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I READ THE NEWS TODAY, OH BOY

俳優の横浜流星さんのファンです

あなたがアイドルを続けていることでわたしがどんなに救われているだろうか

カルチャー

 向こうはほぼ100%の確率でわたしのことを覚えていないので、フィクションじゃないかと思われてもいいけど、書く。

 中学の同級生にアイドルがいた。メジャーな事務所には所属していないいわゆる地下アイドルだった。わたしは、地下アイドルに対する偏見が全く無かった。中学のときからすでにアイドルオタク、二次元オタク、声優オタクだったからだ。まだ6人だった頃のももクロがエロゲ原作アニメ(※「ヨスガノソラ」)のエンディングにタイアップされ、エビ中もまだ深夜番組しか持っていない、そんな時代だった。AKB全盛期でオリコンチャートの上位は全てAKBに占拠、SKEとNMBが出始めて、HKTは……まだ結成されてなかったかな、菅本裕子がクビになったくらいかな……そんなことはどうでもいいとして。

 主にアニオタだったわたしにとって、地下アイドルは親和性の高い存在だった。女性声優が好きで、上坂すみれ小松未可子大久保瑠美高森奈津美三上枝織(わざわざ曜日順に書いてしまう…)が揃っていた、かのA&G NEXT GENERATION Lady Go!!の愛聴者であり、そうなると当然のごとく小松未可子(みかこし)のリリイベやゆるゆりの現場や、好きだったミルキィホームズの現場にも足を運ぶ。クソDDだったし、一般的な知名度は皆無だったので地下も地下だったけど、とにかく楽しかった。 でも学校ではあまり、そういうことは口にしていなかった。誰も地下女性声優のことなんて知らないから、言ったって無駄だと思っていたし、実際にそれはそうだった。女性声優アイドルの分野は非常にニッチでコアな需要供給のもとに成り立っており、ジャンルを離れてしまうと全然情報が入ってこないことが最近わかった。(いつの間にかLady Go!!は終わっていたし、上坂さんは中野サンプラザでワンマンを開催するようになっていたし、ゆるゆりのアニメまたやってるし、ミルキィホームズストライクウィッチーズも知らない間にパチンコになっていた)

 話を戻そう。

 同級生のアイドルは、当時ロリ系地下アイドル界ではそこそこ有名な存在だったUSA☆USA少女倶楽部に所属しながらライムベリーという外部の「アイドルラップユニット」にも所属している子だった。ぐぐってみたら、USA☆USAはまだ活動していた。息が長い。その子、以下、めんどくさいので櫻井さん、櫻井さんはどっかのタイミングでUSA☆USAを辞めてライムベリーに専念していたように覚えている。ちなみにここまで書いているがわたしは櫻井さんと話したことはただの一度もない。クラスも一緒になったことがない。行事のときに見たことがあるだけだ。

 ライムベリーの曲を、好奇心で聴いた。クラスメイトがみんな陰でバカにしていたからだった。あの子、変なアイドルやってる。地下アイドルってやつだよね。ぶりっ子しててキモい。ふとした拍子に聞こえてくる流言飛語に、それは本当なのだろうかという疑念が浮かんできたからだった。アニメ「ゆるゆり」の声優ユニット七森中☆ごらく部に所属していた大坪由佳ちゃんなんかは当時高校生だったので、あまり年の離れた存在でもなかった。小倉唯日高里菜も現役高校生だった時代だ。ゆかちんも唯ちゃんもりなしーも陰でこんな風に言われているのだろうか、と変な方向に共感のベクトルが向いてしまったのがきっかけだった。


【熱狂】ライムベリー 「SUPERMCZTOKYO」@Tパレ感謝祭2013

 当時の代表曲「SUPERMCZTOKYO」が超かっこよくて、中3のわたしはぶったまげたのを覚えている。そもそも、地下アイドル界ではかなりの上位層に位置するレーベル・T-Palette RecordsからCDを出している時点で、同級生がバカにしていいような存在じゃなかったのだと悟った。(ほかにはNegiccoやバニビが所属していた) ライムベリーをきっかけにして、地下アイドルの曲も聞くようになった。小桃音まいちゃんとか、ベルハーとかがその良い例だ。音楽性の面で、当時からライムベリーはすごく高い評価を受けていた。いい曲が多い。ぜひ聴いてほしい。

  ふと深夜番組を見ていて、はっと櫻井さんのことを思い出した。まだアイドル続けてるだろうか、と思った。わたしは19歳の代になっていた。櫻井さんも19歳の代になっているはずだ。ツイッターで検索してみたら、ちょっと最上もが系になっていたけど、相変わらずバリバリMC MIRIのまんまで安心した。

