I READ THE NEWS TODAY, OH BOY

舞台、俳優DD、サブカルかぶれ等

COVID-19以後のオタクについての散文

・現場に行くことでアイデンティティを確認しているタイプのオタクは、今完全にアイデンティティを失っている。自分が何者なのかよくわからなくなってくる。

・現場に行かないとやることがないので、オタクたちが次にやることは、pixivを読み漁る、ソーシャルゲームをやる、あつ森をやる、の三択になる。ソーシャルゲームの内訳としては、ツイステ4割、あんスタ4割、他2割。(私の周り調べ)

・お金を使っていたオタクは、連続して発生した返金等々において手元にお金が多少はある状態になっている。そのお金の使い道は、一部がソーシャルゲームで、他はひとまず貯蓄。

・現場がもう長いことないので、皆冷静になっている。推しに会うという行為には、冷静さを欠かせるという副作用もある。推しに会うと、わけわからん脳内物質が分泌され、ハッピーになってしまうがゆえに、グッズを買い足したり、チケットを買い足したり、プレゼントを買ったりするのだ。それが長いこと無いので冷静になっている。お金をどう使えば賢く楽しく生きられるのかについて、皆考え直し始めている。手元にあるこのお金をまた若手俳優や意味のわからない舞台に全部突っ込んでいいのだろうかという疑念が生じ始める人もいる。

・「コロナをきっかけにオタクをやめる」ということを言う人がいる。「そんなのありえない」という人もいる。それはあまりにも端的な表現すぎて真意が伝わっていないのかもしれない。解剖すると上のようなことになっているのではないだろうか。

・コロナ以後、若手俳優がよくやっている無料の配信は、実は熱心な現場系オタクのうち一定割合は視聴していない。そもそも、そういう配信で満足できないから現場に通っていたわけであって、根本的に、配信は熱心なファンへのサービスにはなり得ない。話がつまんないとか、あつ森のほうが楽しいとか、一応見てるけど真剣には聞いてないとか、そういう話を毎日TLのどこかで見る。

・松田誠がやっていた謎のクラウドファンディングには私の周りでは否定的な意見が多かった。何もかもが曖昧だし、そもそも、推しにはお金を払いたいけど、参加している制作会社には恨みがあるとか、そのような複雑な感情が絡み合いすぎている。好きな作品、推しにピンポイントでお金を届けられる、リターンについての詳細がはっきりと示されているプロジェクトであれば、みんな喜んでお金を出すだろう。

・先述した理由で冷静になってしまっているので、コロナが終わったときにまた現場に戻れるかわからないというオタクは多い。また熱狂できるのか、エンジンをかけられるのかという疑問のような不安のようなものが私のいる界隈を覆っている。ただそれだけだが。

「バイバイ、ヴァンプ!」に限った話ではない若手俳優系小規模謎映画の思い出

 ツイッターでも書いた話なので、もうそれ読んだわ~という方がいたら申し訳ないのだが、まあ後世でも似たようなことが起きて誰かがインターネット記事を発掘するだろうという気持ちがあるのであえてエントリにする。

 

www.cinema2d.net

 

 映画「バイバイ、ヴァンプ!」が燃えている。本記事において重要なことであるのだが、この映画の脚本の問題である同性愛の取り扱い方については私は専門外であり、なおかつ当事者・専門家による言及が数多くwebにおいてなされているため、本記事では恐縮ながら割愛する。

 「バイバイ、ヴァンプ!」の炎上を知ったときに感じた気持ち、それは私にとって一種の懐かしみであった。この映画のキャスト欄を見ればわかるが、どうみても雑な感じでアイドル・若手俳優を寄せ集めた雰囲気がダダ漏れになっている。

https://www.byebyevamp.com/cast-staff

 ブログを昔から読んでくださっている方は知っていると思うが、私は5年間にわたって主に2人ほどの若手俳優を推していた。最初の推しに関しては丸3年間くらいにわたり現場にはほぼ全通していて、キネカ大森でやる規模の映画の舞台挨拶にも東京国際フォーラムホールAでやる規模の舞台挨拶にも行っていた。二番目の推しに関しても、どういうわけか不明だが謎の映画にやたらと出ていた。(元推しの名前を出さないのは、本記事で扱う主題が、今世間でボコボコに叩かれている案件なので、飛び火したらめんどうだな~と思っているからで、過去エントリを見ればすぐわかることなので、深い意味はない)

