I READ THE NEWS TODAY, OH BOY

舞台、俳優DD、サブカルかぶれ等

ドイツ・フランクフルトに遠征したよ日記/前編

 皆さんこんにちは!こんばんは!ぐーてんもるげん!

 ドイツに来ています。

 5月15日、たまたま自分の主催するイベントの前日であり、徹夜で配布する小冊子の原稿を仕上げてナチュラルに死にそーになりながらツイッターを見たところ、横浜流星さんの出る映画「青の帰り道」のワールドプレミアをドイツ・フランクフルトで開催される日本映画祭「ニッポン・コネクション」でやるという情報が流れてきて更に死にそーになり、それからなんやかんやあってドイツに来ました。→その「なんやかんや」を書く記事では?

 なんやかんやというのも、やはりドイツ・フランクフルトというのは遠すぎてあまりにも現実味がなく、夜行バスで行けるのかな?と思ったりして(→行けない)ひとしきりパニックに陥った後に、なぜか「ドイツに行くか…」という気持ちになり、舞台挨拶のチケットを読めないドイツ語と格闘しながら取って(徹夜明け)、航空券を調べ、しかもドイツに行く前日に東京で「虹色デイズ」の完成披露試写会だし、何もかもメチャクチャじゃん……と思いながらルフトハンザ航空、関西国際空港→フランクフルト空港行きのチケットを取りました。

 海外遠征としては昨年秋に上海に行っており(你好と謝謝しか言えないオタクが行く!1泊2日上海観劇紀行/前編 - I READ THE NEWS TODAY, OH BOY)、幸運にもパスポートを持っていたので発表から2週間強というとっても無理ゲーなスケジュールにもなんとかついていけたのですが、もしこれでパスポートを持っていなかったら、私はドイツにアレな旅券で不法入国していたことでしょう。そして強制送還…。本当にパスポート持っててよかったです。法令を遵守できました。推しが海外の映画祭に出そうな人とか、突然海外のジャパンエキスポ的な何かに出そうな人とか、本当にパスポートは取っておきましょうね…。

 父には「ドイツに行くんだ~」と言いました。「大丈夫か!」とかよりも先に「いいな~!俺も行きたいな~」と言われました。40代後半男性の発言としてはかなりシビれるライン上です。来る?と言いましたが「今サッカーやってないからいい」とのことでした。私はアホなので適当に航空券を予約していたのですが、マイル修行を昨年解脱した父は異様に飛行機に詳しく、「パスポート番号は登録したのか」「マイレージ番号は登録したのか」「チケットは印刷したのか」等聞かれて私はそれらを全部やっていなかったため、父はプロの手つきでANAマイレージ番号を登録するなどしてくれ、私は出発2週間前にしてちゃんと帰ってこられないんじゃ…という不安を抱くことになったのでした。 父は「あ~ちっとも英語わかんないな~」という私を尻目に、自分は行かないのにノリノリでフランクフルト空港にあるルフトハンザのセネターラウンジの画像を見て喜んだりしていました。父はよくアジア圏や北米に出張をするのですが、「荷物が出てくるの遅いのイヤだな~」と言って一昨年か昨年にANAJALの修行に励んでおり*1、そのおかげで特に何もしていない私も家族カードの発行でスターアライアンスゴールド会員になっているため、海外に行く注意よりも先に「ラウンジでカレーを食べなさい」と言ってきました。私の脳裏には、台湾にカレンダーの撮影のために行った際、カメラマンの付き添いでラウンジに行って飲茶を食べまくり、その飲茶を「台湾で一番美味しかった」と言っていた2推し・赤澤燈さんの顔が浮かんでいました…。

 

行く前の準備

 ドイツでは日本のコンセントが使えないようです。

 変換器を買いました。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B013OWDC9G/ref=oh_aui_detailpage_o00_s00?ie=UTF8&psc=1

 あと特別買ったものはそんなに無いです…。普段夜行バスとか乗りまくっていますからね…。首の枕(語彙力が、語彙力がぁぁ)とか、アイマスクとか、ヘアケア用品、パック、そんな感じですね。いつもと一緒です。

 パスポートは大事です。無いと不法入国ですし。服は現場用以外、帰りの荷物を減らすために現地で捨ててもいいっぽいギリギリのラインの服を選びました。

 それからコラーゲンとビタミンのサプリを頂いたので、時差ボケ等でめちゃくちゃになる肌をいたわるべく持っていきました…。ありがとうございます。鉄剤も持参です。無いと悲惨なんです。起きられなくて。 

ディアナチュラスタイルコラーゲン 60日分 360粒

ディアナチュラスタイルコラーゲン 60日分 360粒

 

  Wi-FiはグローバルWi-Fiで借りました。5日間、3G大容量プランで4000円強です。1日500MB使えてこれならかなり安いと思います。まー現地に着いてからなんかうまく接続されなくて泣きながら再起動しまくったんですけれども…。(ちゃんと直りました)

