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舞台、俳優DD、サブカルかぶれ等

原作未プレイで舞台「スーパーダンガンロンパ2」を見た感想

12月3日からはじまりましたね、舞台スーパーダンガンロンパ。横浜くん単独初座長おめでとうございます!いまのところ全公演観ていますし、よほどの病気をしなければ千秋楽まで全公演観る予定です。
勝手に100%私見の感想を書かせてください。ネタバレしかないので注意です!


まずキャラがみんな濃い!
2.5次元に通うのははじめてなんですがこういうものなんでしょうか? 口調が独特なキャラって1作品に何人もいていいものなの?? なんか中学のときにいた銀魂が好きな美術部の腐女子たちの会話をノンストップで聞いてる感じ……。懐かしくなった……。二次オタの人が独特な口調なのってやっぱこういう作品が多いからなのかなって思いました。
学級裁判の演出は最初慣れなかったけどだんだん慣れてきました。みんなが仰け反るのとか最初は何やってんの!?って思っちゃったし論破の演出も最初はさっっっっっむ!!って思ったけど慣れるとまあ見てて気持ちいいかな、と。
BGMが全体的に好き!ああいうのが好みなので聞いてて楽しいです。使い方も良い。
役者さんたちはみなさん素晴らしいです。特にこのひとの演技が酷いなって人はいない。やっぱキャスティングにお金かかってるだけありますね……。このへんは2.5次元大型プロジェクトの強み。
そして横浜くんの演技は過去最高にクオリティが高くて、成長を感じたわたしは毎度毎度ずるずる泣いてます。

キャラが唐突にバタバタ死んでいくな、っていう印象は何度見てもいまいち拭えない。すぐ出てきてすぐ死ぬ!!って感じ。
花村の最後の弁解は蛇足だったかな。花村のキャラがちょっと鬱陶しいなと思っちゃったので鬱陶しさに拍車がかかる弁解だった。もっとあっさり殺されるかと思った。十神は主人公じゃないのに最初主人公かな?ってくらい喋ってるから、あっこいつ歩く死亡フラグだ!すぐ死ぬな!と思ったら本当にすぐ死んだ。
あと花村が「みんなどこにいるのー?」って平然と言いながら人を刺してるのサイコキラーすぎない??しかも食器だよ!?もしあのまま十神の死体がしばらく発見されなかったら死体を刺した食器についた肉食べてたの!?怖すぎ……。 狛枝許せねえ!!みたいな雰囲気になってたけどぶっちゃけ花村が一番怖いよ!!死んでよかったとすら一瞬思っちゃったよ!!ホラーだよ!!

九頭龍とペコちゃんの関係性は大好きです。
ちょっと疑問だったんだけど九頭龍くんが真昼ちゃんに殺意を持ったのって写真を撮ったからなの?殺した確信がないのに殺意を持つのは極道だから喧嘩っ早いっていうことなんでしょうか。妹の殺害に関わったやつ全員殺したるってことなのかな?? 記憶が戻ったら真昼ちゃんのおかげで犯人見つかるかもしれないのになんでペコは真昼ちゃん殺しちゃったんだろう。そこは未だにモヤモヤしてます。伊崎厨の子と、九頭龍くんは心がピュアだからよく考えないでピュアさゆえに人殺しちゃうんだよ!!って言ってた(笑)

そして死に際に蜜柑ちゃんが言ってる「あの人」って誰?これの説明がなくて最後までモヤモヤしたまま終わった。前世のわるい組織で一緒だったときに元彼がいたけど現世=ゲーム世界では一緒になれなかったから来世で会いたくて死ぬとか?切ないね。がんばって。

各キャラに結構細かい設定ついてるけど「いっそのこと言わないほうが原作知らない人はスッキリするよね」って設定多くてモヤモヤした。花村の女の子好き設定、彼はすぐ死ぬから作中の行動としては着替え覗いて日向にセクハラ発言するだけで終わるし生理的嫌悪感を催してしまったから(←役者さんを褒めています)ないほうがよかったかな。あと左右田はソニアさんソニアさん言ってるのに女子の着替え覗くとかクソDDかよ!! 謝れよソニアさんに!!←これは本筋にまじで関係ない

十神が詐欺師っていうのは日向くんの本性の暗喩で合ってるの? 七海が「ゲーマー」なのはゲーム世界の創造者、って暗喩なのに気付いたときは感動した! 澪田のライブシーンは蛇足かなと思ったけどあれは多分ファンサービスなんですよね。
ソニアちゃんが王女である必要性ってあった?生真面目で素直ってことを言いたいんだろうけど王女設定が活かされずに終わってて脱力した。
狛枝は初見でえもいわれぬ気色悪さと胡散臭さを感じたけどそれは鈴木さんの演技のなせる技なので、率直に称賛したいです。