 そして私は若手俳優のオタクをしていた期間、(友達に前売り券を押し付けられる等の事案も含めると)コンスタントに年数本は必ず「バイバイ、ヴァンプ!」のような、「アイドルや若手俳優をかき集めた謎の映画」を見る羽目になっていた。別に見たくて見ていたのではない。その理由は、推しがなぜかそのような映画に出るから、このただ一点である。

 冒頭貼ったCDB氏のブログでも言及されているのだが、ボイメンも祭nine.もちゃんと動員のある人気グループだし、他に出演している若手俳優2.5次元舞台に出ていたりして、ちゃんとオタクはいると思われる。それなのになぜか謎の映画に出るのだ。私の元推し①も大手事務所所属だったが、謎の映画に出演していた。理由はわからない。ただその映画はめちゃくちゃつまらなかった。

 ただ、今回の炎上において、ツイッター上で意見をいろいろと見ていたところ、キャストに対しても「差別に加担している」などの批判をする様子が見受けられた。それはちょっと違うんじゃないかというのは、自分のブログなので声を大にして言いたい。真実がわからないので断言することはできないが、キャスト自身が出たくて出ているとは限らないのである。脚本が上がってきた後に、「これはちょっと……」と出演者が思ったとしてもすでに引き返せない可能性があるのだ。

 芸能界が意味不明なハラスメントと圧力にまみれた魔境であるということは、(元)能年玲奈さんがいつまでたってもテレビに出られない件とか、元SMAPジャニーズ退職組に関する公取委の注意報道とかで皆さんよくわかっているのではないだろうか。(元)清水富美加さんも映画「東京喰種」に関して、本当は人肉を食べる役はやりたくなかったけど断ると事務所に干されるので葛藤してたと言ってたし。

 推しが大手事務所に入っていてもそのような意味不明なハラスメント・圧力から逃れられないとなると、あなたの推しもいつ、脚本がトンチンカンな謎映画に出演して、炎上の矢面に立たされるかわからないということになる。

 さて冒頭のCDB氏のブログに話を戻すが、CDB氏は映画館に全然女性ファンがいなかったことを挙げて、「ファンの勝利」と書いている。しかし、このようなアイドル・若手俳優かき集め謎映画において、通常上映がガラガラなのはきわめてよくある事象のように私は思う。よって別に「バイバイ、ヴァンプ!」に限ったことではないような気がするのだ。

 私は偏屈者なので若手俳優の謎映画をわざわざ通常上映で観に行くこともあるが、基本的にはガラガラで、信じられないくらい人が入っていない。そしてこのような謎映画は一般的な映画ファンにもほとんど鑑賞されていない。シネマート新宿とかの上映表を毎週チェックしているようなマニアでないと映画タイトルさえも知らないだろうし、もちろん内容も観られていない。宣伝もほとんど(というか全く)しないので、キャストのファン以外は観に来ない。だから「バイバイ、ヴァンプ!」はこの手の若手俳優謎映画の中では珍しくかなりの知名度を上げることに成功(?)したとは言える。

 ではこういう映画は何で儲けるかというと、オタクに無限に舞台挨拶を見せたりオタクに無限にDVDを買わせたりする。とにかく無限にイベントを打って収益を上げようとするし、その姿勢をオタク相手にも隠さないのだ。潔い。ボイメンファンは言及しているが、「バイバイ、ヴァンプ!」も1年前くらいから謎の上映会等をやっていたようである。なぜオタクが通常上映にいないのかという疑問はここで解決される。イベントで映画を観ているので、別にわざわざ映画館に行くほど内容が面白くなかったら、もう二度と観ないからである。

 なので私はこのような謎の映画に出くわすと、「やっぱり製作発表イベント完成披露上映会初日イベント大ヒット御礼イベント(大ヒットの可否は問わない)とDVD発売イベントをやるのかな~」などとゲスい勘繰りをしてしまう。