 借りてよかったものといえばグローバルWi-FiにセットでつけることができたBOSEノイズキャンセリングイヤホンがめちゃくちゃ良かったです。爆音の飛行機の中でも全ての騒音を無効化できるのでめちゃくちゃ寝ることができます。音楽も聴きとれます。サイコーです。本気で次に飛行機遠征する前に買おうと思ってます。サイコーだからです。今調べたら2万円もあれば良いモデルが買えるみたいですね…。めちゃくちゃ寝ることができる体験を2万円で買うと思えば安いですよホント。ノイズキャンセリングイヤホン考えた人は天才。 

 

5/31(木)

 今回の旅はそもそもスケジュールがめちゃくちゃ厳しくて、29日の夜から徹夜で虹色デイズの試写会引き換えに並び(バカ…?)、仮眠を取って30日に試写会を観て、30日の夜は田町のカプセルホテルに泊まり、31日に朝7時の飛行機で羽田から関空に向かう、という雰囲気だったのですが、雰囲気でなんとかなるだろうと思っていたら30日の日中はずっと死んでいました。眠くてつらかったです。

 もうドイツまで行くんだから虹色デイズの完成披露試写会は観なくてもいいんじゃないかとか一瞬思った時もあったんですがいや横浜流星さんが移動できるなら私も移動できるはずという謎の自信からメチャクチャなスケジュールを組んでしまいました。だいたいドイツで舞台挨拶するのに前日に日本で試写会の予定あるってどうなってるんですか。スターダスト。横浜くんもきっと「どうなってんだよ」と思いながら移動したと思います(知りませんが…)。

www.bay-hotel.jp

 寝ただけなので全然記憶にありませんが田町ベイホテルかなり綺麗だったのでおすすめです。品川や有楽町などで現場がある方は是非。ちなみに記憶の中でこの田町ベイホテルの下にあるローソンに寄った覚えがあるのですが、眠すぎてローソンで何をしたのか全然覚えていません。何なら徹夜した後に家に戻って仮眠をしてからどうやって丸の内ピカデリーまで辿り着いたのか全然覚えていません。怖い。寝ていないと人間の記憶は消える。怖い。

 取った飛行機が羽田→関空→フランクフルトというコースだったので、とりあえず羽田です。 エミレーツ航空でドバイ経由等の便のほうが安かったんですが、ドバイで2時間でトランジットするみたいなちょっと怪しい感じのスケジュールだったのでおとなしく関空経由にしました。ドバイに取り残されたら私は泣いてしまいます。関空→フランクフルト便だけ取って成田→関空LCCで行こうかとも思ったんですが、長距離路線のチケットを取る場合って一緒に国内線のチケットも取るとかなり安くなるというか、総額がそんなに大差ないんですよね。これ、航空券の不思議。

 羽田で荷物を預け、ANAのカウンターのお姉さん的には関空で荷物を載せ換えてくれるのでフランクフルトまでスルーできるとのこと。やったーラッキーって感じです。 チェックインして朝からANAラウンジでウイスキーを炭酸水で割り、勝手にハイボールを作って飲みながら「本当にドイツに行くのか……」と曖昧なことを考えていました。ちゃんと着くんだろうか…つーかそもそもドイツに入国できるんだろうか…とか考えていたらもう羽田を発つ時間でした。さよーなら東京…。

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 関空に朝8時半着。

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 予約していたWi-Fiを受け取り、出国手続きをして、免税店でなぜか1カートン2300円という天地鳴動的安さだったKENTのオプション5ミリを買い、関空内を移動する謎のモノレールに乗って搭乗口に向かいましたとさ。10時発の便です。サイレント早発していたのでビビりました。

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 行きも帰りもANAとルフトハンザのコードシェア便に乗ったのですけど、行きは機材等はルフトハンザのものでスタッフも外国人の方が多め。ヨーロッパに住んでいそうな人と日本人が半々の機内で、私はなぜか「ルフトハンザで行くイタリア・スイス・ドイツ周遊の旅」みたいなやつの大量の日本人ツアー客と一緒のエリアの座席でした。ルフトハンザの公式web経由で取った一番安いチケットだったので座席が選べず(羽田-関空スターアライアンスデスクに電話したら前方通路取ってくれたけどルフト機材便はムリだって)、隣が怖い人だったらどうしよっ…と思っていたのですが、滋賀在住の優しい老夫婦で、「滋賀なんですね! 飛び出し坊やが多いですよね!」とみうらじゅんのラジオでしか聞いたことがない知識を振ったら喜んでくれて本当に良かったなと思いました。そのあと寝ました。

 機内モニターの映画ラインナップには「バーフバリ」2作があり、よっしゃ観たろ!と思ったのですが(英語字幕しかないけど話大体わかった)、普通にめちゃくちゃ寝てしまいました。計8時間くらいは寝ていたと思います。機内食のときに老夫婦が起こしてくれてありがたかったです。ちなみに老夫婦からすると私は孫くらいの年齢だそうです。孫か…。チョコとかくれました。優しい。

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 こちら座席。LCCや夜行バスに慣れてるので人権ある~!と思いました。足伸ばせます。でも背高い人はきついのかも。枕があります。まあ私はめちゃくちゃ抱き枕にしていましたけど…。

