まえがき
先日公開したこちらの記事が好評で、私としてはすごく嬉しいです。読んでいただいた方、ありがとうございます。未読の方も是非読んでみてください。
さてそもそもこの対談の背景には「それ以前に行われていた私への個人インタビュー」があったのですが、その原稿を友人のめぐみ氏よりいただくことができたので、こちらにて編集し公開させて頂こうと思います。
対談は11月上旬に行われ、ちょうどその1週間ほど前に行われた横浜流星くんのカレンダーイベントにて私の働いた暴挙から話は始まっています。
登場人物
めぐみ:凡庸なジャニオタ。卒論のテーマを「暴走するアイドルファン」に設定し、暴走している人たちに話を聞きまくっている。
めりい:アイドルファンではないが俳優ファン。横浜流星くんのことを2年半応援している。
まとめ出しという都市伝説
めぐみ:15分も一体何を話すんですか?*1(めりいさんは普段から)出待ちとかで喋ってるわけじゃないですか。
めりい:そうなんですよ。話すことないんですよ、実際。
めぐみ:自担と15分話す時間を与えられたところで……15分も何話したらいいのか。
めりい:話すことなくなるだろうなっていうのは考えてて、だから『去年からの1年間を振り返ってみようコーナー!いぇ〜い!』って(笑)。ノリが完全に有害のそれですけど。まあでも、普通に、去年の握手会から今年の握手会までの1年の仕事を振り返って「あのときはああだったね…」とか、「あのときはゴメンね…」とか。
高畑裕太が逮捕された日ってそういえば私、大変だったんですよね。逮捕報道がイベントの真っ最中で、高畑裕太と共演してるから映画はどうなるかわからないし、もう客席でパニック起こして、そしたら案の定横浜くんの顔も途中から死んでて(笑)。それを「あの日もさー、なんか色々あったじゃん?」みたいに言ったら「まあまあ、まあねー……(笑)」とか言ってたんで。彼の中でもそういう風に落ち着けたんだーってちょっと安心はしました。
めぐみ:楽しそうでよかったです。なんかアレですよね。「めりいさんのこと好きですか?」っていうのは。
めりい:あー、あれは身内が悪い。あれはなんか身内が勝手に、勝手にっていうか、イベントを渋谷のTSUTAYAでやってて。ど真ん中じゃないですか渋谷のTSUTAYAって。で、友達がたまたまそのときに渋谷でお茶してて、その友達が来てくれることになったんですね。それで握手券を渡してあげて友達と横浜くんが握手してるところを後ろから見てたら、喋ってるとき私のことしか見てないんですよ。
めぐみ:あはは(笑)。
めりい:友達曰く「めりいさんの友達です」って言った瞬間私のことを見るらしいんで、もし目の前のオタクが普通の自分のファンだったらどうするんだよ!!それお金払ってんだぞ!!ちゃんと目の前のオタクを見ろ!!って(笑)。
で、身内が質問したのが「めりいさんのこと好きですか?」って。いや好きですかもなにも一回振られてる*2んだけど。
めぐみ:あっはっは。
めりい:そしたらその質問に「好きです」って言うから……じゃあ付き合ってよ!って(笑)。
めぐみ:1ヶ月くらい…ですよね。
めりい:ちょっとでいいから付き合って!っていうアレが。まあまあまあ…。そういう「好き」とこういう「好き」は違うから、*3こういう「好き」であってくれるだけでも私は嬉しいなって。カレイべを通して、私の運命は横浜くんの方にしか向いてないんだなってところまで思い始めて。
めぐみ:いつまで続けるんですか?命が尽きるまでですか?
