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「帝一の國」東京応援上映ラスト/みんな幸せになろうね!

 

 皆さんこんにちは、大鷹弾のオタクです。

 大鷹弾のオタクのしすぎで、気づいたら知り合いが増えていました。画像1枚目の森園億人TOは、たぶん森園億人が好きすぎて自らが将棋の駒になってしまったんだと思います。そういうこともありますね。森園ファイト~!お~!いぇ~!

映画「帝一の國」の感想&愉快すぎる応援上映にいってきたよ - I READ THE NEWS TODAY, OH BOY

 前回のエントリにちらほら反響があって有難かったです。「笑える」「めちゃくちゃおもろい」といった感想をいただきましたが、文面ではあの現場の面白さは全然伝わらないと思っているので、文面だけでも笑えてしまった方は劇場で応援上映に参加したら笑い死ぬ可能性があります。

 帝一の國が面白すぎて唐突に巨大な穴に突き落とされたような感じになったのですが、なんとか這い上がろうとしたらさらにその下のライチ☆光クラブの池に突き落とされるというまさかの二段構成だったので笑ってしまいました。怖いです。一生このぬるま湯の中で過ごしても構いません。

  どさくさに紛れて聖地巡礼に行ってきました。多分このエントリを読まれてる方は9割くらい「キャ~!!氷室先輩~~!!駒先輩~~!!」となると思うのですが、わからない方に説明すると、劇中で氷室ローランド(間宮祥太朗)と駒光彦(鈴木勝大)が不良に絡まれるが返り討ちの上ボッコボコにして不良をほぼ全裸で謝罪させるという一世一代の名シーンで使われているロケ地です。ご査収ください。 渋谷の國學院大近くにある氷川神社境内ですので、お暇な方はぜひ…。(ツイッターで都内にあるのを知りました、ありがとうございます) 農工大にも行きたいな。

 

 6/2(TOHOシネマズ新宿)と6/8(新宿バルト9)の応援上映に行ってきました。公開されている範囲内での都内応援上映は6/8がラストだったので、なんだか寂しいな~という気持ちもありつつ。

 自分は内側の人間なので客観的に見てどうなのかはよくわからないのですが、シンゴジラ・ハイローに続く実写応援上映現場として帝一の國が認知されつつあったようで、コンビ萌えに対するプチ学級会が巻き起こったり、「様式美」的なコールが完成していく様を見られたりと、いろいろ含めて最初は荒野だったジャンルが徐々に発展していくような、不思議な感覚を味わえた1ヶ月間でした。

 バルト9での応援上映は前回スクリーン5(226席)が即完だったことを踏まえてかスクリーン9(429席)での開催。それでも当日にネットで確認したら綺麗に完売していました。スクリーン9って言うと、普段東映の舞台挨拶やるところです……。推しが東映に出がちなオタクなのでしょっちゅう来てはいるのですが、こういう形でまた来ることになるとは思わなかったのでビビりました。東宝配給なのに東映系列の映画館で扱いが大きいのは、やっぱりバルトが応援上映のメッカだからなんでしょうか。配給の壁も超えるので、帝一の國はすごいね!(思考停止)

 最初の応援上映のときは、正直、遊ぶぞ~!という気持ちよりも、本当に大丈夫なんだろうか……という興味本位が半分くらい含まれており(多分、他にもそういう人がいたかもしれない)始まってからビビリ倒したという面もあったのですが、ラスト応援上映は(恐らく)会場に詰めかけていた400人超がやる気に満ち溢れているという超越的な状況で、これはもう私たちの力で海帝高校の選挙を民主化するしかない!!!という気持ちでした。たのしかったです。

 以前、帝一の國が公開されるずっと前に、キンプリのオタクが「今日は◯◯さんが勝てる気がする」(※脚本上、◯◯さんは絶対に負ける)と自信満々に言っているインタビューを見て、「そんなわけあるまい」と笑っていたのですが、今なら「今日は大鷹弾が採点で勝てる気がする」とテレビカメラに向かって笑顔で言えます。あのとき笑ってごめんなさい。