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 あとブランケットがもらえました。これは地味にありがたい。ブランケットって寝るうえでかなり重要な要素なのに忘れられがちですからね。

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 そして食事のリスト。

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 音楽が聴けたのですが、日本の音楽プレイリストを開くとなぜか大々的に有安杏果上坂すみれの「アンチテーゼ・エスケープ」、ゆいかおりの「VIVIVID PARTY!」、上野優華「だって君のカノジョだもん。」、lyrical school「ラストソング」等、かなり痺れる選曲で圧倒されてしまいました。とここまで書いて気づきましたけどたぶんキングレコードが曲を提供しているんでしょう。それにしても他にもっとあったと思いますけど…1曲目から上坂すみれって。私は好きですけど。ルフトハンザの怪。

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 出発して3時間くらいで昼食です。 鮭とホタテの釜飯、とても美味しかったのですが、横にはパン、そして細うどんというまさかの炭水化物3連発でルフトハンザの怪を出発早々に感じることになりました。何も考えてない男子高校生の昼食みたいです。

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 軽食に鮭のおにぎり。普通においしかったです。

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 夕食は親子丼。とまたしてもパン。横にあるのは隣のおばあちゃんがくれた(けどちょっとしか食べなかった…)パスタです。炭水化物だらけで笑えてきます。昼食も軽食も食べたのでお腹いっぱいで結構残してしまいました。でも美味しかったです。

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 15:15頃(現地時間)、無事にフランクフルト空港着。 時差があるので12時間飛行機に乗っていたのに実質5時間しか経っていなくてお得みたいな大変愉快なことが起きます。いいですね。あんまり時差ボケはしませんでした。機内で延々と寝ていたからですね。

 実はかなりギリギリのスケジュールを組んでいて、15時に着く飛行機を降りて空港から会場にタクシーで向かって16:45からの舞台挨拶を観なきゃいけない…という大変しんどいことになっていたのですが、スターアライアンスゴールドの良いところは荷物がものすごい速さで出てくるところです。入国審査では全然英語が喋れないのでJuneとJulyを間違えていつドイツから帰るのか不明な人になり、完全に死にましたけど入国審査官の人は笑って通してくれました。やったー! キャリーをかっぱらい、空港を出てタクシーに乗りましたとさ…。

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英語喋れないけどチケットの券面に書いてある住所を見せたらインド移民だという男性はオッケー!と高速をかっ飛ばしてくれました。いい人です。カレー好きだよって言ったら友達だね!と言われて握手しました。日本の国民食がカレーで本当に良かったです。タクシー代50€(チップ込み/6500円位)。インド人がかっ飛ばしてくれて舞台挨拶に余裕で間に合ったのでまー実質無料です。

www.mousonturm.de

 ワールドプレミアは空港から20km、タクシーで25分くらいのところにあるMousonturmという劇場での上映でした。

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到着するとかなり人が多い! 日本語をちょっと喋れる受付のお姉さんにキャリーケースを預かってもらい(優しい……。泣いた)念願のワールドプレミアでした! 最前列に座ったら推しが真後ろで映画を観ているみたいなあらぬアクシデントも発生したんですがめちゃくちゃ楽しかったです。質疑応答の時間もあり、現地の人がいろいろな切り口で監督と推しに質問をぶつけていて聞いていて楽しい気持ちになりました。司会の人が通訳も兼ねていたんですが、日本語ペラペラでほとんど全部の話の進行が理解できてすごい!天才!となっていました。楽しかった!!

 本当にドイツまで行ってよかったなと思いました。ワールドプレミアって1度きりですし、その瞬間に立ち会えてよかった。

 そして現地で友達ができました~。嬉しい!ずっとひとりで行動するものだと思っていたので。20歳の同い年で、埼玉からミュンヘンに留学しているんだそうです。ミュンヘンーフランクフルトは高速列車で3時間くらいらしいので東京ー大阪間くらいですかね。わかんないけど…。 吉沢亮さんがベルリン国際映画祭に来た時もベルリンに行ったらしく、その話とかいろいろ聞きました。なんでも日本からオタクは来ていたけど1人だったとか。1人かー…。ちなみに横浜くんのオタクも日本から来ているのは私しかおらず、1人かー…となっていました。でも現地の日本人学校に通う女の子たちにいっぱい囲まれていて、すごーい!世界のどこでもモテモテ!となった(単純)。

 その子に案内してもらい、フランクフルト中央駅のそばにあるホテルへチェックインしました。HOTEL TOPASってとこです。なんかレビューが結構良かった。3泊で1万7000円くらいで、かなり安い方なんじゃないかなと思います。

Hotel Topas (Deutschland Frankfurt am Main) - Booking.com

 ここのホテルのフロントのお姉さんはめちゃくちゃ親切で、私がデパ地下でご飯を買ったのにフォークを貰い忘れて「助けて~(泣)」と言ったらフォークを出してきてくれたりして、レビューにも書いてあるけどほんと親切だな~と思います。

