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#ベスト平成アルバム 選んだ

今週のお題「平成を振り返る」

 

 令和令和って騒ぎおって!うるせー!黙ってても時代なんて変わってくもんなんだよ!って思ってたんですが普通に平成という時間の区切りを音楽で振り返るのは楽しいので選びました(順不同)

 

1.後藤まりこ / 299792458(平成24年


299792458 - 後藤 まりこ (Gotou Mariko)

 

 26秒のオープニング「HARDCORE LIFE」に始まりロックナンバー「ままく」「あたしの衝動」、童謡風味な「ゆうびんやさん」などを収録。個人的な後藤まりこ先生の最高傑作。ピアノが印象的な「M@HφU☆少女。。」を聴くと2011年「魔法少女まどか☆マギカ」ブームを思い出して懐かしくなる。「299792458」で「後藤まりこ」と読むらしい。光の速さ。

 

2.BELLRING少女ハート / BEYOND(平成28年


BELLRING少女ハート - Hornet '98 (live @BABEL)

 全16曲収録。SE「ヴァント!」~サイケデリックロック「ホーネット'98」、上げ曲「憂鬱のグロリア」、minus(-)提供「The Victim」など……挙げていけばキリがないほど名曲揃い。フェス曲として有名になった「asthma」も入っているし多分これと「BEST BRGH」を聴けばだいたいベルハーが好きか嫌いかどうかわかると思う。個人的にはサビでメンヘラを連呼する「Cold Flavor」、餅つき風の振り付け「Manic Panic」、後藤まりこ提供「チャッピー」、ド暗くその後柳沢あやのソロプロジェクトCLOCK&BOTANにも引き継がれた「或いはドライブミュージック」が好きです。

 

3.大森靖子「絶対少女」(平成25年)


大森靖子『ミッドナイト清純異性交遊』Music Video

 当時凄い新世代のメンヘラSSWがいるぞ!みたいな感じで「絶対彼女」「ミッドナイト清純異性交遊」「君と映画」といったキラーチューンを引っ提げて彗星の如く現れたのが大森靖子。高校生ながらにすごい衝撃を受けた。「魔法が使えないなら死にたい(平成25年)」も好きなんだけどキャッチーさで言うと「絶対少女」に勝るものはないと思う。この後に大森靖子は「洗脳(平成26年)」でエイベックスからメジャーデビューして『躁』のモードに入った音楽をぶつけてくるんだけど、私はこの頃の鬱っぽい弾き語り路線が好き。 というのも巣鴨置き去り事件をモチーフにした「青い部屋」や、「展覧会の絵」など、誰にも真似できない領域の言葉の選び方の強さが凄すぎて、今でも時々聴き返しては鬱でサイコーだなと思うので(メジャーアルバムで一番好きなのは小金井SSW刺傷事件の犯人も愛聴していたことで微妙に話題になった暗めのやつ「TOKYO BLACK HOLE(平成28年)」です)。

 

4.・・・・・・・・・「」(平成30年)


・・・・・・・・・ -「」(Full Album HQ)

 目隠しノイズアイドルdotstokyoのファーストアルバム。My Bloody Valentineなどが好きなおじさんを狙い撃ちにしていたが今年解散(正確には「・ちゃん達が人の形を取らなくなる」)。全体的にフワフワしており、そして切なく、非常にわかりやすくエモく、シューゲイザー好きの心をあざといまでに狙ってくるので、卑怯だなと思う。個人的に好きなのは「きみにおちるよる」「サテライト」「1998-」。とにかく全体の楽曲レベルが高すぎるので、凄い。

 

5.Hauptharmonie「Herz über Kopf」(平成28年


Kidnapper Blues〜人攫いの憂鬱〜 MV / Hauptharmonie

 高校生がコンドームを咥えるリリイベをやったりして炎上していた地下アイドル(解散済)。その後も元メンバーがAVに出演したりととにかく炎上の印象があるがスカやポストロック風味が織り込まれた楽曲は文句なしにものすごく良い。個人的に好きなのは「LAST CHANCE(幸福の妨げ)」、異常にかっこいいOVERTURE「国王」。

 

6.EMPiRE「THE EMPiRE STRiKERS START!!」(平成30年)


EMPiRE / MAD LOVE [OFFiCiAL ViDEO]

 そういえば高校生の時はめちゃくちゃBiS聴いてた。BiS第1期がリアルタイムで炎上していたのを見ていた世代です。EMPiREの音が好みです。シンセサイザーの若干古臭い感じがどうしようもなくたまらない。刺さる。A面B面構成になっているのですらかっこいいと思ってしまうもんな。これじゃ渡辺淳之介の思うツボだよ。それでもB面1曲目の「EMPiRE is COMiNG」はかっこいい。カセットで売るのずるいよな。ストリングスの使い方とか90年代っぽいもん。凄いよね。

 「MAD LOVE」は歌詞がオタク女なのでオタク女好きそうだなって思います。イメソンにして同人誌書いてる人もういたら教えてください。買って読むので。

 

7.Yellow Magic Orchestra「TECHNODON」(平成5年)


YMO - Be A Superman

 バロウズの肉声サンプリング(「BE A SUPERMAN」「I TRE MERLI」)、ギブスンの朗読収録(「FLOATING AWAY」)といったYMOの強い人脈エピソード丸出し最強アルバム「TECHNODON」を外して日本の平成テクノ史を語ることはできないのではないでしょうか。 なんてったってみんな大好きYMOの再結成ですからね(一応平成)。

 当時のYMOオタはこんなのYMOじゃねえもっとわかりやすい曲出せみたいな声も多かったと聞きますが今聴くとものすごく尖ってて私は「BGM(昭和56年)」の次に好きです。「BE A SUPERMAN」は、起きるのもだるいし働くのもだるいしセックスもだるい、みたいな歌詞で1曲目から強すぎる。好きになっちゃうよ。東京ドームライブを収録した「TECHNODON LIVE(平成5年)」も必聴。

 

8.岡村靖幸「家庭教師」(平成2年)


岡村靖幸 家庭教師 どうなっちゃてんだよ

 この狂ったアルバムが平成2年って……。改めて昭和末期~平成初期ってどうなってたんだよと思いますね。音楽業界ヤバいんじゃないのか。

 1曲目から「週刊誌が俺について書いてることは全部嘘だぜ!」こと「どぉなっちゃってんだよ」で始まって、普通に最初聴いた人は困惑すると思う。「カルアミルク」は名曲なんですけど、その後すぐ「(E)na」だもんね。急なんだよね。ジェットコースター? しかも絶対シートベルトついてないもんね、このジェットコースター。ボソボソした声で冷静になるとキモくてやばい語りをする名曲「家庭教師」とか、その後に来るさわやかソング(岡村靖幸リスナー的には「さわやか」という判断になるんですけど正直なところ初めて聴く人はどう思うんだ!?)「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」とか、落差がすごい。気志團綾小路翔が「『家庭教師』がダメな人は岡村靖幸全部ダメで、好きな人は岡村靖幸全部好き」と何かで書いてたんですが、本当にその通りだと思う。すぐ語るし。たぶん数えきれないくらい通しで聴きましたが、基本的にこのアルバムの中で岡村ちゃんが言っていることというのは「なんか、まあ政治とか倫理とか大事っちゃ大事だし……青春なのでいろいろ葛藤あるんだけど、やっぱ俺は君とセックスしたい」ということに要約されるので(特に「祈りの季節」とか)、一生聴きたくない人は一生聴きたくないと思う。私は無限に聴いてしまうけど(好きなので)。

 最後に収録されている「ペンション」が凄くいい曲で。好きです。なんでこんなに悲しいのにキラキラしてる詞が書けるんだろうと胸が痛くなります。あと「ステップUP↑」で突然管楽器が乱入してくるのがあまりにも狂ってて大好きです。

 

9.Tommy february6Tommy february6」(平成14年)


Tommy february6 EVERYDAY AT THE BUS STOP2001 07 25

 「アンクルージュの店内で流れてる曲」「模範的オタク女の聴くキラキラ曲」としての地位を確固たるものにしたトミフェブ。アルバム「Tommy february6」が発売から15年以上経ってもアンクルージュの店内で流れてるの凄いと思う。本当にいつ行っても流れてるもんな。これは平成史として後世に残るべきだと思うので書いておきますけどアンクルージュトミフェブの楽曲は一蓮托生の関係。

 

10.矢野顕子「SUPER FOLK SONG」(平成4年)


矢野顕子 SUPER FOLK SONG

 これは小学生の時に初めて聴いて、中学の時もずっと聴いていたなーという記憶。ほとんどカバーの弾き語りアルバムなんだけど、矢野顕子のピアノの技量がとにかく凄くて、ピアノと歌声だけのシンプルすぎる構成なのに大人になって聴き返しても全く飽きない。こういう人を神と呼ぶのかなーとぼんやり思うし、「SUPER FOLK SONG」の歌詞は穏やかな駆け落ち。 「いざとなったら貯金箱壊していいわとジュリエット」とか、糸井重里のセンス凄いな……と子供ながらに思っていて、自分の萌えの原点にこういうのあるよな……と未だに思います。 ちなみに「SUPER FOLK SONG RETURNED」という続編曲が2017年(平成29年)に出てちゃんと完結した。泣いちゃった。良い話だった。

 

ギリ選外:

椎名林檎勝訴ストリップ」(平成12年):小学生の頃に初めて近所の中古CD屋で出会い購入して狂ったように毎日聴いており今思うと自分の中の鬱の原点だったが、自分が挙げなくても他に挙げている人がいっぱいいそうだなと思ったためベスト10には入れなくていいかなと思った。人生に与えた影響や世間に与えた影響という点では挙げている中で一番大きなものがあると思う。オタクの女は皆一度は聴いていると信じているので、教科書くらいのノリでこれと「無罪モラトリアム」「KSK」の話はしてしまう。

筋肉少女帯レティクル座妄想」(平成6年):この一枚もまたサブカルに与えた影響というのは凄いものがあったのではないだろうか。わからんけど。最近リマスタリング再発した。めちゃくちゃ鬱だし「レティクル座行超特急」「レティクル座の花園」の世界観には高校生ながら衝撃を受けた。根暗なので毎日これを聴きながら高校に通っていたけど相当精神が終わっていたんだと思う。

Pizzicato Five「さ・え・ら ジャポン」(平成13年)ピチカートファイヴの遺作。個人的に好きなのは「OVERDOSE」(平成6年)なんだけど、平成というくくりで語るときにはどう考えても「さ・え・ら ジャポン」の方が適切な気がする。松崎しげるYOU THE ROCK★横山剣雪村いづみなどの異様に豪華なゲストと「ポケモン言えるかな?」アレンジ版、他にも「君が代」やはっぴいえんど「愛飢を」カバーなど、「遺作」にふさわしい傑作。来年の正月は一生これ流しててほしい。

 

 こんな感じでしたー(終)