODUCE「竹林の人々」鳥越裕貴 - YouTube

やなぴよ:うん。ブログも当時読んでて、いつもと気合の入れ方が違うなって思ってて。本当にこの作品を大事にして、この作品を糧にして、それこそいい意味で踏み台にしてもっと上に行こうって思ってるんだなっていうのもすごい伝わってきたの。 だから今までのどの舞台を見に行くってなったときよりも死ぬほど初日が楽しみで仕方なくて!早く鳥越裕貴の芝居が見たい、ってずーっと思ってて、だからこそ初日すっごい馬鹿みたいに泣いたし。

めりい:思い入れが強すぎるタイプのおたくだ……。

やなぴよ:お前もだろ!(笑)主演っていうのもあるからさ。真ん中に立ってる鳥越さんに毎日毎公演拍手を送るのがほんとに幸せだったの。作品的にもいい話だったし、鳥越さんの芝居的にも、ブログとかツイッターとかで本人が言ってたように「もがいてきます」「もがいてます」ってその通りだったし。「苦しんでます」って本人が書いてた意味もわかる芝居だったの。だからいろんな意味で、芝居人として改めて、もそうだし、人としてもこの人が好きだ!って実感して。「ここのこういう部分がすごく鳥越裕貴らしい芝居で」とかすごく手紙に書いたりしてたけど。 一方でどうしても世間からのイメージって、鳴子のまんまじゃん。

めりい:ああ~~~~。

やなぴよ:「どこどこがかわいかった」みたいな感想とかがすごく多くて。

めりい:2.5次元ノリって言い方はおかしいかもしれないけど、そういう客層がそのまま流れてきてるとがっつり「芝居」って感じのものを観ても向こうのほしい感想って得られないのかなとか思っちゃうよね。

やなぴよ:そう! あとね、劇中で何回か鳥越さんが脱ぐんだよ。生着替えを舞台上でするんだけど、パンイチになるシーンが3~4回あるの。

めりい:確認だけどさ、別にそれはさ、"そういう"パンイチじゃないでしょ?舞台表現でしょ?

やなぴよ:そうそうそう!鹿殺しさんならではの表現でしかないんだよ。だから私はそれを観ても別になんとも思わなかったのね。

めりい:でも客層が2.5次元系統になってくると、これは見方の違いの例でしかないけど、たとえばそこでパンイチに対して、わ~パンイチだ~って感想を抱く人が出てくるわけじゃん。舞台本編よりもパンイチが印象に残りました、みたいな本末転倒の。2.5次元が「萌え」って文化を内包してるからこその副産物だけど、でもそれって作り手の想定してる見方とは違うよね……。何もかも作り手の思い通りに受け取ってもらえないのなんて創作の常だからそこは仕方ないけど。

やなぴよ:あれだけ思い入れのある舞台で、あれだけ命かけた演技してあれだけ細かい動作してたのに、お前の感想そこしかないの!?って思う……。自分のファンはもちろん自分のファン以外にも観てほしい、って思ってるだろうなっていうのが伝わってくるのに、ってなんか私が悔しくなっちゃって。

めりい:推しの意気込みが100%観客に伝わるとは限らないし、パブリックイメージを覆すのって難しいよね。 わたしの周りにいるおたくって、言い方はすごく端的だけど、推しに勝手に感情移入して勝手に傷ついちゃう人がすごく多い気がする。自分と推しの区別がついてない、っていうと本当に極端な言い方だけど。応援しているうちに、自分も勝手に一緒に頑張ってる気持ちになっちゃうじゃん。 自分でその異常さに気づいてないわけじゃなくて、改善しようとは思ってるんだけど無理なんだよね~……。

なんかわたし最近やなちゃんの話聞いてるうちに鳥越裕貴に詳しくなってきた気がする。

やなぴよ:本末転倒かよ!!

めりい:わたしたちって2.5次元にしろ特撮にしろ、こういう役者ありきの見方をするのって少数派じゃん。別に間違ったことを言ってるわけではないとわたしは思ってるし、ダメなこと言ってるとも思ってないんだけど、でも世の中には多数派がいるからだんだん自分が正しいこと言ってるのかよくわからなくなってきて。それでときどき不安になるよね。そう、たぶんキャラありきの見方とか、ヒーローありきの見方のほうが多数派なんだよ……!

