苦手でした、二次元の女性向けジャンル。7年間ずーーーっと苦手でした。
誰も知りたくないだろうけど、わたしの同人遍歴書くね。 その昔、わたしがオタになった頃は、気象と伏せ字されるアイドルグループの人たちの全盛期とドンピシャでありました。 夢小説がバカみたいに流行りました。当然のなりゆきでハマりました。寝食を忘れて没頭しました。ランクの端から端までサイトを片っ端からひらき延々とパスコードを入力し続け似たよーな設定の大半は文章力の死んでいる夢小説を朝から晩まで読んでいました。まさに廃人。当然のなりゆきで書き始めました。当時ジャンルにいた夢小説書きが使っていたサーバーは大別するとフォレストページ(厨多し)かモバスペ(一番無難)かリゼ(よくわかんないけど結構いた)かナノ(そのころは広告が無かった)でした。広告嫌なのでナノにサイト作ってごりごり書いていました。何か知らないけどランカーになりました。 広告ヘイトが加速するあまり途中からトップページとinfoなどの変換機能不要なページだけは全く広告の無いsamehaに移転させて小説機能だけナノ使ってました。めんどくせーことするよな。よく頑張ってたよ。
夢小説書きのあいだに交流は特にありませんでした。そもそもナマモノだしナマモノでがりがり夢小説を書いてることへの罪悪感のようなものがあったのかはしりませんが夢書きは誰もSNSをやっていなかったと記憶しています。私もやりませんでした。サイトにかろうじて更新記録と一行日記みたいなのは載せていましたがあんまり中の人がでしゃばって現実に引き戻されてもなぁと思ったので。なのでテニスとかの二次元ジャンルでは夢書きもSNSをやると聞いて夢書きを辞めた3年後くらいにしぬほどカルチャーショック受けたのを覚えています。しかも「うちの夢主」みたいに固有の人格を作って夢主同士で交流させたりするらしいじゃないですか! うっそーん!(卒倒) 私のいたジャンルでそのような発展が全く起きなかった理由としてはそもそもナマモノであることの他に書き手がみんな「ジャニオタ」としての人格を別にちゃんと持っていたからであろうことが挙げられます。ジャニオタの中にも夢が平気な人もいれば夢完全ヘイトな人もいました。かといって夢が平気な人で固まるわけではなく皆ひた隠しにして生きていたのですね。でもひた隠しにしてさえいればジャニオタとして生きていけたのでそれでよかったのかもしれません。
そんな風にひたすらコソコソしていた夢書き時代を経てそのままスライドして類似ジャンルのBLに移動したのですが、夢小説界隈がコソコソという形容ならBL界隈は地下活動時代の共産党といった様相を呈していました。しかも全員せいぜい大学生以下だった夢小説ジャンルにくらべてBLジャンルは年齢層があがっているので世は2010年代だというのになんとまだPCサイトのサーチエンジンが生きていました。つーかばりばり現役でした、まじかよ! そう、そこはJ禁P禁N禁という名の鎖国だったのです。検索よけしないとジャンルの滅亡をもひきおこすという恐ろしい環境のなかひっそりとPCサイトを立ち上げ、鎖国状態のジャンルにおける唯一の発展手段であったサーチエンジンからの来訪者にひっそりと小説を公開していました。 隠密ジャンルにおける夢→BLという移動により地下活動をつづけてしまっていた私は外の世界の同人をしらないままオタとして数年を過ごしていました。BLジャンルではかろうじてツイッターで交流している人たちがいましたが全員鍵付きでフォロー/フォロワーがそれぞれ多くても2桁中盤くらいしかいないという超村社会状態でした。プロフィールには数字とアルファベットが書き連ねられさながら戦時下の暗号化していました。そんな超村社会で少人数相手にふわっと萌え語りをする日々でした。なんか息苦しかったです。でも背に腹はかえられないのでひたすらそうしてました。 ジャニオタをやめるのと同時にすっぱりアカウントもサイトも消しました。結局本当だったのは「ジャニオタとしての自分」のほうなので最後まで素性を明かすことができずにそれっきりでした。
さて、そのあいだも深夜アニメは延々とみていたので量産されていた女性向けジャンルにはまる機会はいくらでもあったはずなのですが、なんと残念なことに全くはまれませんでした。記憶にある中では、ヘタリア、イナイレ、うたプリ、青エク、タイバニ、黒バスなどの数多のコンテンツたちが世の女性オタを狂喜させていたような気がするのですが、悲しいことに、全く琴線にふれることがないままに月日が経っていたのです。その間私は何をしていたかというと、ずーーーっと萌えアニメを見ていました。 涼宮ハルヒの消失劇場版制作に騒ぎ、涼宮ハルヒの驚愕発売に騒ぎ、けいおん!に騒ぎ、生産され続けるエロゲ原作アニメを真面目に鑑賞し、まどマギの展開に衝撃を受け、生産され続けるラノベ原作アニメを真面目に鑑賞し、東方同人を読んで、俺妹の原作が桐乃ENDで終わったことに発狂し(黒猫派だった)、ついでに女性声優オタにもちょっとズレて、探偵オペラミルキィホームズを観たりゆるゆりを観たりA&Gを聴いたりしていたら、なんと気づけば、女性向けジャンルの流行が3周くらいしていたのです。まじかよ。