 ご都合主義であると言う人もいるかもしれませんが、「烈車戦隊トッキュウジャー」がやっていた時代、私がシアターGロッソでのヒーローショーに100回超通い詰め、8都市を制覇する全国ツアーを推しと共に回っていた頃、エントリ内でヒーローショーに入れ込むロジックについて考えたことがあります。

plus14.hateblo.jp

 「戦闘美少年崇拝」そのものはあくまでも画面の向こうと画面のこちら側という塀を隔てた現象であるが、厄介なことに戦隊はヒーローショーイベントを非常に多く行っている。俳優本人が出演し、その場でアクションを含んだショーを披露するのだ。

 そこで実際に(といっても脚本であるが)会場が危機に陥り、その場にトッキュウジャーが現れ、無力な一般人である我々を救ってくれる。そしてヒーローショーのお約束である「観客の声援によってピンチのヒーローが力を取り戻す」という演出もまた現実と虚構を混同させる

 目の前で発生している「自分の発した声によって立ち上がった」という現象は確かに真のものであり、また「トッキュウジャーが自分たちをピンチから救ってくれた」という現象も確かに真のものである。さらに、その場にいた自分はとても無力だったという事実も真のものである。

 つまり「ヒカリくんがいなかったら私は死んでいた」という感情が発生し、一方的な画面越しの崇拝であったものに事実を踏まえた崇拝が加わってしまう。 

  戦隊キャラへのガチ恋についてはある程度時間が解決してくれたので、今は比較的冷静な気持ちでヒーローショーを見られるのですが(といっても実際に本人が出てきたらどうなるかわからないかも)、あそこまで真剣に推しを応援していたのは、そのとき確かに、推しが自分の声援によって立ち上がっていたからだと思うのです。

 「帝一の國」は、一種のスポーツの物語だから、勝ち負けはあるけれど、その「勝ち負け」に至るまでの段階を応援することができる。結果がすべてじゃなくて、彼らの頑張りに意味があるんだという大切なことを教えてくれる物語です。氷室は生徒会長になれなかったし、帝一も生徒会長になれなかったから、帝一の國は決して「頑張りが報われる物語」ではなくて、そこがすごく残酷だけど、読後感みたいなものは決して悪くない、むしろ清々しく切なく感じるし、彼らの頑張りに意味がなかったかって考えると絶対にそんなわけはないと思う。そう気づかせてくれます。

 その「頑張り」を観客が共に応援するというのは非常に理に適っていると思うし、そういう意味で応援上映にハマったのも頷けるな、とラストの応援上映を終えて考えました。

 「男には人生をかけて戦わなければならない時が来る、それが大学受験の人もいれば、就職試験の人もいる、僕にとってはそれが今なんだ」という帝一の語りの通り、海帝高校評議会の彼らにとって生徒会選挙はまさに命をかけた戦い(実際に帝一や氷室は命を投げ出そうとしたし…)で、演出としてコミカルに描かれているので実はそこまで重くはないのですが、彼らは痛いほどに自分の信じるものを信じていて、目標に対して素直で、実直で、傷つくことも厭わないし、後ろを振り返らない。 だから帝一の國のオタちゃんたちも、全身全霊で応援できたのかな、と、なんとなく思います。

 「帝一の國」はコメディでもあるのですが、その実、彼らはちっとも面白いことをしているつもりはなく、テストの採点のときもマイムマイムを踊るときも至って真剣であり、本気で戦っていて、そこがたぶん圧倒的な「良さ」なのではないでしょうか。真剣に考えて考えて考え抜くとシュールさが生まれてしまうという良い例です。

 

 まあでも、真面目に考えてはみましたが、結局のところオタちゃん面白すぎるというその一点に尽きるのもあるかなと思います。

 帝一パパに「譲介~~~~~!!!」って言うのが回を重ねるごとに大きくなるので笑ってしまうし、東郷卯三郎は「ウサぴょ~~~ん!!」と呼ばれている。原型を留めていない。冒頭の帝一の語りで「誰の言葉~!?」と叫ぶと「毛沢東の言葉だ」と返ってくるので、会話が成立してしまっている。(いきなり始まってそれなので、隣の隣にいた応援上映初見っぽい女子高生が死ぬほど笑っていた)