やなぴよ:そのほうが楽だしね。

めりい:そうそう。キャラって、こんなこと言うとちょっと横槍とんできそうだから(個人の見解です)って注釈つきで言うけど、生きてないじゃん。生きてないものに対していくら好き勝手に言っても、そこに責任って生まれないのね。でも俳優の場合、相手って人だから。決して交わらない、板の上で、ガラスの向こうにいる遠い人とはいえ、やっぱり発言に責任があるような気がして怖いし、なにより重い。っていうかわたしが安全の幅をとりすぎなのかもしれないけどね。 キャラありきで見てたほうが推すのもやめるのも楽なのは間違いない。

 

俳優のダム問題

めりい:わたしが提唱してる概念に、「俳優のダム」っていうのがあるんだけど。

やなぴよ:なにそれ!?(爆笑)

めりい:真剣に聞けよ!(笑)わたしが「俳優としての横浜流星」に関して知れる範囲って、「人間としての横浜流星」が、どこまで自分の個性を世に出そう、って調節して世に出てきた範囲なわけじゃん。たとえば自分がクールキャラだと思われたいんだったら、明るい面は出さないし。

やなぴよ:あ~そういうことか。わかりすぎて胃が痛い……。

めりい:だからわたしの見られる俳優としての横浜流星って、人間としての横浜流星が調節した部分なんだよね。わたしは横浜くんのプライベートにまで介入したくはないから、本人がこっちに出したい、貯水池のこっち側の部分だけをおとなしく見ていればいいかなって思ってる。その調節機能が「俳優のダム」なわけですよ。

やなぴよ:鳥越さんも、自他共に認めてるんだけど社交的な場ですごく気を遣うタイプなんだよね。盛り上げなきゃ、笑わせなきゃ、って意欲がもうこっちにまで伝わってくるっていうか。 前に宮崎秋人さんのイベントにゲスト出演してて、観てたんだけど、すごく頑張って喋ってたのね。で、そのときに宮崎さんに言われてたのが「お前の営業妨害になるかもしれないけど、俺はこういうときのお前よりも、俺と二人でいるときのお前のほうが好き」って言葉で。

めりい:なかなかえぐい暴露だな。

やなぴよ:宮崎さん曰く、ふたりでいるときの鳥越さんは喋らないしずっと携帯いじってるし、でもそっちのほうが好き、みたいな。そこにすごく鳥越裕貴の「俳優のダム」を切実に感じた……。

めりい:俳優って自分のイメージを自分で作らなきゃいけない仕事だから、ありのままの自分を出せるタイプの人はいいかもしれないけど、どちらかというと横浜くんも鳥越さんも「自分が作った自分のイメージに、自分で自分を近づけていく」って感じがするよね。

やなぴよ:わかる~!

めりい:パブリックイメージに対して、ここはじゃあ自分の素を出すけど、ここは作っていこう。って、わたしなら「俳優・横浜流星」を製造していく過程が、その宮崎さんとのエピソードじゃないけど、そういうふうにして垣間見える瞬間があってさ。でもわたしはそれを見て見ぬふりしたいです……。

やなぴよ:なんか見てはいけないものを見た気持ちになる。

めりい:全力で目をそらします!

 

2.5次元の功罪

やなぴよ:2.5次元の作品全般にいえることではあるけど、そのキャラを演じなきゃいけない、って状況になるのは、例えるならもともと完成している絵に鳴子なら鳥越裕貴の色を付け足すことだと思うのね。

めりい:戦隊もけっこうそういうところあったなあ。戦隊ってある程度のお約束とかキャラ類型とか、結局「ヒーロー」っていう窮屈な型があってその中でどう演じていくか?ってお題だよね。

やなぴよ:そう!だからわたしもめりちもそうだけど、一番好きなのは推しが演技している姿だから、真っ白なキャンパスの上に鳥越裕貴の色だけで一枚の絵を完成させてほしいっていうか。それが色を重ねすぎてドロドロで真っ黒になってたとしても、それだけもがいて苦しんで役と向き合ってきた証なんだなって思うからさ。