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客室も綺麗。なんかサイバーなシャワールームがある。ユニットバスじゃないし!ユニットバスって日本だけなんですかね? シャンプーとか歯ブラシとかはないけどまあ持ってきているので問題なし。なくても近くに1€ショップがあるので買えますしね。でも到着した5月31日、スーパーとか全然あいてなくて、その留学生の子に聞いたらなんとドイツは祝日らしい…。ええ~。祝日はスーパー等もちゃんと休むそうです(ドイツ人、勤勉なイメージあるけど、サービス業も祝日ちゃんと休むってホワイトでは…)。雑貨屋さんとかたばこ屋さんは開いていた。

 留学生の子と一緒にフランクフルト中央駅内でご飯食べました。ご飯というか、軽く飲み。

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 ビール美味しかったです。日本のビールより美味しい気がする(土地補正)。でも本当めちゃくちゃ種類あって滞在中全然種類飲めないのが悔しいです。ていうか日本では私は基本的にビールは飲まないんですけど、ドイツだとワインかビールかの選択肢になってくるので必然的にビールを頼む…。さわやかで癖がなくて飲みやすいです。留学生の子が頼んでたビールも一口もらったけど(銘柄聞くの忘れた…)なんか燻製みたいな味がして美味しかった。まじで燻製でした。

 豚肉を揚げたやつと、ジャガイモのソースあえみたいなやつが一緒になったプレートを食べました。これが噂に聞くドイツには肉と芋しかないというやつか…という感じ。美味しかったです。

 フランクフルト中央駅内は、整然とホームが並んでいてその横にいろんなお店があるのですけれどそれがめちゃくちゃカッコイイので中二心をくすぐられる。思ってたよりも綺麗です。留学生の子いわくヨーロッパの中でもドイツはかなり綺麗らしい。マックとかスタバとかあって、地下にはスーパーもあるしなんでも揃います。普通に現地の人がめちゃくちゃ買い物してた。中国系のスーパーとかもあって、そこからはめちゃくちゃ上海でかいだことのある匂いがして上海だ…ってなりました…。

 日本から現金で持って行ったのは70€(9100円)なんですが、タクシー乗って水買ってたばこ買ったら即無くなりそうだったので、駅構内にあるATMでキャッシングして現金引き出しました。海外キャッシングめちゃくちゃ便利。日本国内では退廃オタクの象徴みたいに扱われているキャッシングですが、海外で使うと両替レートや手数料の関係でめちゃくちゃ得なのでクレカの海外キャッシング使える人は使ったほうがいいですよ。

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 こういうやつが駅構内にいっぱいあるので、カード突っ込んで、暗証番号を入れていくら要るか選択するともう現金出てきます。無敵状態。

 そもそもドイツは基本的にいろんなところでカードが使えるので、あんまり現金必要になる機会も少ないんですが、まあ暗証番号とかいちいち入力するのもめんどくさいなーと思う時があるし…。あとたまにカードのエラー出る。そうすると面倒なので現金を出して解決する。

 と、いうわけで留学生の子と解散してホテルに帰り、疲れ果てていたので速攻寝ました。起きたら朝4時とかでボーゼンとしたんですけど、続きは長くなったので分けて書きます。だんけしぇん!

*1:詳しいことは「マイル修行」等検索すると出てくるが、世の中には仕事で飛行機を使う際に優先搭乗や手荷物の優先運搬サービスを受けるべく、マイレージサービスの会員ランクを上げるために飛行機に乗りまくる人がおり、会員ランク上げのために飛行機に乗りまくる人を「修行僧」とよぶ。父は羽田―沖縄間を1日で往復するなどしていた。大変

映画の鑑賞記録(2018年1月~3月)

・FAKE(ディレクターズ・カット版)

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 「A」「A2」の森達也監督作品。公開当時なぜか観に行かなかったことをずっと引きずっていたので、DVD買った。私は素人なので、音楽を聴くときに音楽の背景にある物語を完全に排除できている自信はないし、みんな音楽を聴くときには音楽の背景もいっしょに聴いているんだよなと思う。この映画は監督の「逆襲」かもしれないし、「FAKE」自体がFAKEかもしれないので、人間信じるのって大変だよなーと思う。佐村河内氏の奥さんの存在は、なんかコワイ。客観的に見て、100%嘘つきじゃないにしろ、100%本当のことを言っているわけでもない人間のことをあそこまで支えられるのはコワイ。

 

・クーリンチェ少年殺人事件

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 渋谷アップリンクで観た。映画館で観て本当によかったと思う。4時間あるので長いし疲れるけどやっぱり初見は映画館で観るべきだと思う。はやく小明になりたいと心から思った。

 小明は「みんなを狂わす魔性の少女」で、小四はその犠牲になっちゃった(そして自分をコントロールできずに小明までも犠牲にした)、という話だったのだけれど、学校に張り詰める空気や、衝動、焦り、閉塞感、そういう感情が他人事のはずなのに痛いほどに伝わってくる作品で、結末も含めていろんな意味で「胸キュン」だな、と思った。地上最強の胸キュン映画だと誇張なしで言える。本当に心がぐらぐらする。BGMもない、画面も暗い硬質な作品なので、好みは分かれると思うけれど、恋とか恋とか恋とかのことを真剣に考えられるから、観てほしい。これを観て恋したいと思うか思わないかは、けっこう人によると思うけど…。