 いくらその筋で高い評価を受けていても、結局周りから聞こえてくるのは、中学生の櫻井さんに対する誹謗中傷で、わたしは「HEY! BROTHER」をひっそりiPhoneのミュージックに入れておきながらも、それを黙って聞いてげんなりすることの繰り返しだった。ぶりっ子とかキモいとか陰で言ってても結局それは「何者にもなれない」クソな東京田舎の中学生たちのたわごとでしかないのだ。よっぽどTパレからCD出してる櫻井さんのほうが偉いし曲もいいよ――と、言う勇気はわたしに無かった。それがすごく嫌だった。思い出すと自己嫌悪にただただ襲われてしまう。 あの時、やめなよ、そんなこと言わないでよ、と、言えなかったことに対する後悔が急にどっと押し寄せてきたけど、MC MIRIは相変わらずマイクを握ってライブハウスをばりばり揺らしていて、ううんやっぱりアイドルになるポテンシャルがあるのは芯の強い人だな、と思い、安心した。

 櫻井さんがアイドルを辞めたりしていたら、わたしは(部外者なのに)ものすごーーーく後悔していたことだろう。紺色の上下制服を着て、いっつも笑っていたような気がする櫻井さん。話したことはないけど。でもいつも陰口をたたかれていた。わたしは「陰」にいる人間だからそれがとてもよく聞こえていた。その中には妬み嫉みも、十二分にあったと思う。アイドルにはついてまわるものなのかもしれない。周囲の不理解、嘲笑。それに耐えられないならアイドルできない――のかもしれないけど、でも、わたしは止められなかったんだなーと悔やんだだろう、と思う。

 なので、MC MIRIちゃんがこの世にずーっと存在していることに、わたしは救われている。ひとりの地下アイドルソングリスナーとして、また元同級生としての非常に変な立場から。ありがとう櫻井さん。ただのファンとして、ライブに行こう、と思いました。

 

 余談になるけど、最近は疎遠になってしまった高校のクラスメイトも、周囲に隠しながら声優をしていた。そこそこ有名作品にも出ているし、深夜アニメの主演もしていた。わたしは今でも普通に応援している。けれど彼女は芸名を使用し、ごく親しい友人にしか声優であることを漏らさず、学校では「普通の高校生」として終始振る舞っていたので、そういう道もあるにはあるんだよな、と思う。 ちなみに彼女は、トッキュウジャーショーを観に来てくれた。今なら炎上しかねない案件である。

 わたしはオタクとして、彼女はステージに立つ側として。けれど友達で、それは変で、互いに奇妙な悩みを相談しあったこともあった。「実際のところ手紙って読んでるの?」という当時厨歴6ヶ月だったわたしの疑問にも彼女は真剣に答えてくれたし、彼女が「自分にすごくアドバイス満載のファンレターを送ってきたオタクがこれから支えていく系のアドバイス満載だったくせに同じユニット内の他の子に推し変していたのですごくムカついている」という認知や認知じゃないとかそういう枠を超えた愚痴をこぼしてくることもあった。芸能事務所の内部やアフレコ事情についても、(わたしはどちらかといえばそういうことにあまり興味がなかったので)いろいろと教えてくれた。興味深かったし、声優でなかったとしても彼女はわたしにとってとても良い友達で心優しい子だった。彼女が周囲に芸能人であることを隠していることについては、わたしもそれに賛成できた。櫻井さんのように心無い誹謗中傷を周囲に受けながら、そのはざまで友人として立ち続けることは、高校生になり少し成長したといっても難しいだろうな、と思ったからだ。なにより彼女自身が「そういう風になること」を望んでいなかった。

 彼女の出ているアニメの話題を目にするたびに、また同じようにわたしは安心する。

 推しにも同じように中学や高校の友達というやつが存在するんだな、とたまに実感するときがある。「(舞台の役について)――って友達に言われた」とか言っていると、ああ(当たり前だけど)いちおう同じ世界で生きているんだなと実感してしまう。まあ、ジャニーズJr.だって100人とかいて、都内の中学高校で一通りの思春期を過ごした人なら、友達の友達くらいにはひとりJr.がいて当たり前だし、友達にはひとりくらい芸能人がいるだろ、とも思う。(いまの世の中、芸能人の裾野が広すぎる)べつに珍しいことでもないけれど、わたしはよく誰かに感情移入してしまうので、その癖だ、と思った。

 

 

<P.S. 16/10/20>

 たくさんの方に読んでいただき恐縮です。

aerodynamik.hatenablog.com

 わたしの全く知らない間にライムベリーにいろいろなことが起きていて、それらの波を乗り越えてなお櫻井さんは「MC MIRI」であり続けている、ということをとある方のツイッター経由で拝見した上記ブログで知りました。やっぱり、アイドルであり続けられる人はありえないくらい強いな、って思うのでした。教えて下さった方、有難うございました。