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舞台、俳優DD、サブカルかぶれ等

5年経ったから戦隊現場の思い出話するよ~

 突然ではあるが皆さんはスーパー戦隊の現場に通ったことがあるだろうか。あるよという人は懐かしいな〜という気持ちで読んで欲しいし無いよという人は出たよこいつの思い出話定期と思いながら読んでほしい。

 今から5年前、2014年の話である。私はテレビで偶然目撃したイケメンのあまりの顔の良さに心を奪われ寝ても覚めてもその若手俳優のことしか考えられない状態になり気が狂ったため、華のJKにしてその俳優の出演しているヒーローショーの追っかけへと進化した。その俳優は当時高校三年生(凄い)。戦隊番組に出演しており、いわゆるヒーロー的なやつだったのだ。その番組が「烈車戦隊トッキュウジャ―」。そしてその狂気の顔の良さを誇る若手俳優こそが後に深田恭子ラブロマンスして国民的人気俳優と呼ばれることになる横浜流星さんだったのだが当時はそんなこと知る由もなかったのでただ一人で黙々と気を狂わせていた。2014年から数えれば5年、トッキュウジャーが解散した2015年から数えればもう4年経つ。周りにも当時を知る人は少ない。ヒマなので当時の思い出話を書き残しておこうと思う。

 

 まず戦隊の現場とは何か。

 特撮系ヒーローショー現場の特殊性について説明する必要がある。(私は東映しか通ってきていないので円谷現場などのことは良く知らない。その道のプロに聞いてほしい)

 皆もご存知のニチアサ実写特撮番組、「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」。どちらにも新進気鋭のイケメン俳優が起用されていることを知る人も多いだろう。彼らの多くは大手事務所に所属しており、オーディションによって選出される。デビュー作やそれに近いような新人の場合もあれば、「テニミュ」などに出演していた元々それなりにオタクのいる中堅俳優である場合もある。あなたの推しもいつヒーローになるか解らない。

 少し話が逸れるがよく「推しが戦隊に出るかもしれません。/そんな気がします。/ブログなどの動向が怪しいです。どうすればいいでしょうか?」という質問を受ける。そんなこと私にきくな。と思うが私にできるアドバイスはこれくらいしかないので書いておく。

戦隊に出演するかもしれないと判断するためのヒント

①そもそも、事務所が研音トップコート、ワタナベ、スターダストといった過去に多く東映出演者を輩出しているところである。

②11月~12月前後にかけて引っ越し、髪型を変える、自転車を購入するといった生活上の変化が訪れている。

③12月頃~翌々年4月頃までの予定がほぼ白紙だ。

④やたら早起きをしている。(特撮番組の撮影は異常に朝が早い)

⑤写真でベンチコートを着用していたりストーブの前にいたりする。(そういうことが多い)

  「仮面ライダー」に推しが出演した場合でもさほど悩む必要はない。最近はどうなのか解らないが現場といえる現場は映画公開に付随する舞台挨拶と、番組終了後に開催されるショー、他東映関連イベントくらいしかない。

 問題は「スーパー戦隊」に推しが出てしまった場合である。これは大変なことになる。とにかく現場がむちゃくちゃ多いのだ。

plus14.hateblo.jp

 これは4年前のブログなので(4年前!)今でも参考になるとは言い難いかもしれないが当ブログの調査(数えただけだが)によると戦隊の現場は計228回ある。これは後述するが1日に6回ヒーローショーがあるといった尋常でない環境の賜物だ。

 未だにお題箱や知り合いづて等で「推しが戦隊に出ることになったんですがどうすればいいですか」と聞かれることがある。一代しか追わないのであれば全力でがんばれくらいしかアドバイスできることはない。