 舞台挨拶を1日に都内で何箇所もまわったりするのだが、その舞台挨拶を全部見るためには映画は1秒も見られないみたいなタイムテーブルになっていたりするので、映画の本編を一切見ずに全てのイベントを完走するオタクもいる。なので、インターネットの皆さんに告げたいのは、オタクが「舞台挨拶楽しかった~!」と言っていても、信じられないことに映画を見ていない場合も多々あるので、むやみに批判してはならない、ということだ。(単純に推しが目の前にいる事象が楽しいだけなので、映画本編のクソさはあまり関係ない)

 しかも今回の事案に関しては、無邪気に「映画楽しかった~」と喜んでいるオタクに対して「なぜ声を上げないのか」「なにも思わないのか」等の批判がされている。しかし、これはかなり個人的な意見なので、そんなことない!と怒られたら、そうですかとしか返せないのだが、このような謎映画の関係者は高確率でエゴサをしている。そして批判的なことを書いたオタクのアカウントに、なぜだか神風特攻のごとく直リプ・引用RTで言い返してくるのである。実例も挙げることができるが、「バイバイ、ヴァンプ!」と並列にして語るのはさすがに……という感じなのでここでは書かない。愚痴垢と呼ばれるオタクの鬱憤を晴らすアカウントが検索避けのために伏せ字を使っているのには、このようなアレな関係者の凸から身を守る・例え不満を書いているのが見つかってもリアルのオタク活動にまでは支障が出ないようにする、という意味合いもある。(最近ではあまりにも愚痴垢の存在が広まりすぎたため、意味がなくなりつつあるが)

 そして、私が「バイバイ、ヴァンプ!」の騒動を見て「あるあるこういう謎映画……」という気持ちになってしまったもう一つの要因、それは偉い人としてヤバめな大人が絡んでいるからだ。 

 改名してGODという名前になったらしいが、プロデューサー欄に名を連ねているこの「ゴッドプロデューサーKAZUKI」なる人物、小室哲哉に一度も会ったことがないのに小室哲哉の暴露本を書くというウルトラCを成し遂げたかなりヤバめな中年男性である。

  もうひとりのプロデューサー・大勝ミサも、よくわからないが未払いを訴えられている。推しがこの映画に出演すると判明した時点で「もう撮ったものはしょうがないのでイベントからは逃げろ」という怪文書を事務所に送りつけてもよいレベル。

 まあ正直、過去に見た謎映画の関係者の中でゴッドプロデューサーを超えるヤバい大人は、流石にいなかった。言い換えれば、ゴッドプロデューサーを引き当ててしまった「バイバイ、ヴァンプ!」出演キャストのオタクは相当に不運であるともいえる。しかし、ゴッドプロデューサーまではいかないものの、不穏な言動をする映画監督のおじさんやプロデューサーのおじさんなどを私は数々の謎映画のイベントで観測してきた。普通に暮らしていれば一切関わることはないが、業界には不明な権力とコネを持っている(らしい?)おじさんが作品に関する決定権を握っている世界、それが小規模謎映画なのである。

 長々と書いたが、そういうわけで私のCDB氏のブログに対するアンサーは、「ただのイケメンオタクとしては、普段から謎の映画を見たくて見ているわけでもないので、通常上映になんか行かないし、その行かないという行動に深い意味はない」となる。いかがでしょうか?

 もちろん私もオタクをしていて出会った映画作品の中にも、生涯大切に見たいと思えるくらい大好きなものがあるので、一概には言えないが……。

懐古!チャレンジスクールの闇

【宣伝】今週末11/24の文学フリマに出ます。

 

 私は2013年から2015年まで、チャレンジスクールと呼ばれる高校に通っていた。結局高校3年生のときに一生オタクをしていたら単位が足りなくなったので退学し、その後通信制高校編入してようやく卒業をすることになるのだが、世には出ない恐ろしいチャレンジスクールの闇というものをふと思い出したのでブログに残してみようと思う。

東京都立高校のチャレンジスクール一覧│ナレッジステーション

 

