登場人物
ノゾミ:推しがちゃらんぽらんなので、陰で文句を言っているオタク。でも、たまに真面目なところを見せるので、本当はいいやつだと3年間信じており、炎上することを恐れて生きている。
桃子:推しに貢ぎすぎた結果、10代で悟りを開き、色々なことがどうでもよくなってしまったオタク。舞台がつまらないと寝る。
明るい悩み相談室
ノゾミ:ぜぇ……はぁ……疲れた……
桃子:ノゾミちゃんどうしたの? へろへろの状態でジョナサンに入ってくるとシャブ抜けた薬中みたいだし何か西新宿のビル街をタクシーに乗る俳優見つけて全力疾走した人みたいになってるよ。
ノゾミ:先に答えを言うでないわ! ああもう、どうしてあいつらは毎度毎度タクシー乗るかなあ〜。
桃子:きっと稽古がやたら毎日早く終わるから飲むしかやることないんだよ。
ノゾミ:にしても歩けよ!
桃子:腹立つね。 ところでノゾミちゃん、今日もいろいろなオタクから質問が届いてるよ。
ノゾミ:ええ〜、また〜?
桃子:仕方ないよ、みんな鬱憤が溜まってるんだよ。早速読もう。
ノゾミさん、桃子さん、こんばんは。私は俳優オタなのですが、先日ジャニオタの友人の癪に触ってしまいました。私が推しに凸れなかった愚痴を言ったところ、友人は「私たちは暑い日も寒い日も待って一言しか発することを許されないのに文句言うな」と怒られてしまったのです。友人の機嫌をどうしたら取り戻せるでしょうか。
ノゾミ:この人は友達に弱味握られてるの?心の狭い友達だな。
桃子:ジャニオタって心が強いよね。私ならジャニオタの環境はつらい。
ノゾミ:上下関係に縛られて心が豊かになり得なさそう。
桃子:でも「応援してる人がジャニーズに所属してる」っていうのはブランドとして強いよ。俳優オタって生きててスイマセンみたいなところあるから。
ノゾミ:職場でジャニオタが固まって派閥作って永遠に仕切りの悪口言ってるの羨ましいなあって思うときはあるねえ〜。共通の話題があるっていうのはさ。
桃子:まあでもジャニオタの上下関係とかルールもたいがいだけど俳優オタも色欲にまみれてて心が貧しいよ。
ノゾミ:この人は友達の機嫌を取り戻したいならいかにジャニーズが偉いかをしゃべればいいと思うよ。実際ジャニーズは偉いよ。テレビにも出られるし大箱もおさえられるし。
桃子:俳優オタになる前は若手俳優のことテレビドラマの死体役だと思ってたけど実際は死体役でもテレビ出られれば御の字だよね。
ノゾミ:推しがそんなことになったら大騒ぎだよ。祝い花だよ~。
桃子:この人はそう言われたら「でもほぼ一般人ッスから~」って下手に出ときゃなんとかなるよ。
はじめまして。私の推しは好きな音楽を聞かれると「韓国とか」という曖昧な回答をするので特に理由もないのですがすごく腹立たしいです。この怒りはムダなのでしょうか。
ノゾミ:ムダだね。
桃子:うん。
ノゾミ:あ~でもわかるわ、めちゃくちゃわかるわこれ、つらいわ、つらいよね。つらいわ~~~~。
桃子:ノゾミちゃんの推しはSY32の稽古着リュックにつめて変な色のキャップの上からでっかいbeatsのヘッドホンしていつも一張羅のライダースに下だるだるのパンツで稽古来るもんね。
ノゾミ:こら! 的確に人の推しを表現して罵るな! 音楽と関係ないし!
桃子:でも推しが岡崎体育とか聴いてても微妙な気持ちになるしサブカルにふれすぎるのも気がかりだよね。
ノゾミ:それはサブカルじゃなくてただのコミックシンガーじゃないの?
桃子:アハハ。一応テクノらしいよ。 みんな忘れちゃいけないけど俳優ってけっこうDQNいるからね。
ノゾミ:オタクに接してるうちに心がDQN化していくんだよ。
桃子:そうかもね…。
ノゾミ:俳優の素を見てそいつがクラスメイトにいてめちゃくちゃ素行悪かったとしても好きかをよく考えてからお金使ったほうがいいと思う。
桃子:それでも好きだったらどうするの?