 「赤場家なんざ…わしのケツ毛に絡まるティッシュだ!」←「ティッシュは大事だよ!」←それはそう。ティッシュは大事。

 大鷹弾投票シーンの追尾カメラ「VR大鷹弾!」←結構酔うよね。

 佐々木人気、初見だと正直謎みたいなところがあったのですが、冷静に佐々木の行動を見てみると佐々木ありえん可愛いということに気づいてしまいました。(佐々木人気は公式化しました)

  応援上映を通して気付けることもあったので、オタちゃんの秀逸な突っ込みに感謝です。将棋部の部室でのシーンで佐々木が無意味にずっと左手を抱えているのかわいいし、佐々木いつもにこにこしていて可愛すぎる。天使ではないでしょうか。気づきといえば、氷室が菊馬から受け取った1年生のプロフィールを見るときにしれっと会長席に座っているのとか……(お行儀が悪いよ!)。

 エンディングのコールは回を重ねるごとに激しくなっていった印象があるのですが、ついにラスト回では美美子にガチ恋口上が捧げられていたので笑ってしまいました。尾崎世界観も、まさか自分の曲に映画館でガチ恋口上が打たれているとは夢にも思わないでしょう。次は私もファイボーワイパーします。

 あと、田伏総理の登場シーンで突然鳴子を振り回し始めた⑤のオタちゃんには賞状を授与したいです。その気持ちはわかる。

 

 東宝には、一生声を出さずに帝一の國が見られなくなってしまった責任を取って週1で応援上映を開催してほしいです。 これは言いすぎですが、定期的にどっかでやってくれると嬉しいかな―と思います。需要はあるよ。400人動員できるって、すごいと思いますよ。なかなか無いよ。映画館が無理なら、DVD出てから体育館とかで上映してもいいので……。みんなでマイムマイム踊ろうな。

 なにとぞよろしくお願いします。偉い方。ぜひ。

 

 みんな幸せになろう!

 帝一の國と、帝一の國のオタちゃん、大好きだよ!また選挙で会おうね!

 

神代の昔より

千尋の海もその空も

四海を照らす光こそは

我らが武神 我らが光

海帝 海帝

耀う光 海帝高校 

海帝高校

 

 

推しがジャニーズと共演するのが嫌すぎる

 もうクランクアップしたしブログに書いちゃお!

 推し、ジャニーズと同じ映画に出るらしいです!出るらしいという曖昧かつ伝聞形の情けない表記なのは何かの間違いで嘘であってほしいからです!いろいろ幻覚であってほしいです!正直映画に出るらしいという情報を知ったときはめちゃくちゃ嫌すぎて卒倒しました!なぜなら今年1月公開の映画「キセキ ーあの日のソビトー」で菅田将暉と一緒だっただけで死ぬ思いをしたので、ジャニーズと一緒になんてなってしまったら今度こそ本当に私は死ぬと思います。さようなら。今までありがとうございました。元気でね。

 どれだけ菅田将暉が強かったかというと推しはソロイベント動員がせいぜい40人なのにMステの観覧枠250人強も全部埋まり(私は何かの間違いで整番1桁を引きました)完成披露試写会は徹夜しないと最前が取れず、後から買おうにもなんと最前が5万円だったのでマジで売ろうか悩みました!自分で入ったけど!そしてGReeeeNSSAコンのオープニングアクトに出ると言われたので観に行ったらオープニングアクトなので15分しか出ずに最前で3時間地蔵し続けました!GReeeeNの曲がキセキと道と声(グリーンボーイズがやってたやつ)しかわからなくて一周回って面白かったです。

 来年公開の映画は前回を超える修行になりそうな予感がします。

 あとどさくさに紛れてジャニーズからヲタクが200人くらい流れてきそうなので今から息切れしてます。もう一生公開現場で動けねえよ。

 「オオカミ少女と黒王子」(2016)のときは映画キャンペーン期間が舞台期間とかぶってたおかげでほとんどの舞台挨拶に出ずに山崎賢人のファンと無用な戦いをすることなく終えられてとても平和だったので、何かものすごい仕事が被って絶対に舞台挨拶に出られなくなってほしいです。無理すぎるな。

 余談ですが今回撮影してた映画、エキストラ募集のメールに「現場で携帯取り上げるからよろしくな」と脅迫じみたことが書いてあって怖すぎました。ジャニーズのいる現場、一生行きません。元ジャニヲタが言うのもなんですが正直ジャニヲタ時代に「若手俳優?ドラマの死体役っしょヮラ」という認識をしていたことに関しては大変申し訳なく思います。

