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舞台、俳優DD、サブカルかぶれ等

「バイバイ、ヴァンプ!」に限った話ではない若手俳優系小規模謎映画の思い出

 ツイッターでも書いた話なので、もうそれ読んだわ~という方がいたら申し訳ないのだが、まあ後世でも似たようなことが起きて誰かがインターネット記事を発掘するだろうという気持ちがあるのであえてエントリにする。

 

www.cinema2d.net

 

 映画「バイバイ、ヴァンプ!」が燃えている。本記事において重要なことであるのだが、この映画の脚本の問題である同性愛の取り扱い方については私は専門外であり、なおかつ当事者・専門家による言及が数多くwebにおいてなされているため、本記事では恐縮ながら割愛する。

 「バイバイ、ヴァンプ!」の炎上を知ったときに感じた気持ち、それは私にとって一種の懐かしみであった。この映画のキャスト欄を見ればわかるが、どうみても雑な感じでアイドル・若手俳優を寄せ集めた雰囲気がダダ漏れになっている。

https://www.byebyevamp.com/cast-staff

 ブログを昔から読んでくださっている方は知っていると思うが、私は5年間にわたって主に2人ほどの若手俳優を推していた。最初の推しに関しては丸3年間くらいにわたり現場にはほぼ全通していて、キネカ大森でやる規模の映画の舞台挨拶にも東京国際フォーラムホールAでやる規模の舞台挨拶にも行っていた。二番目の推しに関しても、どういうわけか不明だが謎の映画にやたらと出ていた。(元推しの名前を出さないのは、本記事で扱う主題が、今世間でボコボコに叩かれている案件なので、飛び火したらめんどうだな~と思っているからで、過去エントリを見ればすぐわかることなので、深い意味はない)

 そして私は若手俳優のオタクをしていた期間、(友達に前売り券を押し付けられる等の事案も含めると)コンスタントに年数本は必ず「バイバイ、ヴァンプ!」のような、「アイドルや若手俳優をかき集めた謎の映画」を見る羽目になっていた。別に見たくて見ていたのではない。その理由は、推しがなぜかそのような映画に出るから、このただ一点である。

 冒頭貼ったCDB氏のブログでも言及されているのだが、ボイメンも祭nine.もちゃんと動員のある人気グループだし、他に出演している若手俳優2.5次元舞台に出ていたりして、ちゃんとオタクはいると思われる。それなのになぜか謎の映画に出るのだ。私の元推し①も大手事務所所属だったが、謎の映画に出演していた。理由はわからない。ただその映画はめちゃくちゃつまらなかった。

 ただ、今回の炎上において、ツイッター上で意見をいろいろと見ていたところ、キャストに対しても「差別に加担している」などの批判をする様子が見受けられた。それはちょっと違うんじゃないかというのは、自分のブログなので声を大にして言いたい。真実がわからないので断言することはできないが、キャスト自身が出たくて出ているとは限らないのである。脚本が上がってきた後に、「これはちょっと……」と出演者が思ったとしてもすでに引き返せない可能性があるのだ。

 芸能界が意味不明なハラスメントと圧力にまみれた魔境であるということは、(元)能年玲奈さんがいつまでたってもテレビに出られない件とか、元SMAPジャニーズ退職組に関する公取委の注意報道とかで皆さんよくわかっているのではないだろうか。(元)清水富美加さんも映画「東京喰種」に関して、本当は人肉を食べる役はやりたくなかったけど断ると事務所に干されるので葛藤してたと言ってたし。

 推しが大手事務所に入っていてもそのような意味不明なハラスメント・圧力から逃れられないとなると、あなたの推しもいつ、脚本がトンチンカンな謎映画に出演して、炎上の矢面に立たされるかわからないということになる。

 さて冒頭のCDB氏のブログに話を戻すが、CDB氏は映画館に全然女性ファンがいなかったことを挙げて、「ファンの勝利」と書いている。しかし、このようなアイドル・若手俳優かき集め謎映画において、通常上映がガラガラなのはきわめてよくある事象のように私は思う。よって別に「バイバイ、ヴァンプ!」に限ったことではないような気がするのだ。

 私は偏屈者なので若手俳優の謎映画をわざわざ通常上映で観に行くこともあるが、基本的にはガラガラで、信じられないくらい人が入っていない。そしてこのような謎映画は一般的な映画ファンにもほとんど鑑賞されていない。シネマート新宿とかの上映表を毎週チェックしているようなマニアでないと映画タイトルさえも知らないだろうし、もちろん内容も観られていない。宣伝もほとんど(というか全く)しないので、キャストのファン以外は観に来ない。だから「バイバイ、ヴァンプ!」はこの手の若手俳優謎映画の中では珍しくかなりの知名度を上げることに成功(?)したとは言える。