 しかし現場はまさしく魑魅魍魎だった。

 トッキュウジャーが放映されていた2014年当時、現在の状況からすると俄かに信じがたい話ではあるが、横浜流星くんというのは俳優オタクからは「誰それ?」的な扱いを受けていて、現場で数が多かったのは志尊淳くん(レッド)(トッキュウジャーはレッドとは言わないが……)のオタクだった。 伊勢大貴が主題歌を担当しておりファイナルライブツアーでは伊勢大貴と志尊淳が絡んでオタが奇声を上げるなどまだまだテニミュ2ndの残り香が濃くただよっていた時代であったのだ。

 戦隊の現場は1年間を大きく3つのブロックに分けることができる。

①7~8月 夏映画関連キャンペーン等

②10~12月 シアターGロッソ4期

③1~4月 シアターGロッソ5期/ファイナルライブツアー

 知らない人からすると何のこっちゃという感じだ。戦隊は知りうる限りマジで毎年毎年同じことをしていて現場の形態も未だにほとんど変わっていないらしいので注釈をいれずに書くが、まず毎年7月頃に「夏映画」と呼ばれる仮面ライダーと合同の映画が公開され、その舞台挨拶で全国を回る。これが①。そしてCMでお馴染みシアターGロッソで俳優たちも出演する「素顔の戦士公演」、通称「素面公演」とも呼ばれる特別公演が10月頃から始まる。シアターGロッソは狂っているので土日になると40分程度の公演を1日6回とか行う。どうかしていると思う。この制度のおかげで全通オタクは朝9時半から夕方5時半頃までシアターGロッソにほぼ缶詰状態になる。地下アイドルも真っ青。

 戦隊本編の撮影は毎年12月末~1月上旬にクランクアップする。クランクアップするや否やイベント漬けなのがスーパー戦隊のヤバいところだ。③……つまり1月から4月末までほぼ休みなく毎週末、Gロッソでの公演、そして全国規模(北は札幌から南は福岡まで)のヒーローショーツアーをこなす。2月に本編の放映が終了した後も全国ツアーは続き、4月末の全国ツアー千秋楽でキャストは「卒業セレモニー」を行い、当代の戦隊は正式に解散する。

 そんな感じで忙しいのでオタクもだんだん気が狂ってくる。

 自分で言うのも何だが戦隊オタクには強烈なエピソードを持つ者が多い。

 トッキュウジャーの1代前に「獣電戦隊キョウリュウジャー」という、物凄い大きなお友達人気を誇ったことでやや有名な戦隊がいたのだが、私はトッキュウジャーを追い始めた頃からキョウリュウを知るオタクに「キョウリュウのオタクは凄かったんだよ」「トッキュウは平和だね」と言われ続けて育ってきた。は?部活? そう、お気づきの方もいるかもしれないが、まさに戦隊現場とは部活のような文化を持った場所なのだ。1代ごとにレギュラーが入れ替わり、前の代や後の代と比べられ、決まった時期になったら引退する……。先輩に教えを請い、後輩に伝統(チケットの取り方)を繋いでいく。古き良き体育会系部活動みたいな謎の文化が未だに残っているのだ。

 よくよく冷静になって考えてみると子供向け番組の映画にもかかわらず舞台挨拶の前列をギャルが陣取ったりするのはヤバい以外の何物でもないのだが当時はしょうがないよなと思って受け入れていた。ヒーロー(の中の人)のTOがキャバ嬢みたいな凄い話まじでやめろ。夢がない。

 私も1代後の戦隊である「手裏剣戦隊ニンニンジャー」の青のオタクに散々ゴマをすられており、焼肉を無意味におごってもらったりしていた。見返りにいろいろ教えた。彼女は推しに靴のサイズを聞いたが全然教えてもらえなかったので、ヒーローショーで敵にやられて倒れている推しの靴の裏を双眼鏡で凝視してサイズを特定したという強者である。今ではお互いに全然違う界隈のオタクになって元気に過ごしている。

 では現場にはどんな人がいたのか。

 大きく分けると「俳優オタク」「特撮オタク」「子供先輩と親」にの3つに分類することができた。

 俳優オタクも、「戦隊で知って推しに出会った者」と、「もともと推しのオタクをしていて戦隊現場に通う羽目になってしまった者」に分けることができる。私は前者だった。戦隊現場しか知らんので戦隊現場のやばさを全然わかっていない女子高生という、「いきなり何も知らずに過酷な練習で有名な部活に入ってしまった」みたいな悲惨な感じになっていたが当時は気づいていなかった。