 あとグリーンボーイズ新規が来年の映画新規にドヤ顔で古参面するのかと思うと今から憂鬱な気持ちになります。マウントの取り合いのしすぎで苦しんでくれ。

 しかし発表前に厨が全員映画のこと知ってるの、さすがにSNS時代という感じがしますね。もうここまでくると色々無意味な感じがするのでクランクインと同時に発表してほしかったです(現場の混乱を招くという理由かもしれないけど推しの出演を発表したところで現場に人間増えないからそんなに警戒しないでくれ)。今度のトークイベントで「映画出演おめでとう」とかいう横断幕を出したらめちゃくちゃ事務所の人に怒られるのか気になります。絶対やらないけど。

 チケットのこととか考えると嫌すぎる~~~~~~~!!!!!

 あ~~~~~~!!!!!! 無理ぽよ~~~~!!!!!!!

 少女漫画を映画にするやつ、若手俳優の厨してると一生見続けなきゃいけないのも無理すぎる~~~~~~~!!!!!!!!!

 あと平野くんのヲタクには申し訳ないけど私は舞台挨拶に絶対に入るからな、平野担に譲れとか言われたらトッキュウブラスター後頭部にぶつけます、優しい平野担の人は仲良くしてください。敵意はないです。

 おわり。

 

 

最も売れている楽曲派アイドル、嵐説

 たまに嵐のことを思い出す元嵐担です。

 嵐担としての経歴は以前のエントリでも書いた通り(http://plus14.hateblo.jp/entry/2016/04/22/173350)実は5~6年しかリアルタイムで嵐を見ていなかったという涙の出るショボさなのですが、それでも嵐の楽曲については人一倍聴いていただろう、という謎の自信があります。

 俳優厨を経て「楽曲派」と呼ばれる地下アイドルの音源を聴くようになりましたが、「楽曲派」的な方面に詳しい評論家の方々からは基本的にジャニーズは軽蔑されがちです。嵐なんて以ての外です。当然です。シングル曲などのテレビ番組で歌われる曲の詞には「平和・夢・恋愛・地球」しか書かれていないからです。こんなことを断定的に書いてしまうと嵐担警察が飛んできて歌詞解析のブログでも引用しながら「そんなことねえよ」とブコメで小一時間は説教されてしまいそうなのですが、ジャニーズなんてどうでもいいという一般人の意見とはそういうものです。

 私もジャニーズ、特に嵐の楽曲に対するそのような見方については悲しいものがあるのですが、その反面、年末歌番組で歌われる代表曲が未だに「Love so sweet(2007)」という現状をみれば仕方ないかなとも思います。Love so sweetもヲタ卒して3年くらい経ってから聴いてみると万人受けする詞・クセの全くないコード進行・歌いやすく覚えやすいメロディーラインと三拍子揃った完璧なヒットナンバーであることに気づけるのですが、正直嵐担だった頃は歌番組でリアルにLove so sweetしかやらないので、まねきケチャのオタク風に言うと「またこれかよ!マンネリ!」という状態でした(参照:地下アイドルまとめブログ:まねきケチャ 「またこれかよ!マンネリ!」と叫ばれ、松下玲緒菜さん崩涙 「演者のリズムを狂わすような高速手拍子、バラード曲やオチサビでの合唱」が禁止)。素直に言いたいことが言えるオタクが羨ましいです。 ていうかもうラブソーから10年経ってんのかよ……。

 しかし「ゴリ押し」との悪名高かったLove so sweetもOne Love(2008)もワイルドアットハート(2012)のことも一旦忘れて、マイナー曲に注目すれば、かなり意欲的な挑戦作が嵐には提供されています。シングル曲の意味の解説とかは散々どっかのはてブロで書かれていると思うので、好きなマイナー曲を淡々と紹介するよという、そういうエントリです。