ヘタリアの話題に取り残され、イナイレの話題に取り残され、取り残されてる間に違いの全くわからないイナイレの新シリーズが始まり、今日もやられやくが分裂騒動を起こしてやらおん!になり、うたプリは1話を見て沢城みゆきの演技に「こんなんありかよ」とドン引きして切り、タイバニはおっさんが主人公なのに2クールは長すぎるから見続けるのはキツイという理由で切りました。 しかしそれ以上に私にとって女性向けジャンルがキツかったのは、男性声優が苦手だったことでした。ポストなのはという下馬評だったのでDOG DAYSを見始めたら主人公が宮野真守だったのでこんなんありかよーー!!!と叫びながら録画を消しました(実は未だにあの鼻声がムリ)。大変失礼なのを承知で書きますが萌えアニメの主人公1人をなんとか許すだけで精一杯なのに男性声優が死ぬほど出てくるアニメを視聴するという行為は私にとって非常に困難なものがありました。 許せたのはロウきゅーぶ!の梶裕貴とCLANNADの中村悠一ぐらいでした。リトルバスターズ!の理樹がキャスティング変更されたときは心臓が止まるかと思いましたが、変更後が堀江由衣だったのでなんとか今まで心臓が止まらずに生きているといっても過言ではありません。
正直男性の登場するアニメで萌えるとかまじで無理という状態だったので、代わりに何で萌えていたかというと、ストライクウィッチーズで延々と萌えていました。 これは私にとって実質3つ目のジャンルでした。はまったのはアニメ2期を観てからでしたが、心優しく穏やかな百合おじさんたちがアニメ1期放映から根強く定着しており、もはや彼らの出す本や書く萌えには安心感さえありました。私は心優しい百合おじさんたちに囲まれすくすくと育ちました(??)。百合厨として。エイラーニャは文学だし、エーゲルは萌えにおいて万能やん、まじで!? 501に飽きたら他部隊にいけばいいという無限の供給の中で、しばらくはぼーーーっとスト魔女オタとしての人生を送っていました。 劇場版でハイデマリーさんが出てきたときは本当にうれしかったです。501st JFW.OAを真面目に聴き、生まれて初めて読んだ百合小説であるスオムスいらん子中隊にショックを受け、と同時に感動を覚えました。私は永遠にビューリング中尉にリアコです!!!! 中尉、付き合って!!!! ノボル先生が亡くなったときには、悲しくて泣きました。つらいです。
しかし、そんなスト魔女ジャンルの平和も長くは続かず、ガールズ&パンツァーという激ヤバコンテンツの登場と、艦これという激ヤバコンテンツの登場によって、TLにいる百合おじさんとミリタリーおじさんたちは最早みなガルパンと艦これの話しかしなくなってしまいました。 私は普通につらかったです。ガルパンも艦これも、普通に好きだけど、やっぱりどのジャンルに行っても、流行には逆らえないんだなということをいたく思い知らされた。自分の中で艦これを素直に受け入れるのには時間がかかり、サービス開始時点から存在は知っていたものの、心に整理をつけてプレイを開始するまでに半年以上の月日を費やしてしまいました。スト魔女も艦これも似たよーなもんだろというご意見が飛んできそうですが、いまだに自分の中で艦これにスト魔女ほどの熱意でのめり込むことはできません。こんなことを言うと怒られてしまいそうですが、艦これは自分の中で作業ゲーの域を脱していません。しょせんキャラ萌えで成り立ってるゲームだから物語性に乏しいだろ、と思ってしまうのです。 まあ、今となっては、ブレイブウィッチーズすら見てないジャンル外の人間ですし、こだわりの無いことなんですけど…。
その後、俳優オタになりました。
特撮にはまりました。
あろうことか、ナマモノに逆戻りです。ちーん。しかも治安がJ禁より悪かったです。年齢層がさらに上がり、主婦の人とかもジャンルに出現してきます。しかも狭いから同人者と俳優オタの境目が曖昧だし(私はきっちり両者のアカを分けてたけどそれをごっちゃにするバカがいるせいですべてが無に帰していた)、地獄かよここはってずっと思ってました。おまけに毎年毎年特撮作品だけをずーーっとスライドしてきているであろう最早なんでもいいんじゃないか的な人とか同人者兼コスプレイヤーとか出現してきて時はまさしく戦国時代。地獄だったのでさっさと抜けようと思いほとぼりが冷めたら支部もツイも消してドロンしました、薄情なやーつー。あ、ちな本命でやってたCPは推し関係ないんで、推しはそういう目でみてないっす、悪しからず! それに加えて俳優オタで東映特撮の暗黒面を知りすぎてしまったのでもう二度と特撮は見ないと決めて2017年に至ります。