ノゾミ:そりゃしょうがないよ……。
こんにちは。いま推しが舞台をやっているのですが演出家がいい加減で腹が立ちます。家から稽古場までの距離をkm単位でツイートしたり、舞台が2時間あるのにBGMが3種類しかなかったり、割とインド人みたいな顔のキャストが病欠したときにハゲ散らかしたおじさんのアンサンブルを代役に立てたりします。私のチケット代から演出家の給料が出ているのかと思うと怒りがわいてきます。ノゾミさんと桃子さんはスタッフに怒りを覚えたことはありますか。
ノゾミ:この演出家めちゃくちゃ面白いね。生涯を舞台化したほうがいいよ。
桃子:ノゾミちゃんは推しに似てすぐいい加減なことを言うね。
ノゾミ:本題に入ると、スタッフには怒りを覚えっぱなしだよね。
桃子:まあそうだね。
ノゾミ:桃子は悟ってからあんまり怒ったりしないよね。
桃子:もう何言ってもムダだからね
ノゾミ:別に演出家ってものすごくえらいわけじゃないよね、世間的に。そりゃその舞台の座組の中では絶対的な存在であり権力だからえらそうに思えてくるけど、親の七光りで演出家やって酷評されてるのにクソ舞台をコンスタントに量産して初演と再演がつまんないのに有名俳優起用した大作で全国ツアーまわったりするやつもいるからね。
桃子:ノゾミちゃんの恨みがうかがえるね。
ノゾミ:深作欣二の息子チケット代かえしてくれねーかなー。
桃子:そりゃムリだよ。
ノゾミ:でもハゲ散らかしたおじさんのアンサンブルに関しては許してあげようよ。その人もたぶん好きでハゲてるわけじゃないし。
桃子:それは演劇業界じゃなくてハゲ業界の問題だね。
ノゾミ:Kステの第二章でも女子高生役の子が体調不良で出てこられなくなって末満健一が代役やってたし。
桃子:まあ、女子高生→39歳男性よりは理性ある判断かもね。
ノゾミ:ジャニーズ風に言うと、ショー・マスト・ゴー・オンなんだよ。
桃子:全然関係ないけど、ジャニーズの舞台ってなんで本人たちの設定とか本人たちの話が多いんだろうね。前にテレビ見てたら、マッチがドリームボーイズの宣伝してたんだけど、「俺の生涯の話をやります」って言ってて、衝撃を受けたことがある。そんなの永久機関と一緒だよね。自分で自分の話やるんだから話作らなくていいんだよ。ラクだね。
ノゾミ:ねえ、そんなことより舞台「Johnny's World」が狂気に満ちててめちゃめちゃウケる。
しかしこのあと、13月を探していた勝利くんがマクベスを殺して歴史を変えてしまったためプロデューサーは洪水に巻き込まれて死んでしまいます。プロデューサーを追った勝利たちは、宇宙へ旅立つことに…な、何を言ってるかわからねーと思うがそういう話なので勘弁してください。
宇宙で知った事実…勝利くんたちのせいで、あの美しかった地球が灰色の星になってしまったというのです!
ノゾミ:なーに言ってんだ。
桃子:話が破綻してても、演出家に腹が立ったりしないならいいんじゃないかな。
ノゾミ:それもそーだね。でも難しいのは、この舞台面白いなって作品を手がけた人でも原作ものをやると面白くなくて愚痴アカでめーちゃくちゃ叩かれてる演出家いるじゃん。扱いに困る。
桃子:シャトナーじゃない方の西田だね。
ノゾミ:「おまえは殺陣の手数しか自慢できねえのか」「上演時間守れ」みたいなね~。
桃子:まあ、上演時間は守ってほしい。
ノゾミ:めーちゃくちゃトイレ行きたくなるもん長いと。つらくない?もうおばあちゃんなのかもしれない。
桃子:3時間半の舞台のマチソワ通ってたとき劇場壊そうかと思った。
ノゾミさん桃子さんこんにちは。推しの共演者が頑張って稽古場の背景にモザイクをかけて写真を載せているのですが、他の出演者は別に何もしていないので無加工の写真は上がりまくっていて、結果的にその共演者の一人相撲と化しており、見ていてむなしいです。相談ではなくてすみません。
ノゾミ:いるいる~~~~~~~~~~~。
桃子:そういうやつのこと心の中で自意識過剰って呼んでる。
ノゾミ:ただの悪口だもう。
桃子:ノゾミちゃん、今日来てた質問はこれで終わりだよ。
ノゾミ:悪口で終わりかよ!
桃子:最初から基本的に悪口だったけどね。
ノゾミ:あーあ、あの女キャストに不運が降りかからねえかな~~~。
桃子:ノゾミちゃん、インスタグラム必死に遡ってどうしたの?
ノゾミ:舞台で共演するとインスタ使ってマウンティングしてくる女に呪いこめてる。
桃子:そんなんだからいつまで経っても町厨なんだよ。
ノゾミ:キィ~~~~!!!どうしてこいつは稽古場にすぐ手作り料理を持参するんだよ!!!
桃子:AKBグループの出身者は情緒の形成時期をオタクとの握手に全部捧げちゃったから周囲にいる男性へのアプローチの仕方にやや歪みがみられるんだよ、ノゾミちゃん。
ノゾミ:クソ俳優の厨なんかやめてやる~~~!! あっ、服屋の店員から連絡だ……
<質問お待ちしています。>