 余談ですが、嵐が旧国立競技場の取り壊し前に「アラフェス」(ファン投票によってセットリストを決める公演)を開催できたのは、取り壊しをする前のどさくさに紛れたからなのではないかと今勝手に思ってしまっています。取り壊しに直面する前の「AAA2008」「5×10」「風景」「BW」では、愛!平和!地球!というテーマを歌ってなんとかコンサートを開催する上でのお題目みたいなものを掲げていた印象が拭いきれなかったのですが(後年になるほど地球の平和度は上がり、BWコンは特に震災直後ということもあって終始地球の平和を祈っていた気がする)翌年になって突然ヲタ媚びコンを開催します!という急展開になったのは、どう考えても取り壊しのどさくさに紛れてです。実際とことんヲタ媚びコンだったかというと、それはセットリスト(ARASHI アラフェス NATIONAL STADIUM 2012 - Wikipedia)参照の通り、やはり新規に気を使ってます感は否めなかったのですが……。

 ちなみに、今の地下アイドルにおけるいわゆる「正統派」はよく乃木坂・欅坂系なのかと聞かれますが、どちらかといえばでんぱ組.incのパクりのパクりみたいな原宿系アイドルが多いです(地下アイドルまとめブログ:原宿系アイドル、見分けがつかない 「全部一緒に見えるな、、、」参照)。正統派の地下アイドルは、オタクがむやみにびよんびよん飛んでいたり、ウェイな大学生が多かったりします。怖いのであまり近寄りません。

 私の知る中で最も「中期の嵐っぽい」曲をやる地下アイドルはHauptharmonieです。オタクがジャージャー言ってますが無視して聴いてみてください。「パラレルワープ」がOne(2005)あたりに混ざっていても違和感なく聴ける自信があります。

www.youtube.com

 

埋もれの名曲たち

野性を知りたい / ARASHI No.1~嵐は嵐を呼ぶ~(2001)

 初期SexyZoneのアルバムを聴くとこの曲を思い出す。(特に「one Sexy Zone」所収「IF YOU WANNA DANCE」は似たような路線だと思う)最も面白いのはかなり正統派テクノ(あくまでもエレクトロニカではなくテクノ的である)を意識している点で、構成としてはシンセとドラムマシンとコーラスしか使っていない。ごちゃごちゃせずにシンプルなので聞きやすい。イントロや2番Aメロにみられる謎の声など、違和感があるという人もいるらしいけど、個人的には再生Yellow Magic Orchestraの「BE A SUPERMAN」に入っているウィリアム・バロウズの声のようで(コンセプト的には「TECHNODON」と同じものを感じる。シンセの浮遊感などがアンビエントの影響そのものなので)かなり良いと思う。

 

星のFreeWay / HERE WE GO!(2002)

 この頃の嵐はまだボーカルの修正が弱く、特に本曲のAメロなどでは安定しない各メンバーのボーカルを聴くことができる。そういう意味で貴重かもしれない。意識しないとあまりわからないが「果てないLong Way 遥かなDream Way」の独特のリズム感に耳を傾けると興味深い。また、演奏はかなりポップ寄りのジャズ的であるにもかかわらずアイドルソングの典型的なPPPHリズムがBメロで展開され、見事にオシャレな音と融合している。間奏で繰り広げられる、特にドラムのグルーヴ感がアイドルには珍しい。

 

コイゴコロ / とまどいながら(シングル, 2003)

 後述する「CARNIVAL NIGHT part2」にも見られる、若干切ないラブソング(たいてい独りよがりな詞である)路線はこの曲でピークに達したのではないかと個人的には解釈している(その後は純粋に嵐の5人が大人になっていったこと、売れ線狙いなどにより歌われなくなったのかもしれない)。よく嵐は他のジャニーズに比べて親近感があった、親しみやすかったと言われるが、アリーナクラスで公演をするアイドルが「コイゴコロ」みたいな詞を歌うのもその一因だったのかもしれない。(このあとジャニーズはKAT-TUNなどのゴリゴリ路線に走るようになるので、なおさら嵐の「(よく言われる)近所のお兄さん感」が強まったとも考えられる)

 

身長差のない恋人 / How's it going?(2003)

 ヲタに「嵐の名盤は?」と聞くと、One(2005)に並んで挙げられることの多いHow's it going?であるが、最も売れなかったことが不思議なくらい名曲揃いである。特にロングイントロ・長尺曲を取り入れたという意味においてはかなりプログレッシブであるといえる。本曲も1分超えのイントロ、全6分15秒という長尺を持ち、カラオケで入れると気まずいことに定評がある。作曲の長岡成貢氏はアニメ「ストライクウィッチーズ」の劇伴も担当する名手。How's it going?の中でも、特に本曲は最も「ロック」的であるといえるのではないだろうか。