で、ストーリーに関するツッコミを入れたいので入れさせてください。

七海が未来機関の人間だって判明した時点で未来機関は悪いひとじゃないんだよ!って弁解がなされますが、前世でみんながメンタル闇落ちしてたのでその記憶を忘れてほしかった、ってことはわかるんですけどそもそもなんでゲーム世界で修学旅行すると精神が浄化されるの!?
それは「そういうもの」として受け止めてるけど、明確な説明が欲しかった。アレかな、サイバーな精神科ってことなのかな。戸塚ヨットスクール的な感じか。

そして日向くんの前世が超絶悪人だったってこともわかりました。ですがカムクライズルに関する説明がなさすぎてとりあえずヤバいテロリストってことはわかったけどそれ以外はわからない。
あと苗木って誰?名前だけ出てきたけど。未来機関側の刺客?ってことだけはわかった。でも彼がこの話に登場する意味がいまいちわからない、モノミが日向たちにシャットダウンを教えるためにプログラムに最後の力で侵入してくる手助けをしたんだろうけど、名前出したから余計ややこしいわ!! しかし苗木って人の名前が出てきたことも一種の原作ファンへのファンサービスなんでしょうね……。

①仲間を全員悪人にして世界を破滅させる代わりに自分が日向くんという無才能な善人のままでいるか
②仲間は目覚めないけど世界を救う代わりに自分がテロリストに戻るか
という複雑な2択を迫られた日向くんは、苦悩します。世界を救うか、自分を救うか。
選べない、無理だ、しかも俺はテロリストで殺し合いをさせた元凶だったのか!?苦しむ日向くんのところに、精神世界から七海ちゃんが現れました。

七海「どっちも選べないなら、つくっちゃえばいいんだよ」
日向「俺にできるかなぁ……」
わーーー横浜くんがエヴァみたいな台詞言ってる!!(感動)彼にはいままでこういう役がなかったので新鮮です。そして覚醒し、江ノ島に立ち向かう日向。

江ノ島「なんか決意しちゃったみたいだけど、状況は1ミリも変わっておりませぇ〜〜〜〜〜ん!!」
それな!!!!!!!!!
ここは申し訳ありませんが江ノ島に全力同意です。だって日向くん、シャットダウンするって宣言したけどシャットダウンしたら仲間みんな目覚めないんだよ!?いいのかよ!!
自分はカムクライズルになっちゃうけど、それでも強固な意志でカムクライズルに抵抗してどうにかして悪い人間に逆戻りしないように頑張る、って決意なのはわかるんですよ。日向くん、精神を強く保ってこれからも頑張ってくれ。
問題は仲間です。日向くんは世界が絶望に染まることは防いだものの、その代わり「みんな目覚めないけど俺はどうにかしてメンタル保って頑張る!!」って宣言してるのと同義なわけです。もしかして日向くん、けっこう自分勝手!? あれだけ劇中で「一緒に捜査したじゃないか!」とか言って仲間大好きですみたいな雰囲気漂わせてたのに!! 世界を救って仲間を殺した!!
そのあと元の世界に戻っていくわけですが、いまいち生き残り組がその後どうなるのかの説明がなされないので、「よくわかんないけどハッピーエンドなことはわかる」という状態でこの舞台は終わります。俺たちの戦いはこれからだ!!

えっ、これどうなの?
殺し合いで死んじゃった人たちは目覚めないわけだけど。冥福を祈ります。
日向くんもテロリストに戻るけど、決意したって言ってもそもそもゲーム世界での記憶はリセットされるんじゃなかったっけ? そこは日向くんの主人公パワーによる超絶スキルでなんとかなるのかな?


----ここから完全に愚痴----

たぶんわたしが感じた不可解だと思う部分は全部原作をやれば納得するんだと思うんですよ。詳しい説明がされてるんだろうなって思う。原作ファンの人たちからは好評だし。
でもわたしは120%、2幕終盤は置いてけぼりでした!! 推理パートはまだ推理で楽しめたけど、その世界の法則とか未来とかそういう話になってくると「前提」がわからなさすぎてどうしたらいいやら……。

原作やってから観に来いよ!!
という意見がわたしのところに飛んできそうです。ごもっともでございます。大変ごもっともな意見です。そう、この舞台は原作をプレイしたひとのための舞台なのです。
じゃあ舞台とか銘打ってその中だけでストーリーが完結してるんじゃないかっていう当たり前の希望を持たせずに、原作のファンイベントとしてでも開催してくれよ……。
初日初演を観たあと、わたしの常識は覆されました。舞台はその作品だけで完結しているのが当たり前だというわたしの思い込みが。そう思い込んでいたわたしが悪うございました。

半端に世界観を全部説明しようとしたから、逆によくわからなくなっちゃってるなとは思いました。
わたしは全通してるからここまでなんとか考えることができたけど原作未プレイで1回だけ見に来るひととか大丈夫なのかな!? 絶対ポカーンってした状態で帰るよね!! 鈴木拡樹さんのファンの皆さんが心配だよわたしは!!
そう、わたしはここに怒りを抱いているのです。なぜならこの作品の座長は、わたしの推しだから。