 

・Sea Opening

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 監督が、BL的なものへのアンチテーゼとして撮ったのか、それともBL的なものへの肯定として撮ったのか、よくわからなかった。だって、作中で清は報われないし、清の書いた脚本の中で「想いを否定される」という流れも、そのあとの清の妄想の中での肯定も、全部清の妄想でしかなくて、もう、そういう思考の構造自体を観客がこのスクリーンのこちら側で観ているということは、全てひっくるめての否定なのかなとも思うけど、肯定なのかなとも思えて、よくわからなくなってしまう。まあそれは観客個々人に委ねられるので、どちらかといえば私は否定なのかな?と思ったけれど、正解とかないんだろう。

 作品そのものの構成は、「Please Please Please」で島にいる父親に会いに行くくだりが全部妄想だったように、片桐と沖縄に行くのも全部妄想であり、手口としては全く同じなのに私は律儀に驚いてしまって同じ詐欺に2回もひっかかる間抜けな人のようになってしまったのだが、恋の成分はだいたい妄想なので、妄想の使い方としてはかなり正しいのかもしれない。 片桐は死んだけど、私はあまり悲しくなかった。Please Please Pleaseでナオとシンジが捕まった時のほうが悲しかった。Sea Openingでこき使われているナオを見ても、やっぱり悲しかった。多分、ナオもシンジも、物語的な区切りとして一応「美しい終わり」を経験したのに、そのあとも人生が続いていくことに対して悲しい、と感じたんだろう。片桐の人生はあそこで終わりだから、そんなに悲しくもない。本人はやりたいこととかあったのかもしれないけど、知らないし。

 

プリンシパル 恋する私はヒロインですか?

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 終始無感情で観られたが、前半の川栄李奈の性格が面倒すぎて観ながら「面倒くさいな……」とずっと思っていた。高杉真宙がハマりすぎていて怖かった。ヒロインの服がダサすぎてもうちょっとどうにかならないのかと思いながら観ていた。

 

坂道のアポロン

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 知念くんに27歳の部分もやらせるのはムリがあるんじゃ…と思って観た後に実年齢を調べたら24歳だったので腰が抜けた。見た目年齢が16歳くらいで止まっている。

 終始すごく良かったけどエンドロールで流れた主題歌が小田和正だったので腰が抜けそうになった。みうらじゅんが「ラストラブ」を酷評していた時の「ジャズ映画なのにエンディングテーマが絢香」というコメントで爆笑したことがあるが、まさかそれとほぼ同じような事態が「坂道のアポロン」で訪れることになろうとは思わなかった。

 

 「バーフバリ 王の凱旋」、「リバーズ・エッジ」を早く観たいです。

劇団「地蔵中毒」 第七回公演 無教訓意味なし演劇vol.7「淫乱和尚の水色腹筋地獄」改め「西口直結!阿闍梨餅展示ブース」

 最近よくブログをやっていることを忘れます。

 初対面で挨拶した方にはかなりの確率で「ブログ読んでいます」と言っていただくのですが、私は実際のところ、普段の生活の中で概ねの時間はブログをやっていることを忘れて過ごしています。という感じなので、久しぶりのブログです。 

 演出家・西田シャトナー氏のTwitterを定点観測している外道演出家ウォッチャーのみなさんにはお馴染みかもしれない、折り込みチラシが異彩を放ちすぎている劇団「地蔵中毒」を念願かなって観劇しました。

 

あらすじ

<①パン屋の崩壊>

 平和な暮らしを謳歌し、朝もはやばやめざましテレビの最初の星座占いから2回目の星座占いの時間まで組体操の「扇」をし続けるパン屋「スマイルベーカリー」を経営する東野一家3人(しょっぱさとすっぱさの違いもわからないようなジジイとババアに陰毛をねりこんだ黒いパンを売りつけて生計を立てている。そのため東野一家はみな陰毛がミステリーサークルみたいになっている)。東野家の父の取り柄は「笑顔」であり、あまりにも笑顔がまぶしすぎて息子でさえも近づけず、笑顔でいるあまり笑顔に「糖度」という概念が付与され、父の笑顔にはミツバチが集まり、その顔は舐めると甘く、父は自らの甘さで糖尿病になっているらしい。

 そんな一家のもとに突然、夫にボコボコにされた後に岡村靖幸のダンスを踊らされる(ボコボコにした後のほうが岡村靖幸のダンスに似ているから)という凄惨なDVを受け、左足の靴紐と右足の靴紐を結びながら変な歩き方で逃げてきた女が現れる。女をかわいそうに思った東野一家は女を「住むところが見つかるまでうちで暮らしなさい」と自宅に招き入れ、神棚の上に隠してあるタンポンの存在を教えた。