 

Walking in the rain / How's it going?(2003)

 How's it going?を評価するなら本曲を捨て置いて書くことはできないのではないかというくらい強烈な印象感を残す曲。間奏と大サビ、そしてアウトロで唐突かつパワフルに入り込んでくる乾燥したピアノ(かなり強いタッチで、その上プリペアド・ピアノかっていうくらい鋭い音を出している)の音が耳から離れない。また、一般的な四拍子を全く刻む気がないリズムマシンも良い。ピアノとリズムマシンの2つの要素で、全くそういう雰囲気ではないのにも関わらずジャズ的な印象が残る(この独特のリズム感は矢野顕子の弾き語りなどに近いかと思う)。

 

JAM / いざッ、Now(2004)

 「無秩序と秩序すり抜ける~」のコーラスの層が厚すぎてどこがメインボーカルなのかわからないくらいコーラスの層が厚い。非常に個人的な解釈ではあるが、ストリングスを嵐が多用し始めたのは恐らく「いざッ、Now」からではないかというくらい印象的なストリングスの使い方をしている。間奏でのストリングス+ドラム+ベースのスラップという組み合わせ、突然大人になった詞など、新境地を切り開いたという感じが強烈。

 

風見鶏 / One(2005)

 純粋にいい曲なのだが、その反面、紅白の司会をやって以降の嵐に顕著である平和・環境・愛国路線の原点をくみとることができる貴重な曲でもある。というのも、あまりにも「ふるさと」という曲がシンボリックになりすぎて、嵐に対して「いや君らは一体日本国のなんなんだよ」と思う瞬間も多かったし、嵐があのようになったルーツを探っていく中でどうしても「風見鶏」を避けて通ることはできないと思う。 シンボリック路線をやるならこれくらいの度合いがちょうどいい。「風見鶏夏の終わりを遠くに見て何を思う/露草に想いを馳せて駆け抜けた頃に戻って」いい加減ではないだろうか。 個人的にはお宝音源で出回っている二宮くんの歌っているやつが好き。

 

CARNIVAL NIGHT part2 / ARASICK(2006)

 いわば、嵐がデビューアルバムからずっと歌ってきた、やや明るく突き抜けながらも切ない詞を歌い上げる「ほろ苦ラブソング」最後の砦である(Time(2007)の「Love Situation」で完全に当該路線からは脱却し、以降同じテーマを歌ったとしてもDream "A" live(2008)所収「Flashback」のようにポエティックで要領を得なくなる。Flashbackは名曲だが、それまでの「具体的にこうして振られてああいうことがあったなと回想して悲しい」みたいな路線からは一線を画すことになる)。

 また、嵐に興味があれば誰でも知っているが嵐に興味が無いと誰も知らないという摩訶不思議な曲。ここまでヲタ知名度と一般知名度が乖離しているのは珍しいのではないか(「EYES WITH DELIGHT」(いざッ、Now(2004)所収)もなかなかのものだと思うけど、CARNIVAL NIGHT part2にはさすがに負けると思う)。地味にみな忘れがちではあるが、CARNIVAL NIGHTと謳いながら安易にファンキー路線に走らないところは明確に評価すべきである。よくよく曲を聴いてみると、肝心のカーニバル色はどこにもない。当然だ。この曲は彼女とカーニバルに行きたかったのに行けなかった悲しい男の歌なので、あまり陽気だと雰囲気が損なわれてしまう。

 

COOL&SOUL / ARASICK(2006)

 「嵐に文学性がある」という、ヲタが「人間は酸素で生きている」くらいのノリで当然のように語る文脈が理解できない人も多いと思うが、一応それを理解するためには必須である曲。「ya so cute二番煎じ」がKAT-TUNをディスっているという話もあるが、フリースタイルダンジョンでラッパーは息を吸うように同業者をディスると学んだのであまりそこについて深く考えなくてもいいと思う。また、「嵐」というジャニー喜多川社長が恐らくあまり考えないでつけたであろうグループ名が日本神話と組み合わせた文脈で語られ始めた貴重なターニングポイント。