座長は作品の顔です。
わたしは、見に来たひとが脚本につっこみどころがあってモヤモヤした気持ちが、そのまま座長への評価になってしまうのを超絶恐れているしそれが嫌で嫌でたまらない!!
横浜くんは自分のできる100%、いや200%の演技でこの作品に臨んでくれています。ずっと見てきたわたしが毎度毎度ラストシーンでぼろぼろ泣いてるくらい彼のこの作品にかけてるエネルギーは段違いなものです。でもいくら横浜くんが頑張っても、脚本からして完璧に理解することができなかったら?
役者が演じられるのは脚本に書いてあることだけです。横浜くんの頑張りが100%伝わらない脚本なのがすごく悔しい。彼の意気込みをいろんなところで見てきたから。雑誌でもインタビューでも本人の口から直接だって聞いてきたから。
横浜くんは全力で演技してるのに、日向くんの言ってることが一本筋通ってないせいで観た人が日向くんにモヤモヤして、その感情が横浜くん本人にまで波及するかもしれないのがひたすら嫌です。
てか横浜くんのファンでずっと横浜くんだけを目で追ってるのに横浜くんのやってる役の思考回路がわからないのなんて初めてのことなのでわたし自身がそこそこイラついてます。どうしてそこでそんなこと言うの!?ってことが多すぎる。裁判では自分からバリバリ仕切ってるのに真実を告げられたら急にしおらしくなって、でも5分くらいであっさり元に戻るし、どういう性格なんだよ……挫折と成長を描くならもっと丁寧にしてください!丁寧にできないなら最初から挫折させないでください。
推しの主演で前列で全通してて毎回かなり真剣に見てるのにこんなにも「お呼びでないんだなわたし」って思っちゃう舞台はじめてだよ……。今回本当にわたし招かれざる観客です。招かれてねえ〜〜って言いながら鳥居坂せっせと往復してます。

----ここまで愚痴----

----ここから完全に横浜くんの厨としての私見----

横浜くん、いままでの作品が当たりを引きすぎだったのかもしれない!! トッキュウジャー然り、もののふ白き虎然り、どちらの作品もカリスマ脚本家のもと生み出された完成度の高い群像劇だった。登場人物全員の設定にすべて意味が与えられており、ひとりとしてかわいそうな扱いを受けるキャラはいなかった。横浜くんの出る作品についてこんなにもモヤモヤするのがはじめての経験で困惑している。
1年間ヒーローショー通い→もののふ白き虎全通だったので、戦隊が長かったとはいえ2.5次元に免疫をつけることなく1年8ヶ月も俳優厨やってこられたの逆に奇跡じゃねえかとすら思うけど……。
可愛い子には旅をさせよ、とはいうけれど、推しが2.5次元に出てるのってやっぱりどうしても毎日不安な気持ちになる。キャラクターが大好きな原作ファンの気持ちも、トッキュウジャーのときにそうだったわたしだから痛いほどわかるし、キャラへの好意はかんたんに役者への悪意に転換してしまうことも知っている。キャラが愛されていればいるほど彼のハードルは高くなる。

横浜くんはいつも天才と共演し、天才の演技を支える役柄であることが多かった。今回もそうだ。
トッキュウジャーのカンパニーでは志尊淳という超越者のもとで学び、もののふ白き虎では安西慎太郎という霊性の塊とダブル主演を務めて、わたしは「もののふ白き虎」を通して横浜くんは良くも悪くもタレントであり、お仕事のうちのひとつの手段として演技を選んでいるのでは、と感じた。逆に、安西くんはお芝居にしか生きることのできない人だと感じたからこそ、彼らのダブル主演は対照的で、奇跡だった。もののふ白き虎という交点は儚くて切なくて綺麗だった。
タレントであり、努力の人、少しずつ砂の粒を積み上げる人である彼の今回の相手は自分が完璧に役に憑依されて周囲を圧倒する鈴木拡樹。
流星くんは、演技でないと生きていけない、板の上にいないと生きていけない、というタイプではない。器用貧乏であるともいえる。まんべんなくこなして100点をもらうけどいつもいつも120点を取る天才には勝てない、そんな仕事が多い。だからこそわたしは、流星くんのファンであるわたしは流星くんを常に一番として肯定したくてファンをやっている。
これまで流星くんが自分の力を発揮できていたように見えたのは作品に恵まれていたからなのかな、と思うようになりました。今回ももちろん120%で発揮してくれているけど、脚本にもやもやしているせいで作品を全部楽しめていないのが彼に申し訳ない。

っていう推しのモンスターペアレントの意見でした!お目汚し失礼しました。横浜くんに罪はありませんしエンターテインメントとしてこの作品は超面白いです。難しいこと考えなければ展開早いし爽快だし飽きないよ!
わたしはこの作品を好きですが、「不可解なところはあるけどキャストやカンパニーが一生懸命で熱意が伝わってくるから好き」っていう好きです。
制作側からしたら複雑なんだろうなあ、この好きって。

3日間6公演ぶっ通しで観た時点での感想なので終わったらまた違うものになってるかも。不快にさせてしまった方がいたら申し訳ありません。この文章はわたしの文章なので責任はわたしにあります。
さて、昼公演観てこよっと。