 しかし女は東野家・父のジミ・ヘンドリックスの物真似に感銘を受け、女はお礼として東野家・父にフェラチオをしながらLINEで「ふるふる」をする。「順番が逆です!」「これではお嬢さんのtakeの割合が大きすぎます!」と抵抗する東野家・父に女は「私にとってはフェラチオに値するくらい面白かったんですよ」と、「ビートたけしスキャットマン」を見せるが、そこに東野家・母と東野家・息子が現れてしまう。うろたえる東野家・父は、「どう見たってフェラチオの後じゃない!」と言い放つ東野家・母に「ハウス栽培の相談をしていたんだ」と情けない言い訳をするが、女は口から精液を出して東野家・母に見せてしまう。東野家・母は泣き崩れ、東野家・息子は「フェラチオって何? カラオケでするやつ?」と当たらずも遠からずな発言をするのだった。

 女は東野家・母に「あれはちっちゃいゲロだったんです」と言い、東野家・母も「ちっちゃいゲロだったんですね。よかった」と安心するが、女はパン屋として日々を生きる東野家・母に「これでいいの?最近、セックスとか羽子板とか、してる?」と問いかける。東野家・母は「セックスも羽子板もしてなくて… 羽子板って、どうやって切り出せばいいかわからないんです」と泣き崩れ、女は「トイザらス行って、羽子板、買いましょう」と母を励ました。

 その行動が裏目に出てしまい、東野家・母は「フジモンみたいな髪型をした男3人と羽子板をして顔に墨でバッテンを描かれた」写真を東野家・父に握られてしまい、激高した東野家・父に「出ていけ」と言い放たれる。女も「リリコみたいなこと言うようだけどさ、女の性欲は否定すべきものじゃないけど、でもこれは乱交だよ。悪いことしたんだから認めなよ」と東野家・母をいさめ、東野家・母は「ド腐れ売女」と夫に罵られ家を追い出されてしまう。

 男性器につぶマスタードを塗ってからフェラチオをされたりと性欲におぼれた生活を送る東野家・父の一方、東野家・母と息子は家を追い出され、魚民のバックヤードで勝手に暮らしていた(名札とバッヂさえ付けていればまかないも出る)。 シャワーに入れないので公園で「シャドーシャワー」を行い、シャワーに入る練習をしていた東野家・息子のもとに「置き引きの先生」が現れ、シャワーの練習を手伝ったことがきっかけで置き引きの先生と仲を深めた東野家・息子は東野家・母のもとに置き引きの先生を連れていく。しかし置き引きの先生はLSD人間お漬物中毒であり、お漬物にするために東野家・母を攫ったのであった。

 東野家・母は置き引きの先生に連れ去られ、お漬物の先生の手によって人間お漬物にされてしまう。

 一方、東野家・息子は偶然再会した東野家・父に「おまえに半分あいつの血が流れていると思うと急に憎たらしくなってな」と、首にコロコロコミックを結束バンドで固定されてしまう。

 パン屋だった東野家は深夜1時から5時まで営業の「宇宙からの電波を受信する研究所」(ビカビカになっている)に改造されてしまい、裏モノJAPANの取材が訪れるようになっていた。 しかしある日、東野家・父が自宅に帰ってみると女が知らない男と乳繰り合い、「ねこふんじゃった」を連弾しているではないか。驚愕する東野家・父に、「女は実は東野家・父に惚れていたのではなく、ロボットレストランのダンサーで、巣鴨にロボットレストラン2号店を出店すべく、パン屋を潰す目的で近づいていた」という事実が突き付けられる。店舗をビカビカにしたのも宇宙からの電波を受信するためではなくパン屋をロボットレストランにする為だったのだ。

 東野家はロボットレストランの店舗・兼宣伝カーとして発進し、女はロボットレストランの宣伝を始める。困惑する東野家・父。が、突如乱入したタカシのピストン運動によってロボットレストランはコントロールを失い、横浜アリーナに突っ込んでしまう。

 めちゃくちゃになった横浜アリーナで人間お漬物と化した妻、首が伸び切ってしまった息子と再会した東野家・父は、家族もろとも食虫植物の餌食になり、「父さん、家族を養う責任より、フェラチオを選んじゃったよ。フェラチオは気持ちいいもんな」と言いながら、動かない2人の手を取って「扇」をするのであった。

 

<②洗脳計画>

 気弱なのに「風雲斎」という名前の青年と、「タカシ」という普通の名前の青年は、風雲斎の「美人の女を大量に洗脳して裸のまま円広志に合わせて飛び跳ねさせたい」という夢を叶えるべく洗脳計画をスタートさせる。タカシは食虫植物にしか性的興奮を覚えないので、風雲斎の計画に対してもドライな反応ではあったが、風雲斎の夢のためと協力することになった。

 女をさらう計画の中で、風雲斎が女をさらう際に両手に紫芋を持っているため女を殴れず、たまたま通りがかった女を殴るのが好きなおじさんに殴ってもらい事なきを得るトラブルも発生したが、無事にノイズ音を出す食虫植物によって女を洗脳し、好きな男性のパンツの種類を変え、イガグリを素手で掴ませ、つけめんのつけダレを無の空間から取り出させることに成功する(歌舞伎町の入り口で雑誌を売っているおじさんが方法を教えてくれた)。