 トッキュウジャーに限った話をすると横浜流星オタには前者が多かった。 掘り下げるとキャラ背景まで解説しなければならなくなるので詳しいことは気になった人だけそれとなく検索してみてほしいが、1代前の「キョウリュウジャー」の緑に立風館ソウジというキャラがいて、横浜流星くんの演じていたヒカリとはイケメンクールキャラというそれとないキャラ被りを起こしていたため、立風館ソウジのオタクがそのまま流れてくるという怪奇現象が発生していた。

 そう、戦隊現場に特徴的なのは、「1代だけ追って現場を去る人」と「毎年推しを見つけてずっと戦隊現場にいる人」の両方が存在していることである。

 2015年頃の当ブログの過去記事に顕著だが、私は横浜流星演じるヒカリに対してマジでこじらせすぎており、心の傷が癒えないので到底次の戦隊なんか見られるかよ絶対無理~と思いながらトッキュウジャー解散とともに現場を去った。その後もつらい思いをするので戦隊番組を継続的に視聴するということはできていない。(ヒカリくんはもういないので)

 ちなみに志尊淳オタはD2やテニスの現場も経験しており推しがうっかり戦隊に出てしまったので戦隊も追っているという者が多く、名古屋の特殊陶業何とか会館にツアーで行ったときに懐かしいね~テニスで来たわ~みたいな話を皆していた。元気にしてるかな。私は元気です。

 当時の横浜流星オタの層は雑誌「ニコラ」のメンモ経由で知ったというJKとか、ごく少数存在したEBiDAN時代を知る人とか以外はほとんど戦隊出のオタで占められていた。そのオタもジャニーズ流れだったり、吉沢亮流れだったり、キョウリュウジャー流れだったりと、「まあわかる」的な傾向であったように記憶している。当時のソロイベントは神保町の出版社の会議室みたいなところにオタクを集めておじさんがオタの整理券番号を呼び出すという病院の待合室スタイルだったり、アニメイト横浜で開催されたDVDイベントでは「横浜が横浜に上陸」という偏差値3くらいのギャグを放ち、「DVDを3枚買うと頭ポンポンか好きな言葉をささやいてもらえる」という狂気そのものとしか言いようがない特典を付けてDVDを売ったりしていた。 どうかしていたと思う。ちなみに横浜流星さんの過去の動画が掘り起こされていろいろバズっているのを暇なときに検索して見てニヤつくのが趣味なのだが、子ヤギを自転車の前かごに乗せて沖縄の道を疾走したり明らかにマズそうなハムエッグを作って微妙な表情を浮かべたりする伝説のトンチキDVD「R」はどうやらまだ発掘されていないようなので誰か拡散してみてほしい(他力本願)。

 私のように1代で戦隊現場を去るオタクも多くいるが、その反面一生特撮現場にいる人というのもいる。多分こういう人たちが立風館ソウジから流れてきて放映終了と共にどこかへと去っていったんだと思うのだが、恐らく彼らは俳優オタクと特撮オタクの中間みたいな存在である。特撮に出ている俳優オタとくくるのが適切かもしれない。

 戦隊現場の凄いところがどこかというと、老若男女がいるという点である。

 ヒーローショーなので当然であるが子供先輩がたくさんいらっしゃる。特撮オタクのおじさんもいる。あと子供先輩の親もいる。たまたまヒーローショーを観に来た子供先輩の親がそのまま俳優オタになったという事例もいくつか知っている。かくいう私もこんなゲスの塊みたいな存在なのに5歳くらいの友達がいた。彼女の御母堂が俳優オタクになっちゃったので彼女も連れられて現場によく来ていたのだが、朝Gロッソの入り口付近で会うと「おはよ~~!!」と元気に挨拶してくださり、面白かった。子供先輩は子供先輩なりに、我々の思っている以上に物事を理解しており、私の推しが横浜流星さんだとちゃんと理解して会話をしてくださるので、マジでウケていた。幼児の友達を作りたければ、戦隊現場に通うと良いと思う。