 チャレンジスクールというのは、様々な諸事情や、精神がアレだったり、色々とアレだったりして中学に通えなかった生徒でも進学できる、入試に内申点審査のない高校のことである。都内には6校ほどあるらしい。へえ~。

 私は中学の頃、まず都立の某中等教育学校に合格したものの1年生の夏休み前に行かなくなり、その後地元の市立中に転入、「相談学級」という不登校児の集まるクラスにぶち込まれたのだが、そこで度重なる奇行を重ねたため事実上そのクラスを出入り禁止になり、最終的に中学3年生の頃は児童精神科のリハビリ施設に送り込まれて毎日を過ごしていた。発達障害の残念な人の人生じゃん。(このあたりの思い出は今週末に販売するミニコミにも書いています)

 中学にまともに通っておらず、内申点がミジンコほどもない私が高校進学の際に提示された選択肢は、私立高校を受験するか、都立のチャレンジスクールに行くかの二択であった。なぜ結局チャレンジスクールに進んだのかはよく覚えていないのだが、当時はチャレンジスクールの闇を知らなかったので仕方がないともいえる。

 私の通っていたチャレンジスクールは京王線千歳烏山駅にあり、通学路には明らかにキ印の不動産屋が建っているオウム真理教の残党が住んでいるマンションと公安警察の監視小屋があるといった非常に情緒豊かな環境であった。駅前の区民センターには「脱会・解散こそが真の反省 オウムを許さない」みたいなドデカい垂れ幕が掛かっており、よく同級生と広場でその垂れ幕を眺めながら死ぬほどどうでもいい話をするなどしていた。

tokyodeep.info

 烏山ハウジング、私は大好きだったのだが同級生は誰も近寄りたがらなかったため、ついに退学まで誰とも烏山ハウジングの話はしなかった。悲しい。

 

 チャレンジスクールは不登校の者を主に受け入れているのだが、それでも人気はけっこうあるらしく、受験の際にはそれなりに落ちる者も出現する。1.5倍の倍率をくぐり抜けた者たちなので、まあまあ社会性のある集まりかと思いきや全くそんなことはなく、入学して一ヶ月くらい経つとわかるのだが、クラスの1/3は全く学校に来ているのを見ない。日本の高校は制度上6年間まで在籍できるらしいのだが、1~3年生の頃に全く学校に来ていなかったので、6年生になってようやく卒業の目処が立っている先輩とかいた。小学校か?

 入学式とその後の一週間以来姿を見なかったKさん、他いろいろな姿をほとんど見なかった人たち、元気なのだろうか……。

 さて、当時の私はといえば、ジャニオタとアニメオタクを併発しているという面倒くさい特性持ちであった為、入学してからすぐにクラスのオタクたちと男女を問わずつるみ始めた。なぜか男女混合4~5人くらいのグループができていて、一生女性声優とエロゲの話をしたりしていたのだが、チャレンジスクールの恐ろしかった点は、皆バグっているのか恋愛で揉めて学校に来なくなってしまうところであった。

 恐らく中学までまともな人間関係を築いてこなかった人々が高校に入って急に「デビュー」したような気持ちになり、恋愛をしてバグってしまうのだと思うのだが、クラス内で物凄い速さでカップルが成立し、そして物凄い速さで別れてどっちかが来なくなる。私は当時「高校ってこういうものなんだ~」と思っていたのだが、他の学校ではそうではないらしいので驚愕した。

 入学してからも衝撃の連続であった。もはや6年前くらいの記憶なのでうろ覚えなのだが、入学してすぐのオリエンテーリングで、担任が「先輩たちの書いた作文です。皆読むように」と言って配ってきた紙に、誰かも知らぬ先輩の「僕はこの学校に入ったことを後悔しています」という一文があったことは今でも心に強く残っている。その作文は「とにかく学校に来ましょう! でないと卒業ができません!」という当たり前すぎる言葉で締めくくられていたのだが、それくらい皆学校に来ていなかったということである。ちなみに、学校に来ない生徒は、特に担任から何か連絡があるというわけでもなく放置されるので一生学校に来ることはない。