 しかし幼少期に母が鎖鎌だったトラウマを持ち、おっぱいのついている生き物へのコンプレックスを抱えるために相当数の女を拉致洗脳してもまだ飽き足らない風雲斎は、女性がたくさん集う場所で洗脳を行うことを計画する。実行場所に横浜アリーナで行われる東京ガールズコレクションを選んだ2人だったが、食虫植物からノイズ音が出ない。原因は、タカシが人形供養の神社に行き、マクドナルドの「エグチ」に男性器を挟んで(食虫植物に似ているから)以来タカシの男性器が機能不全なことにあると思われた。エグチを憎みながら、食虫植物以外に唯一興奮するものである「一軒家」を横浜アリーナ周辺で必死に探す2人。

 そのとき、突如として2人の前に東野家が改造されロボットレストラン兼宣伝カーになった一軒家が現れる。珍しい一軒家に興奮したタカシは東野家の室外機接続孔とセックスを始め、ピストン運動によってコントロールを失った一軒家は横浜アリーナに突っ込んでしまう。機能を取り戻した男性器に反応して成長した食虫植物はノイズ音を発し、横浜アリーナ中の女子が洗脳され飛び跳ねる光景を見て風雲斎は恍惚としていたが、やがて周囲の人々もろとも食虫植物に取り込まれ、脳細胞が使い物にならなくなるのであった。

 

<③人肉教>

 女優の古沢はマネージャーの鴨田に「ぶりかまの試食会の仕事」しかないことを厳しく叱責する。「なんで『行列のできる法律相談所』の再現VTRで卒論の入ったパソコンを壊された演技ができるあたしがぶりかま食べる仕事しかないのよ」と怒鳴りつけるが、マネージャーの鴨田は冷静に「人肉食べる宗教入ってる人は基本的にはテレビ出られないんですよ。行列出られたのだって奇跡ですよ」と返した。

 結局古沢は交通量調査のバイトをやることになり、「時給の女優なんている?」と憤慨し「もう帰る」と席を立つが、亀戸名物・歯形おじさんに襲われ、足に歯形をワルツのリズムで付けられてしまい、ホウ酸団子を歯形おじさんに与えて事なきを得た。

 古沢は鴨田に自らの信仰を理解してもらうべく、宗教の集まりに鴨田を連れていく。教祖は鴨田に「人肉は嗜まれないんですか?」と聞くが、鴨田は「僕はひなあられしか食べないので」と拒絶した。中央広間では人肉を食べる宗教の信者たちが無邪気にトイレットペーパーで遊び、ボサノバを聴いて和んでおり、教祖は「見てください、こいつらのピュアな目。人肉を食べればこんな心になれるんです」と説く。しかしあくまでも人肉を拒絶する鴨田に、古沢と教祖は無理やり人肉を食べさせたのであった。

 すると鴨田は豹変し、いきなりドリフトの練習を広間で始め、人肉の味に対して覚醒してしまう。 気づくと鴨田は教祖になり、鴨田という名前ではなく「長曾我部鶯丸」として古沢にミニスカぞうきん掛けを強要するようになっていた。「これジュニアアイドルがやるやつだよね? あたし、ジュニアアイドルになるの?練乳かけられながらバランスボール乗るの?」とうろたえる古沢に、鴨田は「1万5000人の大舞台」での仕事を持ちかける。

 たどりついた先の横浜アリーナで、お漬物の先生と再会した鴨田は過去を語り出す。 小学生の時、暴力と肛門の匂いを嗅がせる行為を交互に行ってくる父(陰気な公務員だがMINMIを歌い出すことがある)に耐えかねていた鴨田の姿を見たお漬物の先生は「バカのふりしてお漬物にしちゃえば罪には問われないよ」と眠っている鴨田の父をバットで殴り、鴨田にも殴ることを強要する。やがて息絶えた鴨田の父をお漬物にしたお漬物の先生は、鴨田に父の漬物を食べるように言うが、父の漬物を一口食べた鴨田は嘔吐してしまった。 それ以来、鴨田はトラウマでひなあられ以外のものを口にできないと言う。

 2人は東京ガールズコレクションを乗っ取り、古沢は藤田ニコルの内臓をステージ上でむさぼる。鴨田も人肉を食べる宗教を宣伝するが、そこに乱入したお漬物の先生は「人肉は生で食べてはいけません」と叫び、双方は泥沼の争いに突入する。

 やがてロボットレストランが横浜アリーナに突っ込み、食虫植物に取り込まれた一同は脳細胞が使い物にならなくなるのであった。

 

<④お漬物の先生>

 「5時に夢中!」でレギュラーコーナーを持ち、主婦のカリスマである「お漬物の先生」は、「置き引きの先生」に「コーデュロイの漬物(美味しいが飲み込んだとき以降が最悪)」、「オスカマキリを食べたメスカマキリの漬物(人間が食物連鎖の頂点にいることをオスカマキリに知らしめるためだけに作ったエゴ丸出しの漬物)」を食べさせ、代わりに空港で使える有効な置き引きのテクニックを教えてもらう。