さて、気づけばオタになってから7年が経過していました。
とくに俳優オタになってからの3年間はアニメ断ちをしていたので、最近ひきこもりに逆戻りして、またアニメを見ようと思ったら、3年間のブランクによる激しい浦島太郎に襲われ盛大に困惑してしまいました。 まず、声優が、わからねえ。ハナヤマタみて、主人公は声的に花澤香菜だろ!って思ったのに、全然違うでやんのーーー!! 5年前なら多分花澤香菜だったのにーーー!!もうあの時代は終わったんだ…。
でも萌えアニメの芯みたいなものは、ブランクを経ても特にかわっておらず、やっぱ萌えコンテンツの構造って単純だよな~!とかいいながら延々と日常系アニメをみていたのですが、それでもやっぱり、時を経ても、女性向けアニメに対する苦手意識は抜けませんでした。 思えば、二次元の男子キャラに対して、萌えとかを感じたこと、無い人生だった…。可愛いともかっこいいとも思ったことなかった。何も、胸がときめかなかった。 なんか欠落してるんだろうな―と、ずっとずっと思っていた。才能がないんだとも思っていた。
そんなとき、刀剣乱舞にあっさりはまった。
まじかよ、と思った。あんなにどーでもいいものだと思っていた、女性向けジャンルに身を投じる日がくるとは思わなかった。びっくりした。多分、長い(俳優厨としての)修行生活でどっか変になったんだと思う。
何か、よかったわ!!自分が人間的に歪みきっているから、メジャーな女性向けを受け入れることができないのかとずっと思ってた。コンテンツ制作側の提示する「美少年」像を死ぬまで受け入れることができずに火葬場で焼かれるのかと思ってた。安心しました。
刀剣乱舞に関しては、キャラのことを嫌だとも気持ち悪いとも思わない。それはなんでだろう?うーん、人じゃないからかな…。「人の器に心が与えられた存在」だから、ワンクッション置いてキャラと接せてるのかもしれないです。みんなかわいいよ。みんなかわいい。三日月おじいちゃんも鶴丸さんも薬研ぴょんも鯰尾きゅんも骨喰きゅんも獅子王くんも安定たそもかしゅ~もみんなかわいい!! みんなかわいくてかっこいいよ、生きてるの偉い、この世に存在してるの偉いよ!!! ちな、ミュにもステにも深入りする気はないんで安心してください…。
苦節7年、やっと普通の、そのへんにごろごろいる、どーでもいい、流行ジャンルに寄生する頭の悪いおたくになることができました。 うれしいです。 私はすごく、うれしいです。だって今まで、なりたくてもムリだったから。
でさあ、流行ジャンルの同人って、漁っても漁っても終わんないんだね、まじ困る!?!?!?無限に書き手が出現するんだけど、どうした!?ていうか、「大手」がSNSに存在するジャンルって地味に初めてなので大手解釈が同人界での公式解釈になるって聞いて怯えてるんですけど、まじですか?そんな外道なことが通用するの?そんなんありかよ…。 あと流行ジャンルのオタ女って、噂には聞いてたけどやっぱり学級会しがちなんだね!?すぐ学級会するのやめーや!自分の好きなようにやったらええんとちゃいますの…。どんな解釈しようと勝手でしょ(協調性がない)
でも、実は私は、やっぱり昔と同じように、刀でも、同人において他者と積極的に交流することはないと思います。 延々とかべうちを続けて、飽きたら勝手にドロンすると思います。 それは大変自分勝手なのですが、昔、流行ジャンルにひっついて群れる女オタの人たちに、どうしても馴染めなかった過去があるからです。結局みんな、昔はヘタとか落乱とかにいたんでしょ!?私はそういう点で、みんなと同じコンテクストを持ってないから、いわゆる純粋培養のオタ女じゃないんだよ…。何でもかんでも萌えにしたり、尊い~とか言う、才能はないんだよ。 まあ、結局そういうところでずーーーっと劣等感をかんじつづけるんでしょうね、この先。いま流行ってるソシャゲも、なにひとつやってないしな。興味が持てないから。
ところで初めて二次の女性向けジャンルに入ったから地味にショックなんだけど、なんでオタ女の人たちってオタ垢で延々と日常ツイートをするの? 垢分けという概念がないのか、そうか!!! その報告はリア垢でやれよ~みたいなツイート多いけど、垢分けという概念がないんだな!!衝撃!!そしてオタ女の人たちって何で人名を名乗らずに食べ物の名前を名乗るの?誰が誰だかわかんねえ……!!人名名乗ろうよ!!
まあ、とりあえず趣味見つかってうれしいです。てな話でした。おしまい