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舞台、俳優DD、サブカルかぶれ等

映画の鑑賞記録(2018年1月~3月)

・FAKE(ディレクターズ・カット版)

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 「A」「A2」の森達也監督作品。公開当時なぜか観に行かなかったことをずっと引きずっていたので、DVD買った。私は素人なので、音楽を聴くときに音楽の背景にある物語を完全に排除できている自信はないし、みんな音楽を聴くときには音楽の背景もいっしょに聴いているんだよなと思う。この映画は監督の「逆襲」かもしれないし、「FAKE」自体がFAKEかもしれないので、人間信じるのって大変だよなーと思う。佐村河内氏の奥さんの存在は、なんかコワイ。客観的に見て、100%嘘つきじゃないにしろ、100%本当のことを言っているわけでもない人間のことをあそこまで支えられるのはコワイ。

 

・クーリンチェ少年殺人事件

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 渋谷アップリンクで観た。映画館で観て本当によかったと思う。4時間あるので長いし疲れるけどやっぱり初見は映画館で観るべきだと思う。はやく小明になりたいと心から思った。

 小明は「みんなを狂わす魔性の少女」で、小四はその犠牲になっちゃった(そして自分をコントロールできずに小明までも犠牲にした)、という話だったのだけれど、学校に張り詰める空気や、衝動、焦り、閉塞感、そういう感情が他人事のはずなのに痛いほどに伝わってくる作品で、結末も含めていろんな意味で「胸キュン」だな、と思った。地上最強の胸キュン映画だと誇張なしで言える。本当に心がぐらぐらする。BGMもない、画面も暗い硬質な作品なので、好みは分かれると思うけれど、恋とか恋とか恋とかのことを真剣に考えられるから、観てほしい。これを観て恋したいと思うか思わないかは、けっこう人によると思うけど…。

 

・Sea Opening

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 監督が、BL的なものへのアンチテーゼとして撮ったのか、それともBL的なものへの肯定として撮ったのか、よくわからなかった。だって、作中で清は報われないし、清の書いた脚本の中で「想いを否定される」という流れも、そのあとの清の妄想の中での肯定も、全部清の妄想でしかなくて、もう、そういう思考の構造自体を観客がこのスクリーンのこちら側で観ているということは、全てひっくるめての否定なのかなとも思うけど、肯定なのかなとも思えて、よくわからなくなってしまう。まあそれは観客個々人に委ねられるので、どちらかといえば私は否定なのかな?と思ったけれど、正解とかないんだろう。

 作品そのものの構成は、「Please Please Please」で島にいる父親に会いに行くくだりが全部妄想だったように、片桐と沖縄に行くのも全部妄想であり、手口としては全く同じなのに私は律儀に驚いてしまって同じ詐欺に2回もひっかかる間抜けな人のようになってしまったのだが、恋の成分はだいたい妄想なので、妄想の使い方としてはかなり正しいのかもしれない。 片桐は死んだけど、私はあまり悲しくなかった。Please Please Pleaseでナオとシンジが捕まった時のほうが悲しかった。Sea Openingでこき使われているナオを見ても、やっぱり悲しかった。多分、ナオもシンジも、物語的な区切りとして一応「美しい終わり」を経験したのに、そのあとも人生が続いていくことに対して悲しい、と感じたんだろう。片桐の人生はあそこで終わりだから、そんなに悲しくもない。本人はやりたいこととかあったのかもしれないけど、知らないし。

 

プリンシパル 恋する私はヒロインですか?

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 終始無感情で観られたが、前半の川栄李奈の性格が面倒すぎて観ながら「面倒くさいな……」とずっと思っていた。高杉真宙がハマりすぎていて怖かった。ヒロインの服がダサすぎてもうちょっとどうにかならないのかと思いながら観ていた。

 

坂道のアポロン

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 知念くんに27歳の部分もやらせるのはムリがあるんじゃ…と思って観た後に実年齢を調べたら24歳だったので腰が抜けた。見た目年齢が16歳くらいで止まっている。

 終始すごく良かったけどエンドロールで流れた主題歌が小田和正だったので腰が抜けそうになった。みうらじゅんが「ラストラブ」を酷評していた時の「ジャズ映画なのにエンディングテーマが絢香」というコメントで爆笑したことがあるが、まさかそれとほぼ同じような事態が「坂道のアポロン」で訪れることになろうとは思わなかった。

 

 「バーフバリ 王の凱旋」、「リバーズ・エッジ」を早く観たいです。