 常磐線で2時間半くらいかかるところから徒歩23分でエレベーターのない6階のお漬物の先生の自宅に案内してもらった置き引きの先生は、カメラ付きサンバイザーをプレゼントされ「これで全然知らない妊婦の出産シーンを盗撮したいと思います!」と意気込みながらも「いぶりがっこの漬物(漬物をさらに漬物にしたのでしょっぱい)」を振舞われる。しかし、こっそりお漬物の先生が食べた謎の漬物の正体が気になった置き引きの先生はお漬物の先生を追い回し、無理やり謎の漬物を口にしてしまう。

 そこで漬物にされかけている人間を目にしてしまい、「レゲエダンサーに押されて崖から落ちそうになっているおじいちゃん」の幻覚も見た置き引きの先生は、その謎の漬物が「LSDとぬかで漬けた特製の人間漬物」であることを知らされる。禁断症状で「エアおこと」を弾くようになってしまった置き引きの先生は、材料が足りないために人間をさらってくることを命じられた。

 お漬物の先生は金玉から「蛍の光」が音漏れし、金玉が卒業して青空に消えていってしまったりもしたが、やがて置き引きの先生が攫ってきた東野家・母を説得し、「漬物にされる非日常をエンジョイしたいと思います」という東野家・母の足を切り落として漬物にしてしまう。 東京ガールズコレクションにゲストとして呼ばれていた置き引きの先生は、観客のギャルたちに「この日のために盗んできた京急川崎の漬物」を配布し、出番を終えるのだった。

 しかし過去に因縁のある鴨田たちが会場を乗っ取り、人肉を生で食べる宗教の宣伝を始めてしまう。お漬物の先生たちも負けじと「人肉は生で食べてはいけません」と叫ぶが、やがて突っ込んできたロボットレストランに場をめちゃくちゃにされ、食虫植物に取り込まれて脳細胞が使い物にならなくなってしまうのだった。

 

感想

 真面目にあらすじを説明しないと何のことやらサッパリだと思うし、と思って真面目にあらすじを書き出したのですが、文で読んでも何のことやらサッパリですね。かといって会場で2回観た私も未だに何のことやらサッパリなんですが……

 上記の文章も私は至ってシラフでクリーンで真面目に書いているのですが、どうも何かいけない薬を打った人の文章にしか見えません。

 地蔵中毒のことが大好きなのですが、なぜ大好きかというと、まず観た後に感想をしゃべっても、観たものをありのままに話しているにも関わらず薬キメた人のような言動になるところが大好きです。電車の中で「人肉食べるとトイレットペーパーで遊べるくらい無邪気になれるのすごいよね」とか「金玉から蛍の光が流れて卒業しちゃうところ物悲しかったね」とか話している人がいて自分がそれを盗み聞きしていたとしたらとても怖いと思います。いけない薬の幻覚にしか思えません。

 便宜上、あらすじの項ではストーリーを4つに分割しましたが、実際の上演では①②③④が交互に上演されています。ワケわかんなくなる~と思いますが、各々の話のインパクトが強すぎるのできちんと覚えているのが不思議です。きちんと覚えているし、だんだん違う世界の話が混ざってくるので終盤は非常に愉快です。最後には全員が横浜アリーナに集結し、全員食虫植物の餌食になって終了します。最高だな~と思います。

 そう、地蔵中毒は本当に最高だな~ということを、私はこのブログを購読している読者の700人くらいの皆さんに向けてどうしてもお伝えしたく、今こうしてキーボードを叩いているのです。

 しかし地蔵中毒のお芝居には平然とフェラチオとかちんぽとかおっぱいといった単語が飛び交うので、まず下ネタがダメな人は観劇を避けるのが無難だと思います。それから人肉とか食べ始めるのでグロがダメな人もよした方がいいでしょう。

 このいけない幻覚気分になれる舞台は、かなり意味不明で唐突なことの連続によって構成されているのですが(複数人での羽子板が乱交になったり、人間が漬物になったり)、意味不明で唐突なのに徐々に何の疑問も持たなくなっていき、最後には意味不明で唐突な破壊と混乱によって爆笑してしまうのが、恐ろしい、と思っています。地蔵中毒を観た後だと、普通の舞台が普通に普通のことをやっていても「アレ……」と思ってしまいます。推しが出る舞台に通わなければいけないときの前には観ないほうがいいです。

 私は真剣に、地蔵中毒にもっと売れてほしいと願っています。もっと売れてほしい。無教訓意味なし演劇をサンシャイン劇場で観たいんです。意味不明に若手俳優を2人くらいカンパニーに混ぜてほしいんです。推しを人質に取られた俳優厨に「人肉はキツい」と愚痴られてほしいんです。とてもピュアな、私の心からの願いです。

 ちなみにアンケートに「一緒に遊園地に遊びに行きたいキャラは?」とありましたが、私は東野家・父と行きたいなと思います。なんか楽しそうだからです。

 

 ところで西田シャトナー氏は、こういうの好きなんでしょうか。本当のところが気になる……