オウム真理教が起こした数々の事件の中に、地下鉄サリン事件というのがあって(というかそれがいちばん大きい事件だ)、1997年に村上春樹は地下鉄サリン事件の被害者60人にインタビューをした本「アンダーグラウンド」を出版している。(これは読んだ人が多いと思う)上の書はそのアンサーとして執筆された、1998年当時のオウム真理教の信者や元信者にインタビューをしたものをまとめた一冊だ。
読んでみると、やはり宗教的なことがらへの関心が日常的においてそもそも強い人、精神的に衰弱している人、そういう人が入信してしまうんだなと改めて認識した。(いい本なのにそりゃそうだなという感想しか書けないのがくやしい)でもやっぱりオウムの信者であろうと人間らしいことはするわけで、内部の学校で理科を教えていた先生がいたりとか、そういうほほえましいことと暴力的なイニシエーションがそんなに変わらないページのあいだに登場するのは、人間の慣れによる無意識下の蛮性について考えさせられるなと思う。
あと、わたしはずっと村上春樹の小説における文体が苦手で避けていたんだけれど、この本はすらすら読めた。
オウム真理教のドキュメンタリー映画「A」「A2」を撮った森達也監督の一冊。死刑死刑廃止運動のひとたちのことから、執行室の構造、死刑囚の生活にいたるまで執念をもって調べあげたであろう内容が森氏の雑感が織り交ぜられつつも独自のルポルタージュ的筆致で記されている。
死刑を執行する刑場のじゅうたんは、すみれ色をしていると書かれていたのが印象的だった。
前からずっと観たかったんだけど、どうしても「ヒトラー最期の12日間」がもう一度観たくなってHuluのお試しに加入したら、なんか観れた!! 嬉しい!! 1976年版です。横溝作品、読もう読もうと思いつつも推理ってとっつきにくくて読めてない。なので映画をとりあえず観ました。ひまだから読めよって話ですよね。
これもふーるーで観たやつ。恥ずかしながら実は観たことなかったの。秒速5センチメートルは30回くらい観てるのに……死ぬほど泣いたよ。
国連宇宙軍にはいった少女が調査のために宇宙の果てまで行くから、少年へのメールはだんだん届くのが遅くなっていって、最後には8年もかかるようになって、「8年なんて永遠と同じだ」っていうセリフがささり、時間とはなんだろうと真剣に考えた。
再読。トマソンというのは、保存されてはいるもののまったく役に立ってはいない構造物のことで、ジャイアンツにいた外国人バッターがそのネーミングの由来らしいけれど、たとえば階段をのぼってもその先には降りるしかない階段とか、なにもない壁に突如あらわれるひさしとか。そういうものを街なかで見つけ、記録した一冊。ところどころ笑えてたのしい。文章力の足りない投稿者に対し、「文章というのは人にわかるように書いてほしい」と一刀両断したりと、勢いがある。