 ではこういう映画は何で儲けるかというと、オタクに無限に舞台挨拶を見せたりオタクに無限にDVDを買わせたりする。とにかく無限にイベントを打って収益を上げようとするし、その姿勢をオタク相手にも隠さないのだ。潔い。ボイメンファンは言及しているが、「バイバイ、ヴァンプ!」も1年前くらいから謎の上映会等をやっていたようである。なぜオタクが通常上映にいないのかという疑問はここで解決される。イベントで映画を観ているので、別にわざわざ映画館に行くほど内容が面白くなかったら、もう二度と観ないからである。

 なので私はこのような謎の映画に出くわすと、「やっぱり製作発表イベント完成披露上映会初日イベント大ヒット御礼イベント(大ヒットの可否は問わない)とDVD発売イベントをやるのかな~」などとゲスい勘繰りをしてしまう。

 舞台挨拶を1日に都内で何箇所もまわったりするのだが、その舞台挨拶を全部見るためには映画は1秒も見られないみたいなタイムテーブルになっていたりするので、映画の本編を一切見ずに全てのイベントを完走するオタクもいる。なので、インターネットの皆さんに告げたいのは、オタクが「舞台挨拶楽しかった~!」と言っていても、信じられないことに映画を見ていない場合も多々あるので、むやみに批判してはならない、ということだ。(単純に推しが目の前にいる事象が楽しいだけなので、映画本編のクソさはあまり関係ない)

 しかも今回の事案に関しては、無邪気に「映画楽しかった~」と喜んでいるオタクに対して「なぜ声を上げないのか」「なにも思わないのか」等の批判がされている。しかし、これはかなり個人的な意見なので、そんなことない!と怒られたら、そうですかとしか返せないのだが、このような謎映画の関係者は高確率でエゴサをしている。そして批判的なことを書いたオタクのアカウントに、なぜだか神風特攻のごとく直リプ・引用RTで言い返してくるのである。実例も挙げることができるが、「バイバイ、ヴァンプ!」と並列にして語るのはさすがに……という感じなのでここでは書かない。愚痴垢と呼ばれるオタクの鬱憤を晴らすアカウントが検索避けのために伏せ字を使っているのには、このようなアレな関係者の凸から身を守る・例え不満を書いているのが見つかってもリアルのオタク活動にまでは支障が出ないようにする、という意味合いもある。(最近ではあまりにも愚痴垢の存在が広まりすぎたため、意味がなくなりつつあるが)

 そして、私が「バイバイ、ヴァンプ!」の騒動を見て「あるあるこういう謎映画……」という気持ちになってしまったもう一つの要因、それは偉い人としてヤバめな大人が絡んでいるからだ。 

 改名してGODという名前になったらしいが、プロデューサー欄に名を連ねているこの「ゴッドプロデューサーKAZUKI」なる人物、小室哲哉に一度も会ったことがないのに小室哲哉の暴露本を書くというウルトラCを成し遂げたかなりヤバめな中年男性である。

  もうひとりのプロデューサー・大勝ミサも、よくわからないが未払いを訴えられている。推しがこの映画に出演すると判明した時点で「もう撮ったものはしょうがないのでイベントからは逃げろ」という怪文書を事務所に送りつけてもよいレベル。

 まあ正直、過去に見た謎映画の関係者の中でゴッドプロデューサーを超えるヤバい大人は、流石にいなかった。言い換えれば、ゴッドプロデューサーを引き当ててしまった「バイバイ、ヴァンプ!」出演キャストのオタクは相当に不運であるともいえる。しかし、ゴッドプロデューサーまではいかないものの、不穏な言動をする映画監督のおじさんやプロデューサーのおじさんなどを私は数々の謎映画のイベントで観測してきた。普通に暮らしていれば一切関わることはないが、業界には不明な権力とコネを持っている(らしい?)おじさんが作品に関する決定権を握っている世界、それが小規模謎映画なのである。

 長々と書いたが、そういうわけで私のCDB氏のブログに対するアンサーは、「ただのイケメンオタクとしては、普段から謎の映画を見たくて見ているわけでもないので、通常上映になんか行かないし、その行かないという行動に深い意味はない」となる。いかがでしょうか?

 もちろん私もオタクをしていて出会った映画作品の中にも、生涯大切に見たいと思えるくらい大好きなものがあるので、一概には言えないが……。