 

let me down / 僕の見ている風景(2010)

 シドの「妄想日記」ほど直球ではないのでなんとなくかっこいいダンスナンバーに聞こえてしまうが、れっきとしたストーカーソング。色々なヤンデレキャラのイメソンとしてもっとオタ女子の間で取り上げられてもいいと思うのだけど挙げられているのを見たことがない。売り上げ的に絶頂期でベストアルバム「5×10」の次のアルバムという途方もないプレッシャーがかかる「僕の見ている風景」Disc1のラストにこれをぶっ込んでくる嵐、信用できると思う。

 歌詞のところどころが心に刺さってくる。「とどのつまりはいつだって君と君だけの世界で」と平然とボカロの病み曲みたいなことを言ってくる。ジャニーズ曲、EDMやりがち問題についてはかなりの数のジャニヲタが認識していると思うが、本曲ではベースにEDMを取り入れながらも金管楽器を前面に押し出してマンネリ感を払拭しているのも評価できる。

 似たような路線の曲に大野ソロの「Hit the floor」/LOVE(2013)があるが、こちらはイントロ→Aメロの繋ぎ(another world 行こう君と→泡の消えそうなグラスは)などに見られるギターフレーズの強い印象でやはりダンスミュージック感を払拭している。こちらも良くヤンデレ曲と言われる(むしろこちらの方が有名かもしれない)。大野ソロ・メイン曲には「Rain」「Ready To Fly」など、どことなく終末的な雰囲気を漂わせるものが多い(Ready To Flyは明るいが、「飛ぼう」が意味深で怖い)。

 

Up to you / Popcorn(2012)

 Bメロ→Cメロ(感じるままに踊るだけ~何度も羽ばたく君ならFly)、Cメロ→サビのトリッキーなコード進行が癖になるキラーチューン。アルバム「Popcorn」ではラストに収録されているのにツアーでは1曲目にぶつけてくるのが痺れる。Beatiful World(2011)の地球平和祈願路線から一転してハッピーでキャッチーを追求したPopcornのテーマに沿うように、「Don't stop music いつまでも」で急にリズムを踏み始めるのがどこまでもキャッチーで良い。「Popcorn」は明らかにサビだけ先に作って後からAメロBメロを付け足した曲が目立つが(日産のCMソングになっていた「駆け抜けろ!」はAメロBメロがどう聴いても松任谷由実の曲なのにサビで突然さわやかジャニーズ路線になる)Up to youに関してはあまり繋ぎ目が気にならない。コードの運びの上手さが段違い。

 

 他にもPIKA★★NCHI DOUBLEとか好きなんですがメジャーすぎるかなと思ったので除外しました。

 一応エントリを書くにあたって全アルバムを通して聴いてみたんですが「THE DIGITLIAN」以降はコンサート映像を見ていないことも相まっていまいち耳に残らないですね。ただ「Japonism」のコンセプト自体はピチカート・ファイヴの「さ・え・らジャポン」みたいで良いなとは思いました。しかし最新アルバム「Are You Happy?」に関してはやっぱり解散した某グループのような無難な路線に入っていると思わざるを得なかったのが正直なところです。年齢も相まってかなりの守りに入っているのでしょうが、楽曲的にもうあまり期待はできないのかなと思ってしまいます。中期嵐曲の幽霊と呼んでくだだい。というかストリングス路線を取り入れ始めた「いざッ、Now」あたりにはまだ新鮮さがあるのですが、数えて13年近くも同じ路線をやっているとなるとヲタの人も飽きてしまうのではないかと思います(EDMはすでにアイドル業界で飽きられていますし)。

 その点、菅野よう子いしわたり淳治岡崎体育ユニコーンなど「こいつらを呼んどけばうるせえ楽曲派も黙るだろ」的なパンチのある人選をしてくる最新アルバムを出すという話の関ジャニ∞は良くわかってるなと思います。ここに岡村靖幸あたりを入れればサブカル層は全員爆風に飛ばされて死にます。

 

 というわけで久しぶりに嵐のことを思い出したら懐かしい気持ちになりました。

 久々にAAA2008とか見ようかなと思いました。