めりい:きょうは語るね~~~。 横浜くんって美少年なんだけど、美少年であること以外のアピールポイントがまだ弱いのかなって不意に思う瞬間があるの。美少年って世の中にいっぱいいるわけじゃん!(笑)

やなぴよ:うん(笑)。

めりい:でも鳥越さんは、「穿った芝居」ができる人じゃん。そういう人ってあんまりいないしさ、穿った芝居ができるけど2.5次元舞台にも出られる人材ってあんまりいないと思うんだよね。それってすごく素敵な人なんだなって思うよ。

やなぴよ:わたしこの前さ、友達に、たぶん悪気はないんだろうけど鳥越さんのことをブサイクって言われて……!(笑)でもそれって違うじゃん!?ってなって! アイドルだったら顔が売りなところもあるじゃん、アイドルだから。

めりい:せやな。

やなぴよ:でも役者はさ、顔とか関係ないじゃん!?芝居じゃん完全に!そのときちょっとイラっとした。

めりい:そうそう、横浜くんの特性である「美少年」って、別に役者に不可欠な要素ではないんだよね。なのでわたしはこの先もきっと悩み続けるでしょう(笑)。 でも昔はきっと演技が下手なイケメンと演技が上手いブサイクだったら比較的後者が「芝居」的な演劇界ではもてはやされてたのかもしれないけど、いまってそれこそ2.5次元とかそうじゃなくても「イケメン舞台」っていうのがいっぱいあって、そのへんのパワーバランスが歪んでるんだと思う。その点、横浜くんは「若手俳優」時代の申し子だとわたしは思ってるよ。一世代前だったら芝居の道に進んでない人材かもしれない。

やなぴよ:その視点斬新だ……

めりい:毎年ジュノンボーイは増えていって、いわゆる「ミュキャス」も雪だるま式に増えていって、どんどん「若手俳優」っていうざっくりした肩書きだけを持ったイケメンたちが増えていく中でそれらにどうコンスタントな仕事を与えていくかってこのジャンル全体の大きな課題だよね。わたしの推しがその真っ只中でどういう方向性に進むのかが全然わからないから、だからこそ鳥越さんをわたしは評価したい。

やなぴよ:ありがとう……! 正直鳥越さんを推してて、「鳴子章吉」に対する向き合い方がわからなくなることがあるんだよね。わたしはペダルきっかけで鳥越さんを好きになったけど、たとえばファンが鳴子章吉に対して固執していたら、鳥越さんを縛ってしまうんじゃないかなとか。推しを全肯定したいからこそ、推しがどう思ってるかわからないと怖い。

めりい:パブリックイメージを狭めてるんじゃないかっていうね。横浜くんが、すごく自分のイメージに引っ張られる人、って感じがするからこわくて。このジャンルって狭いから「世間の声」みたいなのがそのまま本人に行っちゃうじゃん。アイドルみたいに広告代理店を巻き込んでイメージ戦略できないから(笑)。 そういう点ではわたしはちょっとアイドルおたくに戻りたいと思う瞬間がある。与えられてるものに対してただ喜んでればそれで善良なファンだしね。今もそうだけど!!

やなぴよ:あんまり自分の首を絞めすぎないようにおたくしたいよねー……。

めりい:まあ、推しがキラキラしてればそれでいいよね!

やなぴよ:それな~~~~~!!

 

編集後記のひとこと

結論が出なくてもこうやってぐるぐる推しのこと考えてるのが、おたくをしていて現場にいるときの次に楽しい瞬間かもしれません。

お読みいただきありがとうございました!

 

次回予告

俳優おたく対談企画 vol.2「アイドルステージの話と、推しを好きということ」

ゲストには古川裕太さんのファンの人を予定しています。

*1:今年5月~6月に上演していた舞台「眠れぬ夜のホンキートンクブルース」

*2:対談をはじめる前にしょうもない話を延々としていた

*3:る・ひまわりの舞台「晦日明治座納め〜」