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I READ THE NEWS TODAY, OH BOY

舞台、俳優DD、サブカルかぶれ等

精神病棟とはいったいどのようなところなのか

 暇な時によくジャニオタの集まる掲示板を見る。書き込みはしない。この前、「初めて精神科に行くんだけど怖い」みたいなスレッドが立っており、そのスレッドにはそれなりに心療内科を経験しているらしき人たちの親切なアドバイスがつらつらと羅列されていた。

 たしかに精神科というのはわけのわからない、漠然としたイメージでいえば恐怖とか悲鳴とか奇声とかそういうのに支配されていそうな感じを一般人に与えている。私が初めて受診をしたのは13歳のときだったので、そんな偏見も生じる前ではあったのだが、大きくなるにつれて、世の中の偏見はメンヘラに対して多少ソフトになりつつはあるものの(「病みかわいい」グッズがヴィレッジヴァンガードで売られている時代である)、精神科、および精神病院については、偏見、というよりも、得体のしれない、ヤバそうなところという見方が多くを支配しているような気がしている。

 

①精神科と心療内科、およびメンタルクリニックはどのように違うのか

 これはわたしに対して、数人の精神科受診を検討している友人からなされた質問だった。このブログを読んでいる人にも、これらの違いについて迷い、悩んでいる人がいるかもしれないので、私見ではあるものの記載する。

 心療内科というところは、ごく一般的なことを言ってしまえば、比較的軽症、精神的苦悩に起因する体調不良、息切れやめまいなど、そういう悩みをかかえる人たちがまず初めに行くところである、という意見がメンヘラの間には多い。

 「メンタルクリニック」という語は、比較的小規模な精神科や心療内科のきれいな言い方でしかないので、あまり気にする必要はない。

 これはまったくの私見、および経験上のものなので、一般的にそうとは言い切れないが、たとえば小規模な心療内科など(それこそ、いわゆるメンクリってやつ)に行き、精神の抑鬱状態について相談すると、不眠や躁鬱などの症状にあわせて軽い投薬がなされ、それからカウンセリングを勧められることも多い。カウンセリングには保険外カウンセリングと、保険の適用されるカウンセリングの二種類が存在するが、心療内科で勧められるのは前者の保険外カウンセリングであることが多い。なぜなら儲かるからである。相場としては、30分5000円、1時間1万円とか、差はあるもののそういう感じの価格を提示される。これは非常に高い。

 カウンセリングの意義を感じるかは、人による。誰かに話を聞いてほしくてほしくてしょうがないというのであれば、カウンセリングを受けても良いと思う。ただ、誰かに話して悩みが解決する、と信じられないのであれば、たぶんそのカウンセリングにあまり意味はない。なので、高額を支払ってまで保険外カウンセリングを受ける必要はないかもしれない。

 

 精神科は、有り体に言ってしまえば、心療内科よりはハードな患者の集まるところである。幻聴が聞こえる、幻覚が見える、仕事ができないほどに抑鬱に陥っている、とにかく死にたい、などであれば、私は正直言って、心療内科でワンクッションを置くことをせずにいきなり精神科に行ってもいいと思う。しかし、いきなり精神科に行くという行為は非常に勇気がいる。

 事実、精神科の待合室はハードな感じの患者であふれていることがままある。叫んでいる人とか、発狂している人とか、今にも死にそうな人とかがごろごろしている。(もちろん、客観的に。わたしも死にそうに見えているかもしれない)

 しかし、精神科の医師は心療内科の医師に比較して、ハードな患者を日々、および長年取り扱っているので、慣れがある。心療内科の医師に比較して、自立支援法についての提案(行政への診断書の提出と所定の手続きにより、医療費が1割負担になる)や、入院病棟やデイケア設備への適切な紹介をさらりと行う。その慣れを心強いと思うか、ドライかと思うかは、人によるのではないだろうか。また、院内に臨床心理士をかかえているような病院であれば、保険適用でのカウンセリングを受けることができる。これは60分程度で3割負担の場合1400円くらいなので、非常に経済的だ。わりあい気軽に受けることが可能である。

 ちなみに、心療内科や、軽めのメンタルクリニックに通院していても、手に負えないと判断されると大病院への紹介状を書かれることもある。もしそうなったとしても、それは病状がそのクリニックのキャパシティを超えてしまったというだけのことであり、悲観する必要は特に無い。

 

 大病院がいいのか、小さな病院がいいのかという、メンヘラ初心者にありがちな悩みであるが、正直どっちでもいいと思う。ただし、予約制度のない大病院の場合は時期やタイミングによっては死ぬほど待つことになってしまう。これはつらい。なので、極力予約制度のある病院にかかったほうが良い。

 

②精神科はどのような雰囲気なのか

 小さなクリニックは、なんかすごいアットホームな感じだったりする。待合室にぬいぐるみが置いてあったり、オルゴールでジブリのBGMが流れていたりする。おそらく患者の癒し効果を狙っているのだと思われる。

 大学病院や総合病院の精神科は、よほど古い体質のところでなければ精神科の待合所も他の科とボーダレスになっていたりするので、いたって普通。

 雰囲気の面でいえば、精神科単科の、病棟があるような比較的規模の大きい病院は一番険しいと思われる。(最近はどこも綺麗だけれど…)ただ、険しいといっても、なんとなく患者のメンツが険しいというだけなので、診察室も廊下もトイレも売店もいたって普通。壁に統合失調症の注射投薬のポスターがべたべた貼ってあったりするくらいで。

 

③定期通院、および入院するとどうなるのか

 中学生の頃、精神科デイケアに一年間いた。フリースクールの療養版みたいなところで、平日は毎日朝の10時に病棟に「登院」し、午後3時くらいになると解散する。一般的なフリースクールのように(と、言ったけどわたしはフリースクールに通ったことはない。話を聞いたことがあるだけだ)、英語の授業や談話会、レジャー、調理体験などが日々行われる。定期的に医師や看護師との面談が行われ、同世代の他者との交流を通して社会性を養うというのがデイケアの目的だ。

 決められたプログラム以外には、編み物をしたり、読書をしたり、どうでもいい話をしたりして過ごす。当然ながら、いるのは全員メンヘラなので、薬の話とかセックスの話とか看護師の悪口とかそういうどうでもいい話もする。メンヘラは、たいがいみんな友達になるが、病院の規則でいちおう連絡先の交換は禁止されていたりもする。(でもみんなしてるけどね普通に)寛解したメンヘラは去っていくが、ときどき戻ってくるメンヘラもいる。いつの間にか死んでいるメンヘラもいる。進級や卒業の存在しない学校のようなもの、と、捉えていた。

 デイケアにいる人たちは、大きく分けて二つに分類することができる。入院病棟と定期通院を往復している人たちと、定期通院しかしていない人たち。

 精神科の入院病棟に行くことは、一般の人たちが想像しているほど難しくはない。自殺企図の含まれるオーバードーズをして救急で運ばれたり、死にたいことをものすごくアピールしたり、過度のリストカットによる過度の貧血、またはひどい過食か拒食をすればわりあい簡単に入院することができる。また、入院生活は一般の人たちが想像しているほどつまらないものでもない。同部屋の人との相性が悪いと嫌な気分になるのは事実だが、現実世界と切り離された病棟という世界の中での「嫌な気分」は比較的ちっぽけに感じられる、であろう。 長いあいだ入院していると、二週間ローテーションのつまらない食事に嫌気がさす、とは聞く。それから病状や病院によっては携帯電話が使えない。(ティッシュボックスの底に入れて持ち込む、というテクニックを披露してくれたKくんは元気にしているだろうか)

 入院病棟と定期通院を往復している人たちには、謎の連帯感があり、皆「入院あるある」でしょっちゅう盛り上がっていたりする。 お風呂に毎日入れないのは、人によっては無理かもしれない。常に空調のきいた空間にいるとはいえ、夏でもたしか隔日だった。

 

④処方薬について

 時代の流れなのかはよくわからないが、最近は多剤処方をする医師は少ない、らしい。少ない量を適切に摂取していれば、たいがいの症状は快方に向かう。でなければ精神科病棟はパンクしてしまうし、現に日本の精神科の数は減少傾向にある、らしい。

 精神科で処方される薬を大別する。

 ー抗不安剤(いわゆるマイナートランキライザーデパスソラナックスレキソタンなど)

 ー抗精神病薬(いわゆるメジャートランキライザー)これは分類がめんどくさい。三環系、四環系、SDA、SSRISNRIとかいろいろある。

 ー眠剤

  ー非ベンゾジアゼピン系(マイスリーアモバン、ルネスタ

  ーベンゾジアゼピン系(作用時間によってさらに細分化されている。レンドルミンハルシオンロヒプノールなど)

  ーバルビツール酸系(強力なので昨今は殆ど新規処方されない。ベゲタミンA/B、ラボナイソミタール

 

⑤この記事を真面目に読んでくださったような、メンヘラの人、およびメンヘラかもしれない人は、たぶんこの記事を真面目に読んでくださっている時点で、おそらく精神病理的には安定しているのではないかと思うので、もし診察を望むのであれば、重症になる前に、まあ遊びに行くかくらいの気持ちで初診に行ってみることをお勧めします。

 初診では、生育歴を聞かれたり家族構成を聞かれたり謎の心理テストをやらされたりと、非常に面倒ですが、病名の確定診断にはたぶん必要っぽいので、がんばって受けてください。それではみなさん、よきメンヘライフを~。