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映画「キセキ―あの日のソビト―」に純粋な映画好きの視点から突っ込みを入れる

kiseki-movie.com

 

 こんにちは。

 「キセキ―あの日のソビト―」完成披露試写会舞台挨拶に行ってきました。チケット取るの、死ぬほど大変だったけどね。最前列取れたんですけど、それ徹夜して取ったんですよ、徹夜。12月の渋谷で徹夜ですよ。死ぬかと思ったよ。チケット取れたこと自体がもうその時点でキセキですよ。

 なんてのはいいんですけど、映画も今回はちゃんと観てきました。でも結構突っ込みたいところがあったのでそれをつらつらと書いていきたいと思います(もちろんネタバレ注意だよ!でもこの作品にネタバレも何もあるのかな?)。

 

 冒頭は現GReeeeNのプロデューサーかつGReeeeNのメインボーカル・HIDEの兄ことJINの組んでいるメタルバンドのシーンから始まります。で、この映画GReeeeNの映画のはずなのに全体の半分くらいをメタルバンドのすったもんだで占めてるわけ。具体的に言うとお兄ちゃんのメタルバンドがレコード会社の性格悪そうなプロデューサー(演:野間口徹。ハマり役)に「こんなんじゃ売れない。もっとサウンドをポップにして」と言われてスタジオでキレたり、「今どきメタルなんて流行らないんだよ」と罵られたりして、バンドのボーカル・JINはプロデューサーの命じる通りにポップでエモいサウンドに方向転換をしようとしますがそれにいかついピンク髪のギターが反発して脱退。

 ……と、いうところに全体の半分くらいを割いています。ちなみにその間GReeeeNのメインボーカル・HIDEとそのメンバーたちは何をしているかというと、二浪しています。

 何やってんだ。これはGReeeeNの映画じゃないのか? これじゃ売れなかったメタルバンドの解散悲話映画だぞ。だってGReeeeNがライブを始めたりレコーディングをしたりして活動を開始するのが後半なんですもん。おいおい、それでいいのか? さいたまスーパーアリーナに入るであろう1万5000人のGReeeeNファンよ、本当にこれでいいのか? 映画を観てズッコケやしないのか?

 まあでもその途中でJINとHIDE(つまり兄弟)が掴み合いの喧嘩をしたり、HIDEが顔馴染みのCDショップ店員と恋に落ちたり(いいのか? これは実話なのか?)といろいろあるわけですが、肝心のGReeeeNのメインボーカル・HIDE(弟)は歯科大学生と音楽活動の狭間で揺れ動き、一時は「GReeeeNを辞める」とまで言うわけです。で、そこをJIN(兄)が「ふざけんな!!!やりたくてもできねぇやつもいるんだよ!!!!!」と止めるわけです。でも悩むHIDE。ひたすらうじうじ悩むHIDE。おいおいお前はエヴァのシンジかってくらい悩みますが、悩んだ末に結局音楽活動を続けることを決め、そして名曲「キセキ」が誕生した……というのが、この映画の本筋です。

 

 あと、劇中では京王線沿線の風景が多用されていたのでメンバーも京王線沿線出身なのかと思いきや、どうやら本当の実家は関西のようです。そこは違うんかーい! 

 個人的にこの映画の中で最も面白かったシーンはプロデューサーである兄・JINがレコード会社にGReeeeNの顔出しNGを掛け合う際、「キッスもダフトパンクも顔出ししてないじゃないっすか! 日本のダフトパンクみたいな感じで!!」と言っていたところです。まさかGReeeeNのコンセプトがダフトパンクから来ていたとはグラミー賞もぶったまげる衝撃の事実。

 

 この映画を面白かったか面白くなかったかで言えば、正直「1回でいっか」というのが本音です。 だって、カタルシスも何もないんだもん。HIDEがうじうじ悩んでJINに胸ぐら掴まれて反省して音楽活動また続けてそんでオリコン1位になってハッピーエンドだもん。「落として上げる」が弱すぎるんですって……。