 また、体育教師が「君たちは今までの人生で甘えてきたからこんなところにいるんだ」という趣旨を全校集会のスピーチで始め、その場がお通夜のようになったこともあった。仮にも自分の勤めている高校を「こんなところ」と形容したことが衝撃的で、未だに鮮明に覚えている出来事の一つである。

 チャレンジスクールの狂気エピソードを挙げていけば枚挙に暇がないのだが、生徒会長がエロコスプレイヤーで、コミケでコスプレROMを出したり個人撮影会に出たりしながら生徒会長をやっていて「エロゲ以外でこんなスペックの人いるんだ」と思ったことは良い思い出である。本当にいた。

 そういえば、私はなぜか当時「音楽部」という事実上の軽音楽部に名義だけを置いており、音楽部らしいことは何一つしていなかったのだが、音楽部の部長が大事な会議に出なかったことの責任を部の全体で取ることになり、その禊として教師側から提案されたイベントが「全校集会でのリコーダー合奏」だったことは未だに強烈に心に残っている。思春期の軽音楽部員たちがこぞってリコーダーの練習をさせられているのに嫌気が差して速攻で音楽部は辞めたのだが、高校一年生の段階で大人はこんな風に嫌がらせをしてくるんだと学べたことは非常に有意義であった。

 当時の担任は二浪・二留で東京理科大学の数学科を卒業しており、卒業後はしばらくパチプロとして生計を立てていたのだが、なんか働かなきゃなと思って教師になったという男であり(以下、仮にN先生と呼称する)、彼もまたなかなかの曲者で、今回「チャレンジスクールの闇というブログを書こうかな」とツイッターで発言したところ、当時のクラスメイトから「N先生は生徒に手を出したらしい」という情報が送られてきたりして、私も「確かに手を出してそうだったな」と思うなどの出来事があった。

 N先生にまつわる個人的な思い出としては、高校1年生の時の文化祭で、クラスの出し物でお化け屋敷を作ることになったのだが、リーダーシップを持っている者もやる気のある者も皆無なため作業が全然進まず、職員室にいるN先生に助けを求めに行ったらiPhoneでゲームしていたという出来事があったりもした。結局お化け屋敷は文化祭1日目の昼頃になってようやく完成した。今思えば、大人に対する不信感はあの高校で培われたものなのかもしれない。

 とはいえまあまあ楽しい思い出もあり、また中学に行けていかなかったというだけでそれなりに面白い同級生も多くて、当時のクラスメイトの中にはクリエイティブな仕事に就いて活躍し、リツイートで近影を見かける者もいる。しかしクラスメイトの大半が現在行方不明なのもまた事実であるが……。

 チャレンジスクールに入学してくる生徒には2タイプいて、単純にヤンキーで中学に行っていなかった生徒と、オタクや発達障害をこじらせて中学に行っていなかった生徒がおり、前者のほうが比較的早く学校には適応していることが興味深かった。

 私にとっては楽しい思い出の大半が「授業」だったので、いかに対人関係の記憶が薄かったのかが窺える。来年から私は大学の哲学科に進むことになっていて、その道を志したきっかけになったのが当時受けていた倫理の授業だった。もはや先生の名前も覚えていないのだが、楽しかったので倫理のレポートは毎回びっしり書いて提出し、年度末に返ってきたプリントには「これからも勉強を続けてくださいね」と書いてあって嬉しかったことを覚えている。逆に言うと嬉しかった思い出がそれくらいしかないのだが……。

 一度高校を中退してから私立の通信制高校編入したところ、チャレンジスクールで経験したようなバグった出来事はほとんど発生しなかったので、アレは多分チャレンジスクール特有の"磁場"だったのだろうと今になって思っている。

 皆不登校だったのでいじめ等は特に無かったのだが、クラスの結構かわいい女子が、放課後にファミレスで「クラス全員の悪口を出席番号1番から言っていく」というゲームをしているらしいという噂を聞いた時は面白すぎてゲラゲラ笑ってしまった。なんでだよ。

 そういうわけでチャレンジスクールは特におすすめもしませんがバグった人間がいっぱい観察できて面白いので勇気のある人は行ってみるといいと思います。おしまい。