めりい:わかんないっすよ!(笑)でも、最初の1巡目で「今回何冊買ったでしょう?」って聞いたら「え、わかんない」って言われて、それに「200!」って言ったら「え、マジで!?」ってガチでビビられて。「でもさ、売り上げ作りたいじゃん〜」って言ったら「俺も気になる。何冊売れたか聞いてない」って言ってくれて。売り上げ要員なのかなあー自分はって思い始めてきて。
めぐみ:なんかホストみたいな。
めりい:エースですよエース。私エースって名乗っていいですか?横浜のエースって。
めぐみ:全然いいと思いますよ(笑)。なんでみんなホストの方に行かないのかなって。
めりい:ホストは際限ないんで。だって、ねえ?無理ですよもう。私もう風は無理なので。メンタル的にダメなんですよもう。キャバって喋ってるだけで最低限の賃金貰えるんで。今月後半もちょいちょい出勤して…いくらぐらいだろ?…後半が多分15万くらい。月30くらいですかね?でもやる気ないし。
めぐみ:いいっすねでも。めっちゃ働いてますね。
めりい:でも掛けが返せないので。(笑)VISAとMasterへの売り掛けが。一部分割にしましたもん。21万円分くらいをとりあえず3分割にして7万で、月々で支払いあるから月に……14〜5万くらいをこの先3ヶ月くらい払い続けるんで。
めぐみ:強い。
めりい:でもまあ、まあ、まあ、出勤すれば返せるんで。
めぐみ:強い。
めりい:だって流星くんが優しいんだもん(笑)。でも仕事が忙しすぎて最近全然追えてないんすよ。
めぐみ:仕事忙しいんすか?
めりい:忙しいっていうか……寝て起きて、キャバに出勤して、家に帰って、大槻ケンジのエッセイとか読んでニヤニヤしてたら寝て、起きて、起きたらもう夜で、病院も行けてないし脱毛も行けてないし歯医者さんも行ってない。横浜くんのせいで散々ですよ。*4
めぐみ:縛られますね、時間。
めりい:卒論インタビューなのにこんな適当に話していいんですか?
めぐみ:大丈夫っすよ。文字起こしの時になんとかするんで。
めりい:「ジャンル:頭がイカれてるやつ」みたいな感じで取り上げてくれれば(笑)。私はメンタル的にいろいろあって、ファンやめたいとまで思い詰めたけどそれでも本人に理解をなんとか得てまだリアコっていうのがあって。その状況でこうした接触イベントっていうのはすごいなんか……、もわんとしたなんか、「どうしよう」っていうのがあって。エキストラとかでちょいちょい会ってはいたんですけど、向こうがドラマで忙しくてその間に私が突っ込んでいく感じだったので、そんなに私の存在は強くないんですよ。だから久々にちゃんと喋ったんだけど。う〜ん……でもやっぱ喋ってみるとしょうもない話しかしてないんすよね。俳優としょうもない話をすることが生き甲斐っていうか。
めぐみ:うんうん。カレンダーを200冊買うにあたって、その200って決めた理由っていうのは?
めりい:単純に自分の持てる最大限のパワーがそれだったのと、去年100だったので今年は200にしようかなっていうそれぐらいの気持ちです。
めぐみ:別に同厨にマウンティングとかって……。
めりい:あ、マウンティングありますよ。マウンティングしかないですよ。
めぐみ:ありますよね。
めりい:ゴリラだよ、ゴリラ。あははは(笑)。
めぐみ:あはははは(笑)。
めりい:完全にゴリラだよ。
めぐみ:そう答えてくれる人で良かった……。こういうこと普段は相手に聞いていいのかって思っちゃうから。
めりい:マウンティングがないわけないですよ。
めぐみ:独占欲とかそういう感じですか?
めりい:独占欲ありまくりですよ。だってリアコだから。あはは(笑)。
めぐみ:あはは(笑)。同厨の方で次点の方って何冊くらいなんですか?
めりい:50冊行かないくらいだと思う……。その人鍵開けからいて、ずっと一緒にいて、最後私が148冊残してるときに脱落してたんでその人は多分50冊弱くらい?でも50冊買っても鍵閉められないっていうのもなかなか悲しい現場ですけどね。
めぐみ:14万は使ってるってことですよね。
めりい:14万使っても鍵閉められない。
めぐみ:やばい。
めりい:横浜は闇が深い。
めぐみ:やばい。
めりい:その方は私とはちょっと違って、主婦っていうか……お子さんがいらっしゃって、息子さんが見てたトッキュウジャーきっかけでファンになって、で、来られるときだけ現場に来てるみたいな方。普段はドラッグストアで仕事してるっていうすごい普通な人です。
めぐみ:それでも15万稼げるんですね。
めりい:その方は地方で滋賀なんで。来られる機会が少ない分、たぶん来られたときにばーって(お金を使う)。
めぐみ:恐ろしい。
めりい:その次くらいの人も、多分30冊くらいは買ってたんで・・・まあ10万使っても鍵は閉めれない。
めぐみ:恐ろしい現場だ。
めりい:恐ろしいっすね、横浜の現場は。なんかもう私という存在が色々邪魔してる気がするんですよ。私モンスターなんですよ。モンスターじゃないですか!?
めぐみ:わかります。私卒論のテーマで暴走するファンについて調べているので、ピッタリです。
めりい:ファンは暴徒になっていく。私なんか暴徒ですよ完全に。エキストラの現場に押しかけるし、あとなんだろ。カレンダー、タレコミ*5で「大量に買いすぎ」って叩かれて。
めぐみ:タレコミで!?アハハハハ。
めりい:こういうこと許すからめりいが調子に乗る、みたいな叩かれ方をされて。横浜本人も対応しないで!みたいな。まあそういう叩かれ方ってそれはそれで気分がいいんで。悪いものじゃない(笑)。
めぐみ:ファンを続けていく中で、楽しいと辛いがあると思うんですけど、その割合を聞いてもいいですか?
めりい:楽しい1:9つらい(即答)。
めぐみ:マジすか!?
めりい:あはははは(笑)。え、予想通りですか?
めぐみ:色んなオタクに聞いてるんですけど……。最初は普通に楽しんでファンをやってる人が多いんですけど、だんだん辛いの割合が高くなってきますね。
めりい:本当、1の麻薬のために頑張って働いてるようなものですよ。1の楽しいのためにずっと働き蟻のように毎日毎日出勤して。「すみません!お隣失礼しまぁ〜す♪」とか言って。全然楽しくもないし、酔っ払いみんな死ねとか思ってて。でもまあ……それでもその1の楽しいがマジありえんくらいくるんですよ。
めぐみ:わかります。
めりい:瞬間の快楽がどーーーって来るんですよ。だから「ドラッグじゃ足りない真面目な魔法さ」*6。なんで、そんな感じっすね。
めぐみ:私も現場に対して働く気力がなくて。次の現場がドーム公演なんですよ。近くないじゃないですか。
めりい:ドームやるんですか?いつの間にそんな。
めぐみ:キャパシティが広がると自担に接近する確率が少なくなるわけですけど、私、自担以外興味ないんですよね。
めりい:Xちゃんが目の前にAくんいるのに携帯いじってるっていうのと同じですね。その話が私の中でインパクト強すぎて。
めぐみ:距離が遠くなると……しかも2時間30分。
めりい:2時間30分の間で自担が目の前に来るのって分単位の話じゃないですか。
めぐみ:分どころか秒かもしれないじゃないですか。どこ入ったらいいかわかんないし。やだなーって。
好きになった人が俳優だった
めぐみ:横浜くんって舞台挨拶の相場はいくらくらいなんですか?
めりい:この前やってた「全員、片想い」っていう映画の舞台挨拶は……結構若手俳優が集まってたんですけど、トータル3〜4(万円)とかで4公演前の方入れました。自チケけっこう捌いたんで、トータル収支だと+2(万円)ですかね。
めぐみ:うちのとこ、当日まで席がわからない試写会で、市場に出回った額がハガキ1枚で2人入れるものが17万とかで。
めりい:えーもうジャニーズとの共演やだ〜。
めぐみ:相場に関しては自担のせいだと思いますよ。最終的にどんどんお金を持っているオタクが脱落していったおかげで最終的に直前に1人48000円まで落ち着いてはいたんですけど。1〜2週目までは1人8万が相場で。席もわかんないしっていう状態で8万はきついなって思いました。コスパ悪いなって。
めりい:だって舞台挨拶ってせいぜい15分とかでしょ?
めぐみ:しかも自担って対応しないんで。
めりい:横浜くんはファンサはしてくれるんで。それはありがたいっていうか。でもハシゴ系舞台挨拶の醍醐味って、舞台挨拶本編よりも追っかけにあると思うんですよ(笑)。私の時は、丸の内TOEIって東映の本社の下に映画館があるんですよ。で、東映の本社しか出入り口がないんですよ。有楽町のど真ん中にあるので裏口とかがなくて、大公開で大パニックなんで(笑)。
めぐみ:ところで、めりいさんって同担と連番することについて……どうですか?
めりい:わたしは連番できます!理由は、連番する推し被りが認知されてたり対応されてたりしたら単純に面白いし、認知が2人並んでる時点でウケるじゃないですか。もし連番相手が認知されてなかったら、レスされたときにマウンティングができる(笑)。
めぐみ:マウンティング(笑)。その視点の回答が得られて嬉しいです。絶対王者からの回答を得られてしまった……。
町厨とオリキとヤラカシ
めぐみ:「二宮降り」ってなんか厄介ですね。
めりい:二宮くんは害悪生産機だと思いますよ(笑)。あの捻くれたところとかが、どことなく。
めぐみ:めりいさんは嵐のときからそういうオタクだったんですか?
めりい:いや、全然。ただ多分、そう思われてたのは周りにすごいヤラカシが多かったからで。櫻井くんのヤラカシとか二宮くんのヤラカシとかいて。
めぐみ:へー。
めりい:でも私、今若手俳優の町厨*7じゃないですか。ジャニオタってオリキとヤラカシの区別がはっきりしてるんですけど、俳優ってオリキもヤラカシも一緒なんですよ。公開町厨と非公開町厨があったとしても、例えば普通に町厨って駅までついて行ったりエレベーターついて乗ってみたり、コンビニも一緒に入るし、コンビニ入って何買ったのか聞くし、それで同じの食べて自己満足満たすし(笑)。でもジャニオタってそれはヤラカシじゃないですか。その反面、町厨はオリキとしての側面も持ち合わせてて、ちゃんと待つし、みたいな。ジャニーズは1対1じゃないんですよね。ファン対ジャニーズ。ゴジラみたいなこと言うけど(笑)。ファン対ジャニーズ。ファンっていう塊じゃないですか。でも俳優厨の出待ちって個人と個人でやってかなきゃいけないから、千差万別っていうか、色んな町厨の話聞くの面白いですよ。
めぐみ:同厨に対してどう思うかっていうのをいろんな方に聞いてるので、もし過去にトラブルとかあれば。
めりい:トラブル起こしまくりですけど(笑)。
めぐみ:揉めたことがあったら……。
めりい:私、高2でトッキュウジャー追ってたんですよ。
めぐみ:早い。
めりい:その時、同厨に「あいつはデリヘルやってる」って言われて。でも高2だからデリヘルできないじゃないですか。「あいつデリヘルやっててしかもおっぱいでかいんだよね」っていうのを聞いたその同厨の友達が、あまりにもその同厨が私のことを悪く言うから「めりいさん本当にデリヘルやってるんですか」ってDMしてきて(笑)。話の流れをその子に聞いて、ちょっと待って、ってなって。話の詳細を聞いて、それからずっとブロックされて逃げ続けられたんですけど、半年後くらいに……
めぐみ:デリヘルどうこうってそれ横浜くんのファンに言われたんですか?
めりい:そうです。私にぶっ込んで*8きたのは普通に一般人の友達だったんですけど。それから半年後に、(笑)半年後まで引きずってて(笑)劇場の前のコンビニに呼び出して。「お前さ〜。なんなの!?あたしデリヘルじゃないし」ってキレて(笑)。私、当時町厨じゃなくて、その同厨は出待ちしてるのを身内に言ってたんですよ、トッキュウジャーのときに新幹線の現場で動いてるって。「なんで?新幹線動いてるの?それストーカーじゃん!」って。まさか自分が数ヶ月後にストーカーになるとは知らずに(笑)。
めぐみ:あははははは(笑)。
めりい:「そういうのストーカーって言うんだよ!?本人に許可とってるの!?」って聞いたら「許可とってない……」って。「対応してくれんの?」って聞いたら「別にそんなことないです……」みたいな返事だったんで「じゃあなんでやってんの!?もう死ねよ!」とか言ってたらその子が「もう横浜くんにもう興味ないんで、もう降りるんで、もういいです……」って(笑)だから「あっそう」って。その子は本当に降りて、今は男子バレーの追っかけやってるらしいですよ。
あと、横浜くんで揉めたわけじゃないんですけど、私のことかなり嫌いだった同厨がいて、その同厨が降りたあとに実況者グループの降り先でリアスト化したらしくて。降り先の人から私になぜか連絡が来て(笑)。「○○さんと仲悪かったんですよね?何か知らないんですか?」って言われて。知らないんですか?って言われたからには教えなきゃと(笑)。私その子の住所とか実家のこととか全部知ってたんですよ。
めぐみ:あははは(笑)。
めりい:そしたらそれがたぬき*9に晒されて(笑)。あら大変。っていう。その子の個人情報も全部晒されてて、「実況者のオタクも大変だなあ」って。実況者ですよ、実況者。私はちなみに何がいいのかわかんなかった、ググったけど(笑)
めぐみ:一般人ですよね。
<後編につづく>