 「イケメンを観たい」というよこしまな願望に駆られている我々とは違い、子供先輩は立派な番組のメインターゲットであり想定された視聴者層である。子供先輩が一番偉いのだ。

 横浜流星さんも最前列にいる子供さんを爆構いしたりしており、毎日非常に可愛らしかった。

 現場に子供先輩が日常的にいると、「あいつは子供を使って推しからファンサを貰おうとしている」とか、「子供にコスプレさせるな」とか、よそでは絶対に見られない謎の議論や叩き合いが発生して非常に面白い。今思い出すとまじでウケる。実際、最前列にけん玉とか持った子供さんがいると(註:ヒカリくんはけん玉を劇中で持ち歩いていた)大きなお友達へのレスなんか一切飛んでこないのでギャンブル性が高かった(当たり前である)。

 メンズ地下アイドルの現場にも行ってみたりしたので良くあることだなと思えるようにはなったが(良くあることであるべきではない)、レスをめぐって大の大人が病んだり怒ったりしている光景はただでさえヤバいのに、メインターゲットが子供の現場で大の大人がレスをめぐって病んだりしている光景はもはや狂気である。「現代の病理が詰まっている」とクロ現あたりに取り上げられてもおかしくない。現代の病理が見たいのであれば是非戦隊現場に足を運んでみてほしい。

 あと特撮オタクのおじさんが変身アイテム腕に装着して闊歩していたりするので凄い。徐々に感覚が麻痺してくるので何とも思わなくなるが、オタクが皆、大の大人なのに変身アイテムを装着していたり人形を所持していたりする光景は、受け入れがたい人にとっては受け入れがたいに違いない。

 個人的にはコスプレしてヒーローショーに来るオタクが解釈違いすぎるあまり全員ブロックしていたこともあった。 彼らも元気にしているのだろうか。コスプレについてもオタクの間で「小さな子供が誤解したらどうするんだ」とかいう子供先輩をスケープゴートにした終わりなき論争が繰り広げられており色々凄かった。

 

 役に愛着があると、解散が辛かった。

 未だに毎年春が来てファイナルライブツアーの千秋楽レポートなんかをネットで見ると、「今年もかー」という重い気分になる。

 1年限りで解散することが最初から保証されている現場というのもなかなか珍しいと思う。戦隊はマジで毎年毎年ずっと同じことをしているので卒業セレモニーも毎年ほぼ同じで、他の代のファイナルライブツアーの映像を見せてもらってもやってることがほぼ同じで驚き通り越して「当たり前だよな~」という感情にしかならないのだが、とにかく画面の前の誰かに伝えたいのは戦隊を好きになったら絶対に終わりは来るということ。

 私は当時できる限りの全力をもって戦隊を追っていた。しかし未だに「もっとやれたかもしれない」と後悔していることはたくさんある。お恥ずかしい話だが戦隊に未練があるからこそこうして解散から4年経っても戦隊の思い出話などをしてしまうのだ。こういうところもマジで体育会系部活動である。このブログは引退した先輩が飲み会に来て延々昔の話をしているようなものであり非常にウザい。

 あと普通に戦隊で推しを見つけられたらそれはラッキーで芸能界というのは怖い場所なので可能性がすごく高いわけではないが未来になってめちゃくちゃ推しが売れることもある。

 だからといって何かあるわけではないが私は普通にテレビを何気なくつけても横浜流星さんが出て来たりしてよくビビり倒している。「おしゃれイズム」出るの凄くない?もう国民の彼氏やん。

 ちなみに明日で烈車戦隊トッキュウジャーのFLT千秋楽から丸4年らしい。

 人間ボーっとしてても勝手に時間は